原題 COMME UN CHEF 製作国 フランス 製作年 2012 上映時間 85分 監督 ダニエル・コーエン 脚本 ダニエル・コーエン |
評価:★★☆ 2.5点
このフランス料理とそのシェフを題材とした映画は、軽いコメディー風味の、楽しい作品に仕上がっています。
フランスを代表する俳優ジャン・レノとフランスでは有名なコメディアンのミカエル・ユーンのコンビのやり取りが笑いを誘いますし、他の出演者も適材適所キャスティングが素晴らしいと思いました。
気楽に楽しめる映画だと思いますが・・・・・個人的には疑問を感じる描写があって、評価は低くなってしまいました。
その訳は<感想・解説 編>で書かせて頂きます。
映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』ストーリー |
彼は有名シェフ「アレクサンドル・ラガルド」のレシピを全て頭に入れるほど、料理に強いこだわりを持っているため、お客であっても間違った食べ方をされると我慢ならず、「魚にカラシを付けたと」ケンカを始めてしまうしまつだった。
ボノは伝説的シェフ、ポール・ポーキューズの言葉を引用し言い訳するが、店主は「ポーキューズなんかほっとけ!ウチは三ツ星レストランじゃない!」と引導を渡された。
ボノは秀でた料理の才能を持ってはいたが、そのこだわりが強すぎ、1ケ月で4件の店をクビになる始末だった。
彼の恋人・ベアトリス( ラファエル・アゴゲ)はボノの子を宿し、出産を目前に控えていた。
ベアトリスはクビになったボノを責め、ボノも安定収入の職に就くことを約束した。
レストラン「カルゴ・ラガルド」はパリで三ツ星に輝く有名店。
その著名なシェフ、アレクサンドル・ラガルド(ジャン・レノ)の味を求め店内は盛況だった。
しかしラガルドは、店のオーナーが先代から息子になってからは、何かと衝突をするようになっていた。
一方のボノは安定した職を求め、老人ホームのペンキ職人になる。
しかし、ホームの調理場を見たジャッキーは、いてもたってもいられずティティ(セルジュ・ラヴィリエール)、ムッサ(イサ・ドゥンビア)、チャン(ヴァン・ヘイ・ミーン)という3人の料理人に話しかけ、料理の手ほどきを始めるのだった。
ラガルドはある日、オーナーのマテール(ジュリアン・ボワッスリエ)に呼びつけられ、コスト・パフォーマンスの良い料理にするため、食材の質を落とせと言われた。伝統的なフランス料理を得意とする、ラガルドはそれに反発する。
オーナー・マテールは、春の新メニューの評価で三ツ星からランクが下がれば、その時はクビだと宣告した。
ラガルドは出演するTV番組の準備に中、助手の2番シェフ3番シェフが別の系列店に移動になると知らされ、オーナーの悪巧みに怒る。
ラガルドは家に居ても、今までも常に仕事の事で頭がいっぱいだったが、その日は特に助手の手配や新メニューの事で余裕が無かった。
娘のアマンディーヌ(サロメ・ステヴナン)が大事な大学の論文発表会の話をしていても無視し、関係を悪化させた。
そんな時、ラガルドは先代オーナーが居る老人ホームを訪ねたが、そこはジャッキーがペンキを塗っている仕事場だった。
そこで、自分のレシピを再現したスープに驚く。
ラガルドはその料理を作ったのがジャッキーだと知り、そして彼が自分を尊敬していると分かると、自分のレストランで見習いにならないかと持ち掛けた。
一流レストランの研修中は給料をもらえないので、ジャッキーは一度は断るが、我慢できずラガルドに弟子入りを頼む。
しかし、ベアトリスには職を替え無給になったことは、とても話せず今の職を続けていると嘘をついた。
働き始めたジャッキーは、初日から卓越した能力を見せ、2番シェフとして他のシェフに指示を出すようになった。
働き始めたもののジャッキーは、料理を勝手にアレンジし、ラガルド本人よりラガルドに詳しいと主張する始末で、怒ったラガルドは彼を一度はクビにした。
しかし、春メニューのミシュラン評価次第で自分のクビが危ない状況では、確かな舌を持った助手が必要で、再びジャッキーを呼び戻した。
2人が新作に挑む中、ジャッキーが働いているはずの老人ホームをベアトリスが訪ね、ジャッキーの嘘がばれた。
ベアトリスは怒り、ヌヴェールの実家に帰ってしまう。
ジャッキーはベアトリスに謝るため、ラガルドと共に彼女の生まれた街ヌヴェールの姉キャロルが経営するレストランに行く。
そこで、ラガルドはキャロルに一目ぼれする。
一方のジャッキーは、ベアトリスに謝罪し、レストランで給料をもらえるからとプロポーズした。
しかしベアトリスはジャッキーの嘘を許せず、その日はすごすごと帰らざるを得なかった。
そんな中でも新作の発表が迫る中、今度店にやってくるミシュラン調査員が現代的”分子料理”を好むと聞かされる。
2人は研究のため、老人ホームの調理人3人を呼び、更にスペイン人の”分子料理”専門家を招き、ラガルドの家で密かに春メニューに取り掛かった。
しかし分子料理は失敗続きで、ラガルドが怒り出すとスペイン人専門家もスネて帰ってしまった。
行き詰った2人は、オーナーが新たにシェフに据えようとしている”分子料理”の店を偵察することにした。
顔を知られているラガルドのために、ジャッキーは一計を案じ着物を着て芸者になり、ラガルドはチョンマゲ姿の日本人ノグチ夫妻に変装し店に入った。
そんな苦労の果て、ミシュラン調査前夜に、ようやくジャッキーとラガルドは新作メニューを作り上げた。
みんなが疲れて眠る中、ラガルドは娘の論文を読み、明日大学の論文審査に臨む娘の為に朝食の準備をした。
そして翌朝、ラガルドはジャッキーにレストランを託すと、自分は娘の論文審査会に参観すると決めた。
娘との朝食の席、ラガルドは「星にばかり追いかけられ、料理を作る楽しみと、大事なモノが何か見失っていた」と言った。
それを聞いた娘は、ラガルドの朝食をほうばると「三ツ星」と笑った。
一方レストランに着いたジャッキーは、オーナーの嫌がらせで食材が何もないと知る。
そこに現れたオーナーはジャッキーに「お前はシロウトで、人まねしかできない。お前なんかシェフじゃない!」と罵倒される。
ジャッキーは、成すすべなく、電話で恋人ベアトリスに「シェフを止める」と弱音を吐いた。
するとベアトリスは「娘の為にがんばって」とジャッキーが父になった事を知らせた。
それを聞いたジャッキーは、歓喜と共に再び奮起し、店を飛び出し近所の食料品店に飛び込むと、その店丸ごと買い上げる勢いで食材を調達した。
そして店に取って返して調理を始めた。
そんなジャッキーの様子を、店の危機を知り駆け付けたラガルドと、前オーナーが見守る。
店内は春メニューのお披露目に大勢の客が訪れ、その中のテーブルにミシュランの調査員と共に座るオーナーがいた。
オーナーの顔は、ラガルドのクビを確信し、晴れやかな表情を浮かべていた。
そして最初の一皿が運ばれ、調査員が運命の食事を始めた―
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映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』予告 |
映画『シェフ!三ツ星レストランの裏側』出演者 |
アレクサンドル・ラガルド(ジャン・レノ)/ジャッキー・ボノ(ミカエル・ユーン)/ベアトリス(ラファエル・アゴゲ)/スタニスラス・マテール(ジュリアン・ボワッスリエ)/アマンディーヌ (サロメ・ステヴナン)/ティティ(セルジュ・ラヴィリエール)/ムッサ(イサ・ドゥンビア)/チャン(ヴァン・ヘイ・ミーン)
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以下の文章には 映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』ネタバレがあります。 |
出された食事を口にしたミシュラン調査員は、料理を口々に絶賛し始めた。
「極上だ讃えよう」「繊細さと現代がマッチしている」「この興奮はなんだ」
それを聞いたオーナーは手のひらを返して、ラガルドとジャッキーを褒め称え、共にパートナーとして歩もうとハグした。
ラガルドが客席に姿を現すと、たちまち料理を絶賛する声に包まれた。
その声を制して、今回の料理がジャッキーによるものであり、自分は店を引退し後継者をジャッキーにすると言った。
ラガルドは店を去り際、ジャッキーに結婚指輪をプレゼントした。
こうしてジャッキーは、正式に「カルゴ・ラガルド」の「グラン・シェフ=総料理長」となった。
さらにオーナーのマテールは、父親である先代オーナーの命令で、下働きとして修行する事となった。
ベアトリスと生まれたばかり娘のもとに駆けつけたジャッキーは、改めてプロポーズした。
映画『シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ』ラストシーン |
ジャッキーはアレクサンドルの人気料理テレビ番組に助手として出演するようになる。
その番組内で「カルゴ・ラガルド」を退いたラガルドは、ベアトリスの姉キャロルが経営するヌヴェールのレストランで、シェフとして働き出したと紹介された。
しかし番組の収録が始まると、ジャッキーは相変わらずのこだわりを見せ、番組を見守る仲間や家族を呆れさせるのだった。
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