処女の泉(ストーリー・あらすじ編)
原題 Jungfrukällan 英語題 The Virgin Spring 製作国 スウェーデン 製作年 1960 公開年月日 1961/3/18 上映時間 89分 監督 イングマール・ベルイマン 脚本 ウラ・イザクソン 撮影 スヴェン・ニクヴィスト |
評価:★★★☆
3.5点この1960年に作られた映画は、スェーデンの世界的映画監督、イングマール・ベルイマンの作品です。
中世の時代を舞台に、明るく純粋な「処女=おとめ」の身の上に降りかかった運命は、当時の映画表現としては衝撃的なシーンであり、世界中で論争を巻き起こしました。
『処女の泉』出演者 |
マックス・フォン・シドー(テーレ)/ビルギッタ・ヴァルベルイ(メレータ)/グンネル・リンドブロム(インゲリ)/ビルギッタ・ペテルソン(カリン)
『処女の泉』あらすじ |
中世スェーデンの朝。
寒村の一軒の屋敷で、鬱屈を湛えた眼で火を起こしているのは、下女のインゲリ(グンネル・リンドブロム)だった。
インゲリは父なし子を身ごもっており、その不運を呪い邪教オーディンの神に祈るのだった。
一方、一家の主テーレ(マックス・フォン・シドー)とその妻メレータ(ビルギッタ・ヴァルベルイ)は敬虔なキリスト教徒だった。
妻のメレータはキリストの受難をわが身に受けるため、その腕にろうそくの炎を近づけるほど信心が深かった。
屋敷ではテーレ主人夫婦と使用人が集まり、いつものように朝食の時間が始まる。
しかし、そこには主人夫婦の一人娘カリン(ビルギッタ・ペテルソン)の姿がなかった。
前夜に、カリンは姉妹のように育ってきたインゲリと共に、村で遊んで遅くなっていたのだ。
主人のテーレは、娘に甘すぎると妻に文句を言い、今日は教会にろうそくの寄進をする日なので、間違いなく娘に行かせるように命じた。
妻は言いつけ通りに眠いとぐずる娘を起こし、娘の好きな絹の洋服とスカートを着せて機嫌を取り、教会へ向かわせることを承服させた。
そこに父テーレも顔をだし、無邪気な娘につい相好を崩す。
その頃、下女インゲリはカリンの昼食の準備を言いつけられ、パンの中にカエルを入れたサンドイッチを準備した。
娘カリンはインゲリと共に教会に行きたいとねだり、屋敷の者に見送られて、2人は馬上教会へと向かった。
カリンとインゲリは道中、インゲリのお腹の子の話をする。
カリンは結婚していないのに子供を宿すことはないと言うと、藪で押し倒されたら抵抗できないとインゲリは反論した。インゲリは、昨夜カリンが自分の彼氏と話をし踊っていたのを見て嫉妬し悪態をつく。
それを聞き、カリンは思わず彼女を平手打ちしてしまう。
2人はそれでも森を進み、一軒の小屋を通り過ぎる。
そこでインゲリは突然森が怖い、教会に行くのは止めようとカリンに訴える。
カリンは恐がるインゲリを小屋の老人の元に残し、一人教会をめざし森の奥へと向かった。
その小屋で老人は邪教オーディンの言葉を語り、インゲリはカリンが心配になり、後を追って走り出した。
その頃カリンは、森の中で三人の羊飼いの兄弟と出会い、兄弟の身の上を聞く内に同情し、自らの昼食を分け与え、共に食事をとる。
しかし、兄弟の上二人はカリンに襲い掛かり、彼女を凌辱した。
そして、泣きながら立ち去ろうとするカリンの背後から、次兄が丸太で後頭部を殴り撲殺した。
兄2人はカリンの絹の衣装をはぎ取ると、遠くで見ていた末弟を連れその場を立ち去った。
カリンを殺害した羊飼いの3兄弟は、それとは知らずカリンの父テーレの館に一夜の宿を求めた。
テーレは兄弟達を向かい入れ、食事を与えた。
しかし末弟は、昼のショックから食事を吐いてしまい、別室で介抱を受ける。
食事が終わると羊飼いの兄弟は、母親のメレータに服を見せ買ってくれないかと持ちかけた。
母メレーターはその服がカリンのモノだと一目で見破り、娘の運命を察したメレータは兄弟のいる食堂にかんぬきを掛けた。
そして、夫のテーレに血が付いたカリンの服を見せ、誰が娘を殺したかを知らせた。
その時、人目を忍んで帰宅したインゲリから娘の最後を聞いたテーレは、羊飼いの兄弟に復讐することを決心する。
テーレは早朝の光の中で、自らの体を清めた。
そして、静かに羊飼いの兄弟が眠る母屋に入る。
娘の服を前に剣を抜いて、席に座った。
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『処女の泉』受賞歴 |
第33回 アカデミー賞(1961年)アカデミー外国語映画賞/第13回 カンヌ国際映画祭(1960年)特別賞/第17回ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞/1961年キネマ旬報外国語映画ベスト・テン第1位
ベルイマン 3大傑作選」予告動画 |
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