監督 トーマス・アルフレッドソン 脚本 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 原題 Lat den ratte komma in 英語題 LET THE RIGHT ONE IN 製作国 スウェーデン 製作年2008/115分 |
評価:★★★★ 4.0点
このスェーデン映画は、漫画『ポーの一族』のようにも、また映画『小さな恋のメロディー』のようにも見える、初々しさとリリカルな詩情が感じられるヴァンパイア映画です。
しかしこの繊細な映画は、ただ美しく可憐なだけではない、深く封された意味が隠されていると思うのです。
『ぼくのエリ200歳の少女』予告
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以降の文章には
『ぼくのエリ200歳の少女』ネタバレ・ラストシーン
を含みますので、ご注意下さい。========================================================
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エリが街を出て悲しみにくれるオスカーに、イジメていた一人マーティンから電話が入った。
オスカーの前に現れた、イジメの首謀者の兄が、オスカーを追い詰める。
[意訳]マーティン:やあ、オスカーか?マーティンだけど、アヴィラさん(ジムの先生)が、今晩君が来るか知りたがってた。/オスカー:なんで?/マーティン:ただ知りたいんじゃないかな。たぶん来てほしいんだよ。/オスカー:はっきり分からない/マーティン:そうか。ところで、コニー(イジメの首謀者)にした事は自業自得だよ。/オスカー:そう思う?/マーティン:今晩来るだろ?/アヴィラ:いいぞオスカー/マーティン:ようオスカー/アヴィラ:来い、水中アクロビクスを始めるぞ。/アヴィラ:ほらもっと。体を動かせ。なに、クソ!(外から消防署を呼べ、火事だ)
兄:失せろ。帰れ!俺が誰だかわかるか?/オスカー:うん/兄:そうか、話が早い。ちょっとコンテストをしよう。水の中に3分潜るんだ。もしできなければ、お前の眼をくり貫く。次は耳だ、いいな。/オスカー:そんなの無理だ。/兄:それは、お前の問題だ。3分。深く息をした方が良いぞ。5、4、3、2
水中で窒息しそうになったオスカーの体が、ふと自由になった。
エリがその超人的な力で、オスカーを救ったのだった。
列車に座るオスカーの傍らには大きな箱がある。
その箱の上でモールス信号を送る。
送った信号は「PUSS」。
スウェーデン語で「小さなキス」という意味の信号だった。
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『ぼくのエリ200歳の少女』・結末感想
======================================================この結末を見て思うのは―
エリは別の町でもオスカーのような存在を手に入れる事もできただろうという事実だ。
しかし、戻ってきた。
それはやはり、オスカーを愛していたからだったろう。
共に暮らしてきた初老のハカンに性的な変質的な匂いを感じるが、オスカーにはそれがない。
それゆえ、エリは性を超えた純粋性ゆえにオスカーを愛したのではないか。
そう思えば、個人的には、オスカーもヴァンパイアとなって、共に永遠の12歳として「中性的な愛」に生き続けるのだと信じている・・・・・・・・・・
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