原題 The Artist 製作国 フランス 製作年 2011 上映時間 100分 監督 ミシェル・アザナヴィシウス 脚本 ミシェル・アザナヴィシウス |
評価:★★ 2.0点
この映画は、2011年に撮られたフランス映画ながら、全編白黒サイレント映画(セリフが聞こえない)という挑戦的な作品です。
そんな挑戦は、アカデミー賞で五冠に輝くなど、数々の栄冠に輝きました。
ストーリーも、セリフなしで観客に判るように、シンプルでどこか懐かしい物語展開となっています・・・・・
映画『アーティスト』予告 |
映画『アーティスト』出演者 |
ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)/ペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)/ジャック(アギー)/アル・ジマー(ジョン・グッドマン)/クリフトン(ジェームズ・クロムウェル)/コンスタンス(ミッシー・パイル)/ドリス(ペネロープ・アン・ミラー)/執事(マルコム・マクダウェル)/ノーマ(ビッツィー・トゥロック)/ペピーのメイド(ベス・グラント)/ペピーお抱え運転手(エド・ローター)/見物人(ジェン・リリー)/警察官(ジョエル・マーレイ)/フラッパー・スターレット(ジュエル・シェパード)/競売人(ベイジル・ホフマン)/キャスティング助手(ベン・カーランド)/質屋(ケン・デイヴィシャン)
映画『アーティスト』受賞歴 |
第84回アカデミー賞:作品賞、監督賞、主演男優賞、作曲賞、衣裳デザイン賞、5部門受賞
第65回英国アカデミー賞:作品賞、監督賞、主演男優賞、オリジナル脚本賞、撮影賞、衣裳デザイン賞、作曲賞、7部門受賞
第69回ゴールデングローブ賞:作品賞、主演男優賞、作曲賞の3部門受賞
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映画『アーティスト』あらすじ |
1927年、サイレント映画全盛のハリウッド。
銀幕の大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、共演した愛犬とともに新作の舞台挨拶で喝采を受けていた。
ジョージを見ようと映画館前は熱狂する観客で大混乱となり、そんな中ジョージとぶつかった若い女性ファンがいた。
彼女は、カメラの前でポーズを求められ、ついに彼の頬にキスをした。
その瞬間は、翌日の新聞のトップを飾り、それを見たジョージの妻は怒りを露わにした。
彼女の名前はペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)といい、自らも未来のスターを目指す新人女優だった。
映画会社キノグラフで彼女は、オーディションを受けた結果、ジョージ主演作のエキストラ役を獲得した。
ペピーは憧れのジョージの楽屋に忍び込み、彼の衣装で一人芝居を始める。
それを見つけたジョージは怒りもせず、ペピーをじっと見つめると“女優は、目立つ特徴が必要”だと、唇の上にほくろを描く。
そんな、ペピーはエキストラから、セリフのある役、名前付きの役、そしてヒロインを務めるまでになった。
そして、時はトーキーの時代に移り変わろうとしていた。
1929年、ジョージはトーキー映画が登場したにも関わらず、“サイレント映画こそ芸術”と主張し、トーキーへの出演を受け入れなかった。
そして、ついにキノグラフ社の社長(ジョン・グッドマン)と決別する。
しかしジョージが情熱を注いだ、監督と主演を兼ねたサイレント映画は、ペピー主演の「つけぼくろ」(Beauty Spot)と公開が重なってしまう。
また、ジョージは家庭生活も破綻しており、妻が彼の元を去る。
トーキー映画の新たなスター、ペピーは映画公開の前日に、レストランでインタビューに答える。
ジヨージが後ろの席に居るのを知らず、ペピーは「古い役者に飽きて、私の声を聞きにくる」と語り、それを聞いたジョージは怒り「助けてやったのに」とペピーに文句を言った。
さらに、その日ジョージは世界恐慌によって株が暴落し、映画が失敗に終われば破産する運命だった。
そしてついに、公開日8月25日を迎えたがジョージのサイレント映画は客もまばらだった。
一方の、ペピーの主演映画は満員の大盛況だった。
ペピーはレストランの失礼を詫びに行くが、失意のジョージは追い返してしまう。
その後ジョージは酒浸りとなり、執事クリフトン(ジェームズ・クロムウェル)の給料も払えず、やむなく彼を解雇し、家財道具など全てをオークションで売り払った。
そんなジョージを心配し、密かにペピーは見守っていた。
ペピーの人気が高まる一方、自暴自棄となって酒に溺れるジョージは、ついに自分の出演した映画フィルムに火を放った。
フィルムはあっという間に炎と化して、部屋に燃え広がった・・・・・・・・・
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以下の文章には 映画『アーティスト』ネタバレがあります |
煙にまかれ、焼け死ぬところを寸前で救ったのは愛犬ジャックだった。
一命を取り留めたジョージが、火事の中でも抱きしめていたフィルムとは、ペピーがエキストラとして出演したジョージの主演作品だった。
そのジョージの火事は新聞紙上を飾り、それを目にしたペピーは急いで病院に駆けつける。(右:サイレントスター火事を生き延びる)
ペピーはジョージを引き取って自宅で療養させることにする。
そして、キノグラフ社の社長にジョージとの共演を申し出る。
社長は反対するが、それを押し切って、ジョージと共演することを認めさせ、今はペピーに雇われているクリフトンに脚本を届けさせた。
ジョージは、クリフトンがぺピーに雇われていることに驚き、更にオークションで売った物を、ペピーが買い取っていたことも知る。
ペピーが自分を憐れんでいると思ったジョージは、プライドを傷付けられペピーの屋敷を跡にした。
ジョージは自宅に戻り、拳銃で自殺をしようとする。
銃を口にくわえ引き金にかかった指に力が入る。
“BANG!”と音が響く。
しかし、それはペピーの運転する車がジョージの自宅前の木に衝突した音だった。
ペピーはジョージの部屋に駆け込んだ。
そしてペピーは、ただジョージを助けたかっただけだと、涙ながらに訴える。
そんなジョージは彼女を抱きしめた。
お互い気持ちを確かめ合った二人。
そして、ペピーはジョージを俳優として映画界に復帰させるアイデアがあると言った。
映画『アーティスト』ラスト |
キノグラフ社の社長の前でペアダンスを披露するジョージとペピー。
社長は感激し、2人の出演でミュージカル映画の撮影が始まった。
関連レビュー:現代のサイレント映画 『ブランカニエベス』 スペインのサイレント映画 パブロ・ベルヘル監督のノスタルジー世界 |
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