2017年04月09日

映画『ぼくのエリ200歳の少女』異形を巡る愛の童話/ネタバレ・ラスト・結末モールス意味

ぼくのエリ200歳の少女(ネタバレ・ラスト・結末)

監督 トーマス・アルフレッドソン
脚本 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
原題 Lat den ratte komma in
英語題 LET THE RIGHT ONE IN
製作国 スウェーデン
製作年2008/115分


評価:★★★★  4.0点

このスェーデン映画は、漫画『ポーの一族』のようにも、また映画『小さな恋のメロディー』のようにも見える、初々しさとリリカルな詩情が感じられるヴァンパイア映画です。
しかしこの繊細な映画は、ただ美しく可憐なだけではない、深く封された意味が隠されていると思うのです。

『ぼくのエリ200歳の少女』予告


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以降の文章には

『ぼくのエリ200歳の少女』ネタバレ・ラストシーン

を含みますので、ご注意下さい。

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エリが街を出て悲しみにくれるオスカーに、イジメていた一人マーティンから電話が入った。
オスカーの前に現れた、イジメの首謀者の兄が、オスカーを追い詰める。

[意訳]マーティン:やあ、オスカーか?マーティンだけど、アヴィラさん(ジムの先生)が、今晩君が来るか知りたがってた。/オスカー:なんで?/マーティン:ただ知りたいんじゃないかな。たぶん来てほしいんだよ。/オスカー:はっきり分からない/マーティン:そうか。ところで、コニー(イジメの首謀者)にした事は自業自得だよ。/オスカー:そう思う?/マーティン:今晩来るだろ?/アヴィラ:いいぞオスカー/マーティン:ようオスカー/アヴィラ:来い、水中アクロビクスを始めるぞ。/アヴィラ:ほらもっと。体を動かせ。なに、クソ!(外から消防署を呼べ、火事だ)
兄:失せろ。帰れ!俺が誰だかわかるか?/オスカー:うん/兄:そうか、話が早い。ちょっとコンテストをしよう。水の中に3分潜るんだ。もしできなければ、お前の眼をくり貫く。次は耳だ、いいな。/オスカー:そんなの無理だ。/兄:それは、お前の問題だ。3分。深く息をした方が良いぞ。5、4、3、2

水中で窒息しそうになったオスカーの体が、ふと自由になった。
エリがその超人的な力で、オスカーを救ったのだった。

列車に座るオスカーの傍らには大きな箱がある。
その箱の上でモールス信号を送る。
送った信号は「PUSS」。
スウェーデン語で「小さなキス」という意味の信号だった。



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『ぼくのエリ200歳の少女』・結末感想

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この結末を見て思うのは―
エリは別の町でもオスカーのような存在を手に入れる事もできただろうという事実だ。
しかし、戻ってきた。
それはやはり、オスカーを愛していたからだったろう。
共に暮らしてきた初老のハカンに性的な変質的な匂いを感じるが、オスカーにはそれがない。
それゆえ、エリは性を超えた純粋性ゆえにオスカーを愛したのではないか。

そう思えば、個人的には、オスカーもヴァンパイアとなって、共に永遠の12歳として「中性的な愛」に生き続けるのだと信じている・・・・・・・・・・


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posted by ヒラヒ at 18:59| Comment(4) | TrackBack(0) | スウェーデン映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月07日

映画『ぼくのエリ200歳の少女』エリの去勢が示すもの/感想・解説・意味

ぼくのエリ200歳の少女(感想・解説 編)



監督 トーマス・アルフレッドソン
脚本 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
原題 Lat den ratte komma in
英語題 LET THE RIGHT ONE IN
製作国 スウェーデン
製作年2008/115分


評価:★★★★  4.0点

このスェーデン映画は、漫画『ポーの一族』のようにも、また映画『小さな恋のメロディー』のようにも見える、初々しさとリリカルな詩情が感じられるヴァンパイア映画です。
しかしこの繊細な映画は、ただ美しく可憐なだけではない、深く封された意味が隠されていると思うのです。

『ぼくのエリ200歳の少女』予告

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『ぼくのエリ200歳の少女』感想・解説

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この映画の原題は「 LET THE RIGHT ONE IN=正しき者を入れよ」といいます。
ヨーロッパの吸血鬼伝承の中では、吸血鬼はその家の住人に「入ってよい」という許可を貰わなければ入れないという、言い伝えに拠っているようです。
実際に映画内でもしばしば、入ってよいかと尋ねるシーンが出てきます。
入る許可をくれる?もし許さなかったら?
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この映画はそんな、古くから伝わる「民間伝承=民話=フォークロア」の伝統を現代に蘇らせた一本だと感じます。
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それらの伝承物語をファンタジーと呼ばせて貰うとすれば、この映画はファンタジーの持つ本来の力を表現した秀作だと思います。

そしてまた、この少年がエリという存在に惹かれ、そして分かち難く結びつく過程こそ、ファンタジーがなぜ現実世界に必要とされるかの具体的な例証だと感じます。

この映画を、子細に見てみれば、実は禍々しいディテールが全編を覆っていることに驚きます。

しかし、西洋の「童話」日本の「おとぎ話」というような「ファンタジー」とは本来、邪悪で反社会的な刺激に満ちていたのです。
シンデレラでは継母が、ガラスの靴に足が入るように娘の指を切り落としますし、白雪姫では姫を苦しめた「実母」が焼けた鉄の靴を履かせられ、死ぬまで踊らされます。


当ブログ関連レビュー:

『パンズ・ラビリンス』

ギレルモ・デル・トロ 監督
ファンタジーの復権を語った名作



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この映画では、現代では弱められたファンタジーの力を呼び戻すかのように、遠慮なく残虐で非道な世界が繰り広げられます。

この物語の主人公オスカーはイジメを受け、そして孤立無援で、苦しんでいます。
さらに、異常性愛も、主人公の父親の同性愛、エリの世話をする男の少女性愛、そして過剰なほど出てくる少年の裸体には、間違いなく少年性愛も秘められているはずです。

こんな異常な現実に追い詰められていく主人公の少年。
しかし、主人公のような「弱き者」を助けてくれる者は、社会も警察も周囲の大人にもいません。
bokueri-bura.jpg
この主人公は、『ヘンデルとグレーテル』のように、社会から捨てられた子供として存在していたのだと思えます。

そんな過酷な現実により追い詰められ、退路を断たれた弱者を救済するのは、幻想世界の力でなければ不可能なように思います。
それは、現実世界が作り出した苦悩である以上、現実以外の存在に仮託して、解消する必要があるからです。
それゆえ、現実を超越した、公序に元ずく「宗教=神」によるか、さもなければ反道徳的な「悪=魔」によって、閉塞した現実の打開を図らなければならないでしょう。


bokueri-vanp.jpgしかし、往々にして宗教は天上の神の名を借りて、社会の安寧と公助良俗を作り出す役割として機能し、むしろ現実社会を管理維持するために「絶対的権威=神」を行使しています。
そう考えれば、現実社会で追い詰められ、落ちこぼれた人間にとって、救われる道とは反社会的な、反道徳的な力に頼るしかないのです。

したがって、社会から捨てられた、この無力な少年は、少女の姿をした「ヴァンパイア」という魔の存在と契りを結ぶのです。

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『ぼくのエリ200歳の少女』去勢の意味


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実際この少女の形をしたエリ「ヴァンパイア」は、暴力と血に満ちて破壊し続けます。
このエリは儚げにも虚弱にも見えるかもしれませんが、大の大人を一瞬の内に噛み殺しますし、実は映画の中で老婆の顔を何度か見せます。

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そして、決定的なのはエリの世話をずっとしてきたであろう、初老の男ハカンを使い道が無くなれば、情を含みつつも始末する非情さが有ります。

この少年も同じ運命をたどる可能性もあるでしょう。

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しかしオスカーにとって、それでも苦しい現実を超克する道は、このスパーパワーを持った「魔物」と共に生きることにしか見いだせないのです。

少年は、エリは去勢された女でも男でもない中性的な存在だと、彼女の着替えを覗き知っています。
少年は、エリがヴァンパイアという「魔の眷属」だという事も知っています。
それでも少年は確かに、このエリに恋していたでしょう。

そんな事から考えれば、この映画が描いた2人はプラトニックなままで、永遠の恋を生きる事を選んだのでしょう。
また同時に「マイノリティー=弱者」のまま生き、戦う決意をした2人だとも思うのです。

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マイノリティー映画としての『ぼくのエリ200歳の少女』


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スクリーンショット 2017-04-04 23.37.36.pngこの映画のエリは人間の眼を避けて生きており、オスカーはイジメを受けています。
つまり、この二人は世間から虐げられた、マイノリティーとして生きているのです。
この少年オスカーが体験したイジメとは、中世においてキリスト教の抑圧下にあったヨーロッパが、その無意識下に沈殿した不満を「魔女狩り」として解消したのと同じ作用だと思います。

黙っていれば、魔女として抹殺されてしまうことを考えれば、実はエリとはもう一人のオスカーだったようにも思うのです。

この少年は現実世界の冷酷さの犠牲になるより、人間を捨てエリと生きる道を選んだのです。

そしてオスカーは、エリと言う人外の存在を愛することで、自らも生臭いエロスを越えた、永遠の純潔を手にいれたと思います。

そう考えれば、この二人の間にあったものは、すでに恋を越えて…むしろ運命であり、お互いを求めざるを得ない必然の関係だったのではないでしょうか。
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この少年が現実の歪みを一身に受けて、魔となって現実世界を超えた姿こそ、真にファンタジーの力を表現したものだと思います。


そしてこの映画は、現代のファンタジーとしてふさわしい、新たなデザインを表現したと感じます。
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それは、伝統的なファンタジーとしての「刺激に満ちた異世界」を、叙情性、詩情性によってコーティングしたことです。


見る者は、強い暴力的な刺激と交互に描かれる、潔癖さや純粋性により、かつてのファンタジーが間違いなく持っていた、抑圧された「負の感情」の浄化、「カタルシス」を感じるだろうと思います。

暴力性とイノセント性で効果を上げた作品として、『レオン』を思い浮かべたりもしました

当ブログ関連レビュー:
『レオン』

リュック・ベンソン 監督の名作
ジャン・レノとナタリー・ポートマンの演ずる凶暴な純愛


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posted by ヒラヒ at 16:59| Comment(4) | TrackBack(0) | スウェーデン映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月06日

映画『ぼくのエリ200歳の少女』求め合う魂/詳しいストーリー・あらすじ

ぼくのエリ200歳の少女(ストーリー・あらすじ 編)



監督 トーマス・アルフレッドソン
脚本 ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
原題 Lat den ratte komma in
英語題 LET THE RIGHT ONE IN
製作国 スウェーデン
製作年2008/115分


評価:★★★★  4.0点

このスェーデン映画は、漫画『ポーの一族』のようにも、また映画『小さな恋のメロディー』のようにも見える、初々しさとリリカルな詩情が感じられるヴァンパイア映画です。
しかしこの繊細な映画は、ただ美しく可憐なだけではない、深く封された意味が隠されていると思うのです。

『ぼくのエリ200歳の少女』あらすじ


Bokueri-first.pngストックホルムの夜、上半身裸で12歳の少年オスカー(カーレ・ヘーデブラント)はナイフを持ち窓から外を見つめている。

そこに一台のタクシーが止まり、初老の男ハカン(パー・ラグナル)と黒髪の少女エリ(リーナ・レアンデション)が現れ、少年のアパートの隣人となる。

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郊外で母親と2人で暮らすオスカーは、学校に行くといつものように級友からの苛めに遭った。



隣家に越してきた初老の男ハカンは、ポリタンクを持ち外に出ると雑木林で出会った男を殺し、木に吊るすと血を絞ろうとするが、しかし人が来て、逃げ出した。
bokueri-sakasa.jpgBokueri-syorou.png

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少年は学校で苛められたうっぷんを、ナイフで木を刺すことで紛らわせている。

その後ろにいつの間にか黒髪の少女が立っていた。


bokueri-eri.png
少女は「友達になりましょう」といった。

ハカンの引き起こした事件は、猟奇殺人として喧伝され、街の人々は不安に包まれていた。
夜、再びオスカーの前に現れた少女の顔は悲しげで、異臭を漂わせていた。
オスカーはそんな彼女に、ルービックキューブを渡した。
その晩、近所のレストランで食事を終え帰る、ロシア人グループの一人が襲われた。血だらけの現場で目撃者は被害者と子供がいたと言った。
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翌晩エリは「今日は臭くない」と言いながらオスカーの前に現れた。
bokueri-cube.jpg2人の間で、モールス信号で会話する約束をする。少女は誕生日を知らず、年齢もたぶん12歳と曖昧に答えた。
オスカーは、プレゼントも貰った事が無いんだと、ルービックキューブを贈った。


bpkueri-kizu.png学校の放課後、また苛められたオスカーは顔に傷を作る。
もうたくさんだと思いながらも、母親には石で転んだと誤魔化した。
しかし夜、いつもの庭であったエリは苛めだと気付いた。
そして、勇気をもって、やり返しなさい。
私が助けてあげると言った。

オスカーは強くなりたいと願い、学校のジムに通いだした。
boukueri-jim.png
そんなある晩、エリと暮らす男ハカンは、もう自分はいつ捕まるか判らないと嘆いた。
それを聴いたエリは「あなたじゃない方が良いかもね」と言う。
男は、誰か代わりがいるのか、今夜はオスカーと会わないでくれと訴えた。
そして、血を集めるため学校のジムに忍び込んだ。
しかし、犠牲者を逆さ吊りにし血を取ろうとして、見つかってしまう。
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男は、自らの顔に硫酸をかけ身元が分からないようにし、病院に担ぎ込まれた。
bokueri-hos.png
その病院の7階の窓の外にエリが現れた。
ハカンに窓を開けさせ、その首に噛みつくと地上へと落した。

そして、その後エリはオスカーの部屋を訪ね、オスカーに目を閉じさせ血だらけの顔で、はだかのままベッドに入った。
オスカーはエリに恋人同士になろうと言った。
オスカーとエリのベッドでの会話

エリ:オスカー入っていい?/エリ:私を見ないで/エリ:でも、私が入るにはあなたの許可がいるの。/オスカー:入っていいよ。/エリ:眼を閉じて/オスカー:どうやって入ったの?/エリ:飛んで。/オスカー:ああ、そう。何も着ていないの。氷みたいに冷たい。/エリ:ゴメン。迷惑だった?/オスカー:いや。/エリ:大きな 大きな ブタの声。指を何本もいでやろうか?/オスカー:エリ。僕と付き合わない?/エリ:どういう意味。/オスカー:そう…僕の彼女になってくれるかなって?/エリ:オスカー、私女の子じゃない。/オスカー:そう…でも恋人になって欲しいんだ、どう?/エリ:他の人と同じことはできないのよいいの?/オスカー:いいよ。/エリ:恋人になったら、なにか特別なことがあるの?/オスカー:ないよ。/エリ:何も変わらないのよ?/オスカー:いいよ。/エリ:じゃあ恋人になりましょ。あなたと私。/オスカー:ほんと?よかった。

オスカーはエリと恋人同士になった。

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学校の校外授業で、苛められそうになったオスカーは苛めの首謀者に逆襲し、怪我を負わせる。

自宅に帰ると怒る母親を無視して、オスカーは復讐した事をエリに伝えた。
おめでとうと言うエリに紅潮した顔で“血の契約”だと手をナイフで切り、血をしたたらせた。
瞬間エリは、床に落ちた血を啜り、その顔が一瞬老婆に見えた。

近所のロシア人のグループで、またジーニャという女性が襲われた。今回は命を奪われる前に、助けが来た。襲ったのはエリだった。
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しかし、襲われたジーニャは咬まれた後の血が止まらず、衰弱し続けた。
そして、ある日、太陽の光を浴びて燃えて消えた。


エリは、自分の部屋にオスカーを招じ入れた。
オスカーは、部屋の中で、年代物の美術品やアクセサリーを見た。
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エリは、200年もの間各地を転々として生き血を啜ってきたヴァンパイアだったと語った。

オスカーは帰るといい部屋を後にした。

あくる晩、エリは再びオスカーを訪ねた。
オスカーの部屋を訪ねるエリ

エリ:どうも/オスカー:やあ/エリ:入れてくれないの/オスカー:入れなかったらどうなるの?もしどこにも行けなかったらどうなるの?他に入る方法がある?コイ、コイ、コイ。(血を流すエリ)/オスカー:やめろ!入っていいから!君は誰だ…

意地悪をするオスカーに、エリはその顔と体から血を湧き出した。
Bokueri-kiss.gifエリは「あなたが好きよ」と言い、
「どこを見てるの」と言った。
オスカーは「僕は人を殺さない」と言った。
エリは「でもそうしたいんでしょ」「私を少し感じて」と言い、そして二人はキスをする。

血だらけの服を着替える時見えた、エリの裸体の性器は去勢されていた。

そして翌日、ロシア人ジーニャの夫が復讐に現れ、エリはオスカーの助けを受けて、返り討ちにした。
しかし、自分の部屋で起きた事件に、街から去らねばならなくなる。

エリはオスカーの前から去った。

Bokueri-ani.pngそんな、失意のオスカーの前に、苛めの首謀者の兄が復讐のため現れた。
彼は、プールに入ったオスカーにナイフを突きつけて、三分間水に潜れと命令した。
出来なければ、眼をくり抜き、耳を削ぐと・・・・・・・・・・・・・・



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『ぼくのエリ200歳の少女』予告

アメリカ版リメイク映画『モールス』予告編


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posted by ヒラヒ at 17:02| Comment(4) | TrackBack(0) | スウェーデン映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする