原題 THE GREATEST SHOWMAN 製作国 アメリカ 製作年 2017年 上映時間 105分 監督 マイケル・グレイシー 脚本 ジェニー・ビックス、ビル・コンドン ストーリー ジェニー・ビックス |
評価:★★★★ 4.0点
この作品はミュージカル映画としての、素晴らしいナンバーを持っていることは、強調したいと思います。
その音楽は、あの『ラ・ラ・ランド』の作詞作曲コンビが手掛け、間違いなく後世に残るであろう名曲『デス・イズ・ミー』を初め、高揚感に満ちた素晴らしいナンバーが並びます。
また主演のヒュー・ジャックマンは『レ・ミゼラブル』でも披露したミュージカル俳優としての力を、今回は踊りも含め遺憾なく発揮していると感じました。
そんなミュージカルの楽しさと、ストーリーとのマッチングをどう感じるかは、人それぞれかとも思います・・・・・・
映画『グレイテスト・ショーマン』あらすじ |
P.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン/幼年期エリス・ルビン)は、彼の劇団のグレーテスト・ショーのオープニングに登場し、華麗な歌と踊りを繰り広げる。(ナンバー「グレーテスト・ショウ」)
時はさかのぼり、バーナムの幼年期。
彼と父親のフィリオ・バーナム(ウィル・スウェンソン)は洋服の仕立て屋(テーラー)として、上流階級に属するハレット家に出入りし、幼いバーナムはその令嬢チャリティ(ミッシェル・ウィリアムス/幼年期スカイラ・ダン)と幼なじみで、お互いに好意を持っていた。
しかしチャリティは厳格な親のもと花嫁学校に送られ、さらに父を亡くしたバーナムは、チャリテイーとの身分違いの恋に希望はなかったが、彼は決してあきらめなかった。(ナンバー「ミリオン・ドリームス」)
少年期には、盗みを働くぐらいの困窮をしたバーナムだったが、そんな彼に異形(フリークス)の女性がリンゴを差し伸べた。
そんな苦難にも夢を持ち続け、成人に達したバーナムは、事務職の仕事を得てチャリティーを迎えに行った。
彼女の父ベンジャミン・ハレット(フレドリック・レーン)は「絶対貧しい暮らしに耐えられずに、戻ってくる」と反対した。それでも、母ハナ・ハレット(キャスリン・メイゼル)の心配そうな顔を残し、二人はニューヨークの下町に居を構えた。
2人は、キャロラインとハーレンという娘も授かり、チャリティーは幸福を実感していた。(ナンバー「ミリオン・ドリームス」再演)。
しかし、バーナムはチャリティーを上流階級に戻すことが、彼女の幸福だと信じ焦っていた。
そんなバーナムは、船会社の事務員の職を倒産により失う。
彼はすでに沈没した船の権利書を盗み、それを担保に銀行から大規模なローンを借り入れた。
そして、マンハッタンの下町に「バーナム・アメリカンミュージアム」をオープンし、様々な蝋人形や剥製を展示した。
しかし、売上は低迷し、バーナムにローンの負債がのしかかる。
悩む彼に、娘達が「生きている」物を見せるべきだとアドバイスした。
それを聞いたバーナムの脳裏に、幼い日にリンゴをくれたフリークスの姿が浮かんだ。
彼はショーの出演者として、小人のジェネラル・トム・サム(サム・ハンフリー)や、ヒゲをはやした娘レティー・ラッツ(キアラ・セトル)など、多くのフリークスをスカウトした。(ナンバー「カム・アライヴ」)
ショーは大盛況で、バーナムは成功を手にし、チャリティーの実家の横に大邸宅を構え、子供たちの夢もかなえた。
しかし同時に下品な見世物だという住民達の抗議と反発は強く、一歩間違えれば暴力事件になりそうだった。
またニューヨーク・ヘラルド新聞のジェームズ・ゴードン(ポール・スパークス)は、その興行に対し、非芸術的だという酷評を下し「まるでサーカス(大騒ぎ)だと嘲った。
それを見たバーナムは、その看板に「バーナムのサーカス」と掲げた。
経済的な成功を手にしても、 結果的にバーナムの望む上流階級への仲間入りはかなわなかった。
そこで彼は舞台の洗練を求めて、すでに劇作家として上流階級で名を成していたフィリップ・カーライル(ザック・エフロン)を自らの劇団に招いた。(ナンバー「タイトロープ」)
最初は拒否していたカーライルだったが、上流階級で満たされないものを感じていた彼は、バーナムの誘いに10%の興行利益の条件で乗った。
カーライルは空中ブランコの出演者、黒人女性アン・ホイーラー(ゼンデイヤ)を見て恋に落ちる。
カーライルはバーナムの劇団の名声を高めるため、自らのツテを使いビクトリア女王(ゲイル・ランキン)と拝謁できるように手配し、全メンバーが揃って女王の前に立った。
その後のパーティーで、バーナムは有名なスウェーデンのオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)と出会い、アメリカ公演のマネージメントを申し出て認めさせた。
リンド最初のアメリカのパフォーマンスは成功を収め、ニューヨーク・ヘラルド新聞のジェームズ・ゴードンですら賛辞を惜しまなかった。(ナンバー「ネヴァー・イナフ」)
その公演を見て感動した、バーナムの劇団員達が公演後のパーティーに入ろうとしたとき、バーナムは社交界の悪評を恐れ、彼等に帰れと言い傷つけた。
その言葉に反発した、レティー・ラッツら劇団員は、恥じることは無い「これが私だ」と会場に押し入った。(ナンバー「ディス・イズ・ミー」)
そんな不協和音をはらみつつ、バーナムは全財産を賭け、リンドの全米公演に付き添ったが、それはバーナムの家族の哀しみと、劇団員との溝を更に深める結果となった。
一方、カーライルと黒人女性ウィーラーは、劇場に共に観劇に行く仲になっていた。
しかし、そこでカーライルの両親と出会い、ウィーラーが黒人である事を恥ずかしいと蔑んだ。
ウィーラーが走り去るのを追いかけ、カーライルは彼女への愛を説く。(ナンバー「Rewrite the Stars」)
バーナムは米国ツアーでリンドと共に旅を続け、妻チャリティーは夫の不在に、孤独を感じていた。(ナンバー「タイトロープ」)
そのツアー中、リンドはバーナムに愛情を持ち始め告白するが、彼はその愛を受け入れなかった。
リンドは、それならばもうツアーは続けられないと告げ、それはバーナムの破産を意味していた。
そして迎えた最後のショー(ナンバー「ネヴァー・イナフ」再演)が終わり、舞台の挨拶に立ったバーナムにリンドがキスをし、新聞にその写真が撮影された。
破産したバーナムは自宅に戻ったものの、チャリティーの視線は冷たかった・・・・・
映画『グレーテスト・ショーマン』予告 |
P・T・バーナム(ヒュー・ジャックマン/幼年期エリス・ルビン)/フィリップ・カーライル(ザック・エフロン)/チャリティ・バーナム(ミッシェル・ウィリアムス/幼年期スカイラ・ダン)/ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン、歌声ローレン・アレッド)/アン・ウィーラー(ゼンデイヤ)/レディ・ルッツ(キアラ・セトル)/W・D・ウィーラー(ヤーヤ・アブドゥル=マティーンII世)/キャロライン・バーナム(オースティン・ジョンソン)/ヘレン・バーナム(キャメロン・シェリー)/ゼネラル・トム・サム(サム・ハンフリー)/コンスタンティン王子:刺青男(シャノン・ホルツァプフェル)/チャン&エン(ユーサク・コモリ:ダニアル・ソン)/フランク・レンティーニ(ジョナサン・レダヴィド)/ヴィクトリア女王(ゲイル・ランキン)/犬少年(ルチアーノ・アクーナ.Jr)/ジェームズ・ゴードン(ポール・スパークス)
映画『グレーテスト・ショーマン』出演者
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