原題 LE MÉPRIS 英語題 CONTEMPT 製作国 フランス・イタリア合作 製作年 1963 上映時間 102分 監督 ジャン・リュック・ゴダール 脚色 ジャン・リュック・ゴダール 原作 アルベルト・モラヴィア |
評価:★★★ 3.0点
女優ブリジッド・バルドー時に29歳、その肉体美に眼を奪われ、その濃厚な女が迸るような蔑みの視線に脳を焼かれます。
一方監督ゴダールは、この映画の4年後の1967年8月「商業映画との決別宣言文」を発表する以前に、映画産業界に対する軽蔑をこの映画で表白しているように見えます。
そんな事でこの映画は、ブリジッド・バルドーのスター性が魅力的ながら、ゴダール的な思弁性を秘めた映画だという印象です。
<目次> |
映画『軽蔑』ストーリー |
そこにキャストとスタッフの名が描かれる。
豊満な肉体がベッドの上に在る。
その肉体の主、女優カミーユ(ブリジット・バルドー)は夫に尋ねる。
私の体が好き?私の乳房と乳首のどちらが好き?
全部好きだと、夫で劇作家のポール(ミシェル・ピッコリ)は答える。
翌日、ポールはアメリカの映画プロデューサー、プロコシュ(ジャック・パランス)と撮影スタジオで会った。
通訳のフランチェスカ(ジョルジア・モル)を交え、監督フリッツ・ラング(フリッツ・ラング)の撮った映画『オデッセウス』のラッシュを見た。
見ながらプロコシュは、もっと色っぽいシーンを入れたいと言い、ポールにシナリオの改定を依頼した。ポールは胸に入れられた小切手を見てその仕事を受けた。
昼時になり、カミーユがスタジオに来た。
プロコシュはカミーユを見ると、二人を昼食に招待した。プロコシュはカミーユに、2シーターのスポーツカーに同乗しろと誘った。カミーユはポールと一緒に行きたいと言った。
しかし、ポールは気にしないから二人で先に行けと促した。
【意訳】プロコシュ:良ければ行こう。/プロコシュ:奥さん座って。/ポール:お宅で会おう。僕はタクシーを拾う。/カミーユ:彼に先に行ってもらって、2人でタクシーに乗りましょう。/プロコシュ:決めてくれ。
ポールがプロコシュ邸に着いた時、先着した二人は体を寄り添わせながら歩いていた。
妻カミーユは「遅い、30分も経っている」と夫を睨んだ。
ポールは、事故があったと言い訳したものの、カミーユはそっぽを向いていた。
プロコシュは、カプリ島の別荘で行われるロケにポールとカミーユを誘った。それにカミーユは「夫が決める」と答えた。
アパートに帰ってから、カミーユは前夜と人が変わったように不愛想だった。
夫ポールはその理由を問い質すが、妻は答えず苛立った夫は妻に手を上げた。
その日から、二人は寝室を別にした。
電話がなり夫婦は映画の参考にと、プロコシュと共に映画館に行くことを求められた。
ブロコシュからカプリ島への誘いが再び在り、ポールは「カミーユ次第だ」と返事し、それを聞いた彼女は再び不機嫌になり「もうあなたを愛していない。あなたを軽蔑する」と口に出した。
映画館で夫婦はほとんど口をきかなかった。
結局カミーユはカプリ行きを承知した。
カプリ島の海に浮かんだ船上で撮影が進む。プロコシュは撮影中にもかかわらず、一足さきに別荘に帰ろうとカミーユを誘った。
カミーユは夫の顔を見つめたが、ポールは「行きなさい」とカミーユを促した。
別荘に戻ったポールは、窓際で口づけを交わすカミーユとプロコシュの姿を目撃する。
拳銃を忍ばせたポールは、カミーユになぜ軽蔑するのかと詰問した。
カミーユはもう愛していない、あなたと別れると告げる。
ポールは、もうこの映画の脚本の仕事は降りる。劇作家に戻るとカミーユに告げ、一緒に島を出ようと懇願した。
しかし、カミーユは裸で海に飛び込み泳ぎ去った。
翌朝、帰り支度をするポールのもとに、カミーユの置き手紙が届いた。
妻は「プロコシュとローマに立つ」と書き残していた。
映画『軽蔑』予告 |
映画『軽蔑』出演者 |
カミーユ・ジャヴァル(ブリジット・バルドー)/ポール・ジャヴァル(ミシェル・ピコリ)/ジェレミー・プロコシュ(ジャック・パランス)/フランチェスカ・ヴァニーニ(ジョルジア・モル)/フリッツ・ラング(フリッツ・ラング)/ラング助監督(ジャン=リュック・ゴダール)/撮影監督(ラウール・クタール)/シレン(リンダ・ベラス)スポンサーリンク
映画『軽蔑』解説フランス映画の伝統と拡散 |
しかし最近のフランス映画のバリエーションは、実に多岐に渡っており、是非その魅力をお伝えしたい・・・・・・
という事で、当ブログで紹介したフランス映画のレビューをご紹介しようという、ゴリ押し企画です。
まずは、ハリウッド的なフランス映画を撮るフランス人監督のパイオニア、リュックベッソン監督1990年の作品から。
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しかし、フランス的伝統を継承する監督も。1991年レオス・カラックス監督。
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こちらもフランス的な味わい。2001年ジャン・ピエール・ジュネ監督。
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フランスと世界で大ヒット2011年、ハリウッド的作風のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュ共同監督作品。
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アカデミー作品賞、 アカデミー主演男優賞2011年の ミシェル・アザナヴィシウス監督作品。
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フランス移民によるフランス映画、2012年ダニエルコーエン監督。
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こうやって、上げてみるとフランス的な作家主義が強い作品と、ハリウッド的明快な映画とに分かれるようにも思います。
そして2010年代に入ると、ハリウッド風の単純明快な映画が増えているようにも感じ、フランス的個性が喪われつつあるのかと、すこ〜〜し心配になったりします。
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以下の文章には 映画『軽蔑』ネタバレがあります。 |
(あらすじから)
ハイウェイを走るスポーツカーにカミーユとプロコシュが乗っていた。
プロコシュはガソリンスタンドに給油で止まると、ローマで何をするとカミーユに尋ねた。
カミーユはタイピストになると答え、再び車に乗り込む。
道路上の大型車との事故。
衝突したオープンカーでは、二人の男女が死んでいた。
カミーユとプロコシュだった。
映画『軽蔑』結末・ラストシーン |
2人が事故に会った事も知らず、島を去るポール。
ラング監督と別れの挨拶に向かう。
【意訳】ポール:元気で/通訳フランチェスカ:さようなら/ポール:さようなら。(階段を上るポール)ラング監督さよならを言いに来ました。/ラング:さようなら。これからどうする?/ポール:ローマに帰り、劇を書きあげます。あなたは?/ラング:映画を仕上げる。いつだって始めたら終わらせなければ。/ポール:どんなシーンを撮ってるんですか?/ラング:ユリシーズが再び母国を眼にする場面だ。/スタッフ:準備オッケーですラング監督/スタッフ:お静かに!
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