2021年01月20日

巨匠の愛した映画『黒澤明が選んだ100本の映画』世界のクロサワが選んだ映画100本/黒澤映画の秘密が分かるリスト!?

『黒澤明が選んだ100本の映画』リスト

題 黒澤明が選んだ100本の映画
作者 黒澤和子
出版社 文春新書
発売日  2014/4/21
ISBN-10  416660967X
ISBN-13 978-4166609673



黒澤監督は、1998年に亡くなられていますが、翌年4月の「文藝春秋」監督が選んだ100本の映画が掲載されました。

この本はそのオリジナル・リストに、監督の娘・映画衣装デザイナーの黒澤和子さんが、その思い出の中の言葉を加えたものです。

黒沢監督の偉大な業績は今更言うまでもありませんが、その一端を示しているのがその作品の世界的評価です。

たとえば、世界各国で編纂される「映画ランキング」で、今なお数多くの黒澤作品が上位にランキングし、また映画監督ランキングでも常に入っていることでも明らかでしょう。
◎いろいろな『映画ベスト100』企画紹介
世界各国で選ばれた『映画100本』のリストを紹介!!!
映画界、映画ファン、映画評論家など、選定方法もさまざま!
黒沢映画も各リストでランクイン!


そして、映画の本場ハリウッドの映画作家達にとっても、黒澤は間違いなく「レジェンド=伝説」として認知されていました。
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1990年開催・第62回アカデミー賞授賞式
黒澤明アカデミー名誉賞

プレゼンターはスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカス
関連レビュー:オスカー受賞一覧
『アカデミー賞・歴代受賞年表』
栄光のアカデミー賞:作品賞・監督賞・男優賞・女優賞
授賞式の動画と作品解説のリンクがあります。
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そんな偉大な映画作家の眼を通して映画を見ると、職業的な視点として、作品的インスパイア、映画愛、矜持など、映画評価の多面性を教えてくれ、更に黒澤作品の秘密の一端を知れるリストだと思います。

当ブログでは、映画のタイトルだけをリストアップしていますので、詳しくは本でお読みくださればと思います。
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『黒澤明が選んだ100本の映画』リスト


という事で、いよいよ100本の映画をご紹介!作品は年代順で順位をつけず、1監督1作品で選ばれています。

当ブログで記事にしている映画にはリンクが貼ってありますので、良かったらお読みください。
○映画リストに合わせてBGMに映画『足ながおじさん』から”Something's Gotta Give”はいかが?

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1.散り行く花 (1919, D・W・グリフィス)
2.カリガリ博士 (1919, ロベルト・ウィーネ)
3.ドクトル・マズゼ (1922, フリッツ・ラング)
4.チャップリンの黄金狂時代 (1925, チャールズ・チャップリン)
5.アッシャー家の末裔 (1928, ジャン・エプスタン)
6.アンダルシアの犬 (1928, ルイス・ブニュエル)
7.モロッコ (1930, ジョセフ・フォン・スタンバーグ)
8.会議は踊る (1931, エリック・シャレル)
9.三文オペラ (1931, G・W・パプスト)
10.未完成交響楽 (1933, ウィリ・フォルスト)
11.影なき男 (1934, W・S・ヴァン・ダイク)
12.隣の八重ちゃん (1934, 島津保次郎)
13.丹下左膳餘話・百萬両の壺 (1935, 山中貞雄)
14.赤西蠣太 (1936, 伊丹万作)
15.大いなる幻影 (1937, ジャン・ルノアール)
16.ステラ・ダラス (1937, キング・ヴィドア)
17.綴方教室 (1938, 山中嘉次郎)
18.土 (1939, 内田吐夢)
19.ニノチカ (1939, エルンスト・ルビッチ)
20.イワン雷帝 一部・二部 (1944・1946, セルゲイ・エイゼンシュタイン)
21.荒野の決闘 (1946, ジョン・フォード)
22.素晴らしき哉、人生! (1946, フランク・キャプラ)
23.三つ数えろ (1946, ハワード・ホークス)
24.自転車泥棒 (1948, ヴィットリオ・デ・シーカ)
25.青い山脈 (1949, 今井正)
26.第三の男 (1949, キャロル・リード)
27.晩春 (1949, 小津安二郎)
28.オルフェ (1949, ジャン・コクトー)
29.カルメン故郷に帰る (1951, 木下恵介)
30.欲望という名の電車 (1951, エイア・カザン)
31.嘆きのテレーズ (1952, マルセル・カルネ)
32.西鶴一代女 (1952, 溝口健二)
33.イタリア旅行 (1953, ロベルト・ロッセリーニ)
34.ゴジラ (1954, 本多猪四郎)
35.道 (1954, フェデリコ・フェリーニ)
36.浮雲 (1955, 成瀬巳喜男)
37.大地のうた (1955, サタジット・レイ)
38.足ながおじさん (1955, ジーン・ネグレスコ)
39.誇り高き男 (1956, ロバート・D・ウエッブ)
40.幕末太陽傳 (1958, 川島雄三)
41.若き獅子たち (1957, エドワード・ドミトリク)
42.いとこ同士 (1959, クロード・シャブロル)
43.大人は判ってくれない (1959, フランソワ・トリュフォー)
44.勝手にしやがれ (1959, ジャン=リュック・ゴダール)
45.ベン・ハー (1959, ウィリアム・ワイラー)
46.おとうと (1960, 市川崑)
47.かくも長き不在 (1960, アンリ・コルピ)
48.素晴らしい風船旅行 (1960, アルベール・ラモリス)
49.太陽がいっぱい (1960, ルネ・クレマン)
50.地下鉄のザジ (1960, ルイ・マル)
51.去年マリエンバートで (1960, アラン・レネ)
52.何がジェーンに起ったか? (1962, ロバート・アルドリッチ)
53.アラビアのロレンス (1962, デビッド・リーン)
54.地下室のメロディ (1963, アンリ・ヴェルヌイユ)
55.鳥 (1963, アルフレッド・ヒッチコック)
56.赤い砂漠 (1964, ミケランジャロ・アントニオーニ)
57.バージニア・ウルフなんかこわくない (1966, マイク・ニコルズ)
58.俺たちに明日はない (1967, アーサー・ペン)
59.夜の大捜査線 (1967, ノーマン・ジェーソン)
60.遙かなる戦場 (1968, トニー・リチャードソン)
61.真夜中のカーボーイ (1969, ジョン・シュレンジャー)
62.M★A★S★H マッシュ(1970, ロバート・アルトマン)
63.ジョニーは戦場に行った (1971, ダルトン・トランボ)
64.フレンチ・コネクション (1971, ウィリアム・フリードキン)
65.ミツバチのささやき (1972, ヴィクトル・エリセ)
66.惑星ソラリス (1972, アンドレイ・タルコフスキー)
67.ジャッカルの日 (1973, フレッド・ジネマン)
68.家族の肖像 (1974, ルキノ・ヴィスコンティ)
69.ゴッドファーザーPARTU (1974, フランシス・フォード・コッポラ)
70.サンダカン八番娼館 望郷 (1974, 熊井啓)
71.カッコーの巣の上で (1975, ミロス・フォアマン)
72.旅芸人の記録 (1975, テオ・アンゲロプロス)
73.バリー・リンドン (1975, スタンリー・キューブリック)
74.大地の子守歌 (1676, 増村保造)
75.アニー・ホール (1977, ウッディ・アレン)
76.機械じかけのピアノのための未完成の戯曲 (1977, ニキータ・ミハルコフ)
77.父 パードレ・パドローネ (1977, パオロ&ビットリア・タビアーニ)
78.グロリア (1980, ジョン・カサベス)
79.遙かなる山の呼び声 (1980, 山田洋次)
80.トラヴィアータ/椿姫 (1982, フランコ・ゼフィレッリ)
81.ファニーとアレクサンデル (1982, イングマール・ベルイマン)
82.フィツカラルド (1982, ヴェルナー・ヘルツォーク)
83.キング・オブ・コメディ (1983, マーティン・スコセッシ)
84.戦場のメリークリスマス (1983, 大島渚)
85.キリング・フィールド (1984, ローランド・ジョフィー)
86.ストレンジャー・ザン・パラダイス (1984, ジム・ジャームッシュ)
87.冬冬の夏休み (1984, ホウ・シャウシェン)
88.パリ、テキサス (1984, ヴィム・ヴェンダース)
89.刑事ジョン・ブック/目撃者 (1985, ピーター・ウィアー)
90.バウンティフルへの旅 (1985, ピーター・マスターソン)
91.パパは、出張中! (1985, エミール・クストリッツァ)
92.ザ・デッド/「ダブリン市民」より (1987, ジョン・ヒューストン)
93.友だちのうちはどこ? (1987, アッバス・キアロスタミ)
94.バグダッド・カフェ (1987, パーシー・アドロン)
95.八月の鯨 (1987, リンゼイ・アンダーソン)
96.旅立ちの時 (1988, シドニー・ルメット)
97.となりのトトロ (1988, 宮崎駿)
98.あ・うん (1989, 降旗康男)
99.美しき諍い女 (1991, ジャック・リベット)
100.HANA-BI (1997, 北野武)


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『黒澤明が選んだ100本の映画』感想


やはり古典的な映画が多いのが印象的です。
同様に娯楽作が多いのも、黒澤監督らしいとも感じました。

また巨匠となってからも、新たな映画に刺激を受ける感受性を失わなかった点にも、個人的には感動しました。

何より、その黒澤監督を雄弁に語るのは、その映画だろうと思います。
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posted by ヒラヒ at 17:00| Comment(0) | 映画情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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