2022年05月15日

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』チープなキワモノ・コーマン映画!再現ストーリー/詳しいあらすじ解説・ネタバレ・ラスト・感想

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』詳しいあらすじ・ネタバレ 編

原題The Little Shop of Horrors
製作国 アメリカ
製作年 1960
上映時間 162分
監督 ロジャー・コーマン、チャールズ・B・グリフィス、メル・ウェルズ
脚本 チャールズ・B・グリフィス、ロジャー・コーマン


評価:★★  2.0点



この映画は1960年代のハリウッド映画低迷期に、その窮地を脱するビジネスモデルを示した、ロジャー・コーマン監督を代表する作品だ。

コーマン監督が生み出した作品は、俗に「キワモノ映画=エクスプロテーション(EXPROTATION)映画」と呼ばれ、その手法は1970年代ハリウッドで「ハイ・コンセプト」というマーケット手法として結実し、ブロックバスター映画のヒットを生んだ。

そんな歴史的に偉大な作品であるにも関わらず、ほんとに安っぽく、低レベルなのに驚く・・・・・
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<目次>
映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』ストーリー
映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』予告・出演者
映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』感想/解説
映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』ネタバレ
映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』結末

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映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』あらすじ

littl_1.png花屋には経営者グラヴィス・マシュニク(メル・ウェルズ) と、女性店員オードリー(ジャッキー・ジョセフ)、そしてもう一人、気弱で風采の上がらない若者シーモア・クレルボーン(ジョナサン・ヘイズ) が、店員として雇われていた。
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店には葬式続きのお得意さんの老婦人シヴァや、花を食べる変な男が訪れるが、シーモアがいつものように失敗を重ねると、マシュニクは首にすると宣言した。

慌てたシーモアは自ら育てている、新種植物を持ってくると言って、「オードリーJr」と名付けた貧相な草を取りに、自宅に戻ると母親(マートル・ヴェイル) がそんな草でクビがつながるのかと不思議がった。
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マシュニクはシーモアの持って来た草をにらみつけ、いくら新種でもみすぼらしい、一週間やるからもっと大きくしろと言った。
できなければクビだと再び脅した。
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しかし、シーモアがさまざまに手入れしても花は大きくならない。
そんなある日、シーモアがケガをし、その血が「オードリーJr」に滴ると、その植物は貪るように吸い込んだ。
そして「腹が減った! 何か食わせろ!」とシーモアに声を出して要求した。
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それから、シーモアが自分の血を与え続けると、オードリーJrは勢いよく成長し、それを見に新たな客が増えたのを喜んだ、店主マシュニクも褒めたたえて息子と呼びかけた。しかし、シーモアが貧血気味となるとオードリーJrはたちまち萎れだした。
店主マシュニクは手のひらを返して、シーモアに何とかしないとクビだとおどした。
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もう血を絞り出せなくなったシーモアは、その夜深夜の町にオードリーJrのえさを探しに出掛け、ひょんなことから殺人を犯してしまう。
その死体の始末に困り店に持ち帰ると、オードリーjrが相変わらず「飯食わせろ!」と絶叫していた。シーモアは、死体をオードリーjrに食べさせて証拠隠滅を思いつき実行した。
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すると翌朝、オードリーjrはグロテスクなほど成長し、店は黒山の人だかりだった。

その日シーモアは虫歯で歯科医院に出掛けたところ、そこは苦痛を求めるマゾの患者ウィルバー・フォース(ジャック・ニコルソン)も来る、患者に苦痛を与え喜ぶサディスト歯医者だった。
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シーモアはあまりの痛みに腹を立て、歯医者と決闘をし殺してしまう。しかたなくシーモアはこの歯医者をオードリー jrに与え、さらに成長させた。
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度重なる失踪事件に警察が調査に乗り出し、花屋にも聞き込みに来る。それと入れ違いに、花協議会のメンバーが新種の花の検分に訪れ、もっと大きくなれば表彰したいと言って去った。
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オードリーとシーモアがデートをするというので、店主マシュニクがその晩オードリーjrの世話を買って出た。その深夜、店に強盗が侵入し金を要求した。マシュニクは命乞いをしつつ、オードリーjrの口の中に金があると言うと、強盗は真に受け口の中に頭を突っ込むと、そのまま植物の中へ吸い込まれていった。
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その事件で懲りたマシュニクは再びシーモアにオードリーJrを任せた。シーモアはその貪欲なオードリjrの要求を拒み抵抗した。するとオードリーjrは催眠術を使い、シーモアにエサ探しを命じた。
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シーモアは夜の町にさまよい出ると、出会った娼婦を連れ帰り、オードリーjrの餌とした・・・・・・・・
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映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』予告

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』出演者

シーモア・クレルボーン(ジョナサン・ヘイズ) /オードリー・フルクアード(ジャッキー・ジョセフ) /グラヴィス・マシュニク(メル・ウェルズ) /バーソン・フォーチ(ディック・ミラー) /ウィニフレッド・クレルボーン(マートル・ヴェイル) /ウィルバー・フォース(ジャック・ニコルソン)

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映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』 感想・解説


正直に言って、この映画は、時間が有り余っていたとしても見るべきではないと思う。

ま〜、そう言っては何だが、チープで、演技者の演技も、ドラマの質も、お粗末としか言いようがない。

個人的な印象を言えば、昔よくあったトイレの落書きに近い。

下品で、モロで、安っぽく、お世辞にも上手いとは言えない絵のことだ。

しかし、これで金を取ろうというのはギリギリではないかとすら思える・・・・・・

ぶっちゃけ、この映画の監督、ロジャー・コーマンの作品は、基本的に「人を騙して金を出させる」詐欺まがいの商法だと言いたい。
ロジャー・コーマン(Roger Corman、1926年4月5日 - )はアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト生まれの映画プロデューサー、映画監督。日本語では「低予算映画の王者」「B級映画の帝王」、英語では"King of the Bs"、"The Pope of Pop Cinema"などと呼ばれる。
自伝『私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか』(ISBN 978-4152035035) では、彼の映画産業でのB級映画制作の体験を描いた。また、2011年には、コーマンや関係者にインタビューしたドキュメンタリー映画『コーマン帝国』(原題: Corman's World: Exploits of a Hollywood Rebel、監督: アレックス・ステイプルトン)が公開された。

<映画『コーマン帝国』予告>


実は、コーマンの製作手法は、いかに安く早く、刺激的な映画を作るかであり、例えばこの作品『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』は、わずか2日で撮影している。
その理由は、コーマン監督の前作『血のバケツ』で使ったセットが、2日間使えるとなって急遽撮影したものであり、更には1960年1月1日以降、新しい映画製作上の規則が施行され、俳優への出演料がその映画撮影期間だけでなく、DVD販売など再使用の際にも支払いが課されるようになると知って、1959年12月の最後の週に駆け込みで撮り上げたというのだ。

そんなコストに厳しい彼が、若手を積極的に登用したのは、単にコストが安かったからだ。
なぜなら、アメリカ映画界には監督にしても俳優にしても協会が存在し、そこに所属している人材を使おうとすれば、「俳優のギャラが土日は倍になる」、「8時間労働の原則(超過分は1時間につき5割、10割増し)」など、厳しいルールが徹底され割高になる。

そこで、俳優や監督を協会に所属前の若手を使うことで、低コストの映画製作を実現したのだった。

この例でも分かる通り、コーマンの基本戦略は「いかに安く刺激物を生み出すか」という一点が勝負なのである。
そのためには嘘をつくことさえもいとわないのだ!
<『CONAN on TBS』出演ロージャー・コーマン>
【大意】司会:あなたは映画予告に多大な影響を与えていますね。皆、特に若者は、予告編が映画と等しく、本当にあなたは予告を変え、革新しました。/コーマン:ジョー・ダンテがよくやってくれた。彼はよく知られた成功した監督になったが、最初は我々の予告の編集者から始めた。ある予告の編集を見て、私は「ジョーこれはあいまいでボヤけた予告だ、もっと盛り上げてくれ」と言うと、午後になって戻って来て、同じボヤけた予告の中間に、ヘリの爆破を入れると答えた。
司会:本当にヘリの爆破が映画内にあったんですか?/コーマン:予告の場面を映画に入れろと言う法律はない。(爆笑)/司会:すごい、最高だ!トークショウでも盛り上げたかったら、ヘリを落とそう。/コーマン:素材を提供するよ。/司会:請求する?/コーマン:ほんのちょっと。/司会:あなたは凄いタイトルを付けます。私が好きな映画に『巨大カニ怪獣の襲撃』がありますが、タイトルがスゴイ、他の作品のタイトルも。最初にタイトルを思いつくんですか?/コーマン:時としてそうで、ロン・ハワードの監督デビュー作『バニシングIN TURBO』はタイトルが先だ。しかし、前作の『Eat My Dust』はタイトルを付け忘れて撮影し、カーチェイスものでサンフェルナンド谷で、そこら中ホコリが舞ってる所だったから、監督が映画を「イート・マイ・ダスト」と呼ぶべきだと言った。それで、それにした。監督は冗談だと言ったが、冗談じゃ無いと言った。それで、タイトルが途中でついたんだ。

ほ〜〜んと、コーマン監督は、安いコストで「刺激」を生むという目的にどん欲だ。
それが戦争であれ、SEXであれ、暴力であれ、殺人であれ、異常気象であれ、動物の襲撃であれ、異常者であれ、猟奇事件であれ、幽霊であれ、宇宙人であれ、人々の好奇心を煽るモチーフを、これでもかとスクリーンに、安上がりにぶちまけることだ。

基本的に「やらずぶったくりの詐欺商法」と、私が言う由縁である。
実は、アメリカの「B級映画」には、そんな映画が多かったりする。

のちにクリント・イーストウッドから師匠と呼ばれた、ドン・シーゲルもバリバリのB級監督だった。
関連レビュー:B級監督の真骨頂
『ボディー・スナッチャー/恐怖の街 』
表現の稚拙さと恐怖の関係!この映画はボッタクリなのか?
映画表現とリアリティーの関係とは?

また、ティム・バートン監督の映画『エド・ウッド』で名高い最低監督エド・ウッドもB級監督を代表する一人だろう。
<『エド・ウッド』予告>

しかし、そんな「安っぽい刺激物」が、ハリウッドのブロックバスター映画の原型としてあることを考えれば、これも現代の古典と呼ぶべきだろう。
関連レビュー:コーマンのキワモノ映画とハリウッド
『ジョーズ』
スピルバーグ監督の描く恐怖の秘密とは?
ハリウッドを再生させたコーマン映画とジョーズの関係とは?!

そして、 ロジャー・コーマンは、新たな人材の発掘も相まって、映画史に間違いなく残る映画作家なのである。
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以下の文章には

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』ネタバレ

があります。
(あらすじから)
おりしもその日は花協議会による、オードリーJrの表彰日だった。
オードリーとシーモアの母、そして警察の刑事二人も含め、大勢の人が見守る中、その花のつぼみが開いた。
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すると、その花はエサになった人々の顔で、店の中が騒然となった。
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刑事に詰めよられたシーモアは店から逃げ出し、必死に走り追跡者を撒くと、再び店に帰って来た。
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そんなシーモアは、オードリーjrは相変わらず貪欲にシーモアにエサをねだる。
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やけっぱちになったシーモアは、ナイフを手にオードリーJrを倒そうと、ナイフを持ち口の中に飛び込んだ。

映画『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』ラスト・シーン


しばらくして店に、みんなが戻ってきた。
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その前でオードリーjrは新しい花を開いた。
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そこにはシーモアの顔があり。「僕は悪くない」とつぶやくと枯れて下を向いた。
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posted by ヒラヒ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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