2020年06月02日

映画『JAWS/ジョーズ』1975年の大ヒット映画!再現ストーリー/詳しいあらすじ・感想・ネタバレ・ラスト

映画『ジョーズ』(あらすじ・ネタバレ・感想 編)

原題 Jaws
製作国 アメリカ
製作年 1975
上映時間 124分
監督 スティーヴン・スピルバーグ
脚色 ピーター・ベンチリー
カール・ゴットリーブ
原作 ピーター・ベンチリー


評価:★★★★  4.0点



この1975年のスピルバーグ監督の大ヒット映画は、今見ても強いインパクトを感じる。
ストーリーを追ってみても、前半の恐怖と後半の恐怖が違う性質を持っており、その両者がバランスよく語られ飽きさせない工夫がある。
以下では、ネタバレ前のパートとネタバレからラストまでのパートに分けて詳しく再現を試みた。
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<目次>
映画『ジョーズ』ストーリー
映画『ジョーズ』予告・出演者
映画『ジョーズ』感想
映画『ジョーズ』ネタバレ
映画『ジョーズ』結末

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映画『ジョーズ』あらすじ


アメリカ東海岸にある小さな港町アミティの海。月の輝く夜、大学生たちが海岸でパーティーを楽しみ、その中の一人の娘が海へと入っていった。

一人で気持ちよさそうに泳ぐ、その娘の体が突然沈み、再び浮き上がったときには、娘は必死にその体をもがかせていた。しかし、ついに水面下に消えた。

その町アミティの警察署長として着任したブロディ(ロイ・シャイダー)は、浜辺に打ち上げられた娘の死因がサメだと見て、海水浴場の遊泳禁止を決断した。しかし、市長ボーン(マーレイ・ハミルトン)を始め町の有力者は、海水浴客の観光収入減少は町の死活問題だと反対した。
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しかし、海水浴の少年が再びサメに襲われ、その両親がサメの捕獲に3千ドルの賞金を懸けた。事態が明るみに出て町はマスコミや、賞金狙いのサメハンターが集まり大騒ぎとなる。
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市議会では、海岸を閉鎖すべきか激しい議論が交わされた。そのとき、地元の漁師でシャーク・ハンターとして名高いクィント(ロバート・ショウ)が、1万ドルで人喰いザメを始末すると言った。
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そんな時、ブロディは若い海洋学者フーパー(リチャード・ドレイファス)と出会い調査を依頼した。フーパーは最初の死骸から大型のサメの存在を予見する。しかし、海開きを控えた町の人々は、小さなイタチザメを捕獲したことで問題解決として、それ以上追おうとしなかった。
危機感を持ったブロディとフーパーは密かにイタチザメを解剖するが、その胃に人肉は発見出来なかった。

二人は、フーパーの船で海に出て調査すると、一艘の漁船が漂流しているのを発見した。フーパーは、海中に潜り船底を見ると、そこには巨大なホオジロザメの歯が食い込んでおり、漁師が犠牲になっていた。
2人はボーン市長に「犯人は巨大なホオジロザメだ」と必死に訴える。
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しかし、海開きの日でもあり市長は閉鎖を認めなかった。
浜は海水浴客で埋まり、海の中でも多くの人々が歓声を上げていたが、その沖には不気味にサメの背びれが遊よくしていたのだった。そしてその背びれが近づき、また新たな犠牲者が出て、一転浜はパニックとなり、阿鼻叫喚が響いた。
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この事態を受けて、さすがにボーン市長も鮫退治の必要性を認め、警察署長ブロディにその処置を任せた。

警察署長ブロディと海洋生物学者フーパーは漁師クイントを雇うことを決め、彼の船オルカ号でサメの捕獲に出航した。
探索の末、沖合いでついにその巨大な姿を探知した。
【意訳】ブロディ―:どうやら最デカイ船が必要だ。/クイント:エンジン停止。/フーパー:20フィートはあるぞ!/クイント:25フィートだ。
そのホオジロザメは、全長8m3トンもの巨大な体躯を持つ規格外の存在だった。
クイントは驚きながらも、果敢にサメに立ち向かい、タルの付いた銛をその体に向け放ち、その力を削ごうとする。
しかし、巨大サメは脅威的な力で樽を引きずりながら海に消えた。

その夜、クイントとフーパーは酒に酔って自らの体に残ったサメの傷跡について話す。
クイントは第二次世界大戦で沈み、1,100人の乗員の内で生存者が316人のみという巡洋艦インディアナポリスの生存者だと明かした。
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そして、漂流し海でサメの餌食となった仲間の事を語った。


その時、サメが突然現れ船体に突撃し、船底を破壊し進水させた。

そして、オルカ号のエンジンは動かなくなった。 
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映画『ジョーズ』予告

映画『ジョーズ』出演者

マーティン・ブロディ(ロイ・シャイダー)/サム・クイント(ロバート・ショウ)/マット・フーパー(リチャード・ドレイファス)/エレン・ブロディ(ロレイン・ゲイリー エレン)/市長ヴォーン(マーレイ・ハミルトン)

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映画『ジョーズ』感想


しかし、翻って見てみれば、その「可視化された恐怖」は人類が生物として持つ、原初的な恐怖としてではなく、物理的な痛みや、グロテスクさ、更には目前に迫る現実的死をその恐怖の基礎に置いていると感じられる。

結局、人は見えない恐怖こそが一番怖いのだと言う「プリミティブな真実」を、その禍々しいメロディーで響かせているのがこの作品だと感じる。

そんな、見せないことによる恐怖とは、サイレント時代の『ノストラフェウス』から続く、映画のゴシック的表現の系譜に連なるものだと感じた。
<『吸血鬼ノスフェラトゥ』予告>

また、この映画は、動物パニック映画としての要素も含んでいる。
動物パニック映画の元祖としては、ヒッチコック監督の『鳥』を上げるべきだろう。
関連レビュー:世界初の動物パニック映画!!
ヒッチコック『鳥 』
「動物パニック」ジャンルの世界初映画!
ヒッチコック監督とパイオニアの宿命

しかし、その『鳥』が描いたのは、日常に生息するごく普通の鳥が、突然人を襲うという「原因不明の不条理な恐怖」だった。

対する、この映画は明らかに、獰猛で、人の天敵である、規格外のサメであり、その基本属性としてはむしろ「怪物」に近い。

そういう意味では、この映画のオリジンは『キング・コング』と言うべきかもしれない。

そう考えれば、この映画は後の『ジュラシック・パーク』の習作とみなすこともできるだろう。
<『ジュラシック・パーク』 予告編>

しかし、そのサメの実態を隠すことによって、無意識下の「恐怖の増大」に成功し、更にその「姿の明示」によって、「怪物=怪異に対する興味」を満たすという、二つの効果を作中に埋め込んでいる。

そして、スピルバーグのスピルバーグたるゆえんは、その「秘匿」と「明示」の絶妙な演出力に在ると感じる。

そんな、この作品の要素を見るとき、個人的には同スピルバーグ監督のデビュー作『激突』を思い起こす。
関連レビュー:1972年
『激突!』
スピルバーグ監督の映画でデビュー作
あおり運転の恐怖!巨大トラックの正体とは?

この激突も基本的には「恐怖の明示」と「恐怖の対象を秘匿」することで、成功を収めていたと感じる。

しかし、この『ジョーズ』における「恐怖の秘匿」には、当時の表現技術の限界という事情が関わっていたのだ・・・・・
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以下の文章には

映画『ジョーズ』ネタバレ

があります。
(あらすじから)
徹夜の修理で航行可能となった船で、再びサメを追う。
ブロディは沿岸警備隊に無線で連絡をしようとするが、クイントは無線を壊し外部からの援助を拒否した。
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追跡の後、サメに追いついたクイントは別の樽をサメに打ち込む。

しかし、逆に船が引きずられ、デッキを湿らせ、エンジンルームを浸水させる。クイントはサメとの力比べにエンジンを回しすぎ、遂にエンジンが故障した。オルカ号はダメージを深め、ついにその船体を大きく傾ける。

その危機にサメ研究者フーパーは、檻に入って海中に潜り、毒入りの水中銃でサメを仕留めようとチャレンジする。

しかし巨大なサメの打撃に、檻が破壊されたフーパーは必死に檻から海底に逃れた。

怒りに満ちたサメは、攻撃の矛先を船の上の二人に向けた。オルカ号の船尾に体を乗り上げたサメは、その巨体で船を破壊した。
必死にサメと戦うクイントも、大きく開いた顎に襲われ、ついにサメにその命を奪われてしまう。
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映画『ジョーズ』結末


1人残った警察署長のブロディは、襲い来るサメの顎に向け、酸素ボンベを投げた。サメは海に潜るとかろうじてマストにしがみつく、ブロディ―に迫る。ブロディ―はその口に向けて、ライフルを撃った。
【意訳】ブロディ―:いいぞ、よし、来い、タンクを見せろ、笑ってみろコン畜生・・・・
弾はついに酸素ボンベに吸い込まれ、大爆発を起こしサメはバラバラに吹き飛び沈んで行った。

しかし、オルカ号もついに沈没の時を迎え、板切れにつかまり疲れ切ったブロディーは波に漂う。そこに、ポッカリと顔を出したのはフーパーだった。
【意訳】(笑いあう二人)フーパー:クイントは?/ブロディ―:ダメだった。それに捕まれるか?今日は何曜日だ?/フーパー:水曜か、ああ、木曜かも/ブロディ―:俺たちの潮の向きだな/フーパー:蹴り続けろ/ブロディ―:俺は水が嫌いだった。/フーパー:なんでか分からん。
板に横並びになった2人は、陸に向けて泳ぎだした。




posted by ヒラヒ at 17:00| Comment(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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