2018年05月17日

傑作!映画『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』徹底再現ストーリー/ネタバレ・あらすじ

映画『レボリューショナリー・ロード』(あらすじ・ネタバレ 編)

原題 Revolutionary Road
製作年 2008
上映時間 119分
監督 サム・メンデス
脚色 ジャスティン・ヘイス
原作 リチャード・イエーツ

評価:★★★★☆    4.5点



この映画は地味ながら深い静けさを持って、見る者の心に密やかに不安の種を撒き、その根が少しずつ伸びていき、ついには逃れようなく絡め取られるようで苦しくなりました。
その印象は深く沈殿し、時として台所に立つ妻を見て、ヒロインの絶望に満ちた顔が脳裏をよぎり、ふと眼にした公園の子供達を見る己の背中が、主人公のように痛々しく歪んでおりはしないかと不安になります。

間違いなく、この作品には、現代を生きる人々がどうしようもなく持たざる得ない闇が描かれ、しかしその解決策は何一つ提示されず、結果的に自らの心の闇を抱え「さ迷い続ける」運命を思い知らされるのです・・・・・・・

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映画『レボリューショナリー・ロード』予告



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映画『レボリューショナリー・ロード』ストーリー



rev_dance.gif1950年代のある夜のパーティー。
フランク・ウィーラー(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)は出会い、ダンスを踊った。

人ごみから離れ2人語りあった。フランクは港湾労務者だったが他の職を求め、エイプリルは女優志望だった。
そしてエイプリルとフランクは結婚し、2人の子供を得た。

時は過ぎ、ある夜アマチュア劇団でエイプリルが演じる姿を、フランクは見守っていた。
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しかし、その舞台もエイプリルも、観客から酷評され、彼女も自分の失敗を悟り打ちのめされていた。
rev_bump.gif帰りの車内で慰めるフランクの言葉にも、エイプリルの感情は苛立ち、彼に黙ってと強い口調で遮った。
その態度にフランクは車を止め、話し合おうとするがエイプリルはそれも拒絶した。その激しい言動に、フランクも怒りを爆発させ、ついには自らの手を傷付けるほど車を殴りつけた。

翌朝、車に乗り込むフランクを、エイプリルは家の中で茫然と見送った。
エイプリルは専業主婦として家事をこなし、ゴミを路上に出した時、昼の住宅街の路上で記憶がフラッシュバックした。
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エイプリルは不動産屋のヘレン(キャシー・ベイツ)に紹介され、今住んでいるコネチカット州“レボリューショナリー・ロード”の高級住宅街の家を観た日の感動が蘇った。

一方のフランクは、その日、上司からスペイン支社から広告案に不満が出ていると叱責された。
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やりがいの無い仕事に嫌気がさし、同僚のタイピスト、モーリーン(ゾエ・カザン)を仕事と称して食事に連れ出した。
アルコールも入り、ついにはベッドを共にした。

その夜帰宅したフランクを、エイプリルと二人の子供ジェニファー(ライアン・シンプキンス)とマイケル(タイ・シンプキンス)が、サプライズで出迎える。
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その日はフランクの誕生日だったのだ。フランクの眼が潤む。
エイプリルはフランクに、舞台から後の態度を謝罪した。

そしてエイプリルは、フランクにパリへ移住しようと提案した。
元陸軍兵だったフランクは、第二次世界大戦でパリに進駐した過去があり、その町を魅力的だと感じていた。
エイプリルの計画は、フランクが真にやりがいのある仕事をパリで探し、それを彼女が秘書として働き家計を賄うというものだった。
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(上:あなたは世界で最も美しく、素晴らしい存在よ)
フランクも最初は非現実的だと取り合わなかったが、エイプリルの言葉と熱意に、自らの仕事の不満もあり心が動く。
そしてついに、エイプリルの移住計画に彼も希望を見出し、出発を秋と決めた。

その翌日晴れやかな表情でフランクは出社し、同僚にその計画を伝え、スペイン支社からクレームの付いた仕事を適当に片づけた。
エイプリルも移住の準備に喜々として取り組み、その顔は充実していた。
その夜フランクとエイプリルの2人は、隣人のシェップ(デヴィッド・ハーバー)とミリー(キャスリン・ハーン)のキャンベル夫妻と夕食を共にした。
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その場で、2人の計画を聞いたキャンベル夫妻は、驚き、困惑し、複雑な表情を浮かべた。
2人が去った後、シェップは2人の計画が非現実的だと批判し、ミリーもそんな夫の意見に安堵したと口にしたが、なぜか夫の胸で泣き崩れた。
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その頃、帰宅したフランクとエイプリルは、隣戸の夫婦の驚きに優越感を感じ、自らの計画に高揚し、お互いの体を激しく求めあった。

rev_pres.pngそんなある日フランクが昼食から戻ると、上司と会社社長が話し込んでいた。
そしてフランクが呼ばれ、社長バート・ポラック(ジェイ・O・サンダース)からスペイン支社の仕事を褒められ、社長直属の営業チームで昇進と昇給を提示された。

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休日になり不動産業のヘレン(キャシー・ベイツ)は、夫ハワード(リチャード・イーストン)と、精神病で入院していた息子のジョン(マイケル・シャノン)を連れて、かねてから約束していた通り2人の元を訪問した。
病み上がりのジョンは、フランクに美しい家のために嫌々仕事をしているのかと、神経を逆なでするような言葉を語る。
それに対し、パリ移住計画を打ち明け「救いのない虚無感から逃げたい」とフランクは言った。
ジョンは「多くの人々がそれを直視しない」と、その決断を称賛した。
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(上:たいていの人々は空虚を抱えている。しかし、その希望の無さを直視する強い心がない)

ヘレン一家が帰った後、エイプリルはジョンを初めての理解者だと語った。
フランクは、彼と同様俺たちも狂っているのかもと返すと、エイプリルは、もし人生に問題があると思うのが狂気だとすれば、狂人でも構わないと微笑みと共に答えた。
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フランクもその言葉に同意し、エイプリルは「愛している」と伝えた。

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社長バート・ポラックはフランクに決断を迫るため、高級レストランでの会食の場を設けた。
コンピューター事業の拡販に、君のような人材が必要だと訴えた。
rev_ranch.pngフランクは社長に質問し、20年間勤めていた父を覚えているかと問うたが、答は帰ってこなかった。
それを見て、フランクは個人的な理由で会社を近々辞めると伝えた。
対して社長は、一流の人生を送れるチャンスをその瞬間掴めなければ、もう回ってこないんだと語り、フランクはその言葉を噛みしめる。
そして社長は、ノックスでの成功を父親も誇りに思うだろうと説得され、フランクは心を動かされた。

レボリューショナリー・ロードの家には「売家」の看板が掛けられた。
rev_think.png引っ越し準備の中、エイプリルはヒステリックに子供を叱った。
それを見たフランクが、問い質すと彼女は妊娠していると告白した。
エイプリルは妊娠が10週間目で、12週目までは堕胎ができるから、計画は変更しなくても大丈夫だと言った。
フランクは12週目までに結論を出そうと彼女に告げた。

夏の日、2人は隣家キャンベル夫妻と共に海水浴に出かけた。
rev_beach.jpg隣家の夫シェップとフランクが、会社での昇進の話をしているのを聞き、エイプリルはその話を断っていなかった事に、ショックを受けた。
フランクは単に選択肢を増やしているだけで、アメリカでも幸福な人生が送れるなら、考えても良いだろうと話した。

エイプリルは、夫の変心を責め、くだらない仕事で人生を無駄にするのかと詰問した。
フランクは、それに答えて「俺の問題だ」と吐き捨てた。

出発の日にちが迫っても二人の不協和音は収まらなかった。rev_goods.png
そして、ある晩フランクはバスルームに隠してある堕胎の道具を見つけ、エイプリルにどういう積りだと怒りを込めて詰め寄った。
エイプリルも興奮し、12週までなら安全に堕胎できるし、あなたのためだと抗弁する。
さらに彼女は、パリに行けない理由は私が妊娠したからだと言った。
そして何度も、本当に子どもが欲しいのかと、激しい口調でフランクに迫った。
子供のために人生を犠牲にするのかと、問いかけた。
フランクは、その話を背中で聞きながら、複雑な表情を見せた。
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しかし振り返ると、そんなエイプリルの考えを、異常で罰せられる考えだと責めた。
そして、2人の子供も堕胎しようとしていたのか、子供たちを愛していなかったのかと、詰め寄った。
追い詰められたエイプリルに、フランクは「決して、普通の女性なら、正常な母親なら、自分のファンタジーを成し遂げるために、我が子にこんな避妊器具を買わない」とトドメを刺した。
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エイプリルは崩れ落ち、パリ行はバカげた考えだったのと問うと、フランクは頷いた。
そしてフランクはエイプリルにアメリカで幸せになれる。
約束すると答えた。

そして、2人はパリ行を中止したが、その関係は破綻し、悲劇に向かって行く・・・・・・・・・・・・・

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映画『レボリューショナリー・ロード』出演者

フランク・ウィーラー(レオナルド・ディカプリオ)/エイプリル・ウィーラー(ケイト・ウィンスレット)/ヘレン・ギヴィングス(キャシー・ベイツ)/ジョン・ギヴィングス(マイケル・シャノン)/ミリー・キャンベル(キャスリン・ハーン)/シェップ・キャンベル(デヴィッド・ハーバー)/ジェニファー・ウィーラー(ライアン・シンプキンス)/マイケル・ウィーラー(タイ・シンプキンス)/ジャック・オードウェイ(ディラン・ベイカー)/バート・ポラック(ジェイ・O・サンダース)/ハワード・ギヴィングス(リチャード・イーストン)/モーリーン・グラブ(ゾーイ・カザン)




posted by ヒラヒ at 15:50| Comment(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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