2017年07月02日

トム・クルーズ映画『ハスラー2』ビリヤード・ブームを生んだ映画/ネタバレ・ラスト・結末感想

ハスラー2(ネタバレ・結末 編)



原題 The Color of Money
製作国 アメリカ
製作年 1986
上映時間 119分
監督 マーティン・スコセッシ
脚色 リチャード・プライス
原作 ウォルター・テヴィス

評価:★★★★  4.0点



この1986年の映画は、ベテラン俳優ポール・ニューマンと、当時売出し中の若手トム・クルーズの組み合わせにより、鮮やかな対比を生みビリヤードの魅力と相まって、大ヒットしました。
この映画を見て、ビリヤードというレジャーが認知され、当時の若者がビリヤード場に押しかけ大ブームになったのです。
監督マーティン・スコセッシの演出も、中年男の再生を描いて説得力があります。
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以降の文章には

『ハスラー2』ネタバレ

を含みますので、ご注意下さい。

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(あらすじから)

アトランティックのビリヤード大会に参加したエディーとヴィンセントは、二人とも勝ちあがった。


【意訳】ヴィンセント:悪夢みたいだろ/対戦相手:お前のプレーは運まかせだ。/エディー:鼻に粉がついてるぞ。/対戦相手:エディ、調子に乗るなよ。/ヴィンセント:どんどん悪くなるな違うか?/対戦相手:さっさと決めろ。どうしようもないな。

準決勝で顔を合わせた両者は、凄まじい激戦の末、エディがヴィンセントを破った。
喜ぶエディー落胆するヴィンセント。
しかし翌日、ヴィンセントが現れ、エディーに大金を渡した。
ヴィンセントは、エディーに教えられた掛け金を釣り上げるテクニックを使い、わざと負けたのだ。
ヴィンセントが成功に浮かれて喋り続ける中、エディーの表情は屈辱に歪んだ。
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エディーは真剣勝負で、ヴィンセントを打ち負かしたと信じていたのだ。
翌日の準決勝に臨んだエディーは、途中でキューをしまい試合を棄権した。
そして客席にいたヴィンセントに金を返した。
数時間後、金をエディーに渡し「いらないなら寄付して」というカルメンに、エディーは本当の勝負をしたいと申し込んだ。

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『ハスラー2』ラスト


ビリヤード台で待つエディーの元に、ヴィンセントは怒りの表情で現れた。

【意訳】ヴィンセント:メス犬みたいに騙された、違うか?/エディー:ああそうだ。/ヴィンセント:俺に、偽者を掴まされた。俺と勝負がしたいって?俺は勝負はしない。無理だ。/エディー:ハッキリさせよう。お前を一人立ちさせる助けをしたろう、だから頼む。/ヴィンセント:黙れ/エディー:そういうな。頼む。/ヴィンセント:俺は自分が突きたい時しか応じない。/エディー:そういうな。俺にはもう何試合も残ってないんだ。/ヴィンセント:アンタは俺達を利用した!アンタは俺を利用したんだ!/エディー:ああそうだ。でも今アトランティック・シティーにいて、大物になった。お前はオモチャの倉庫でベビードール囲まれずにすんでいる。(ヴィンセントは元オモチャ・ショップに働いていた)そうだろう。/ヴィンセント:それはキレイごとだ。/エディー:他の誰とやっても俺のプライドは取り戻せない。勝負しなければ収まらない。片をつけよう。/ヴィンセント:俺に得はない。/エディー:どれぐらい俺を憎み続ける?5年、10年?残りの人生、恨みながら玉を突くのか?さあ、片を付けようじゃないか。/ヴィンセント:封筒の中身を賭けての勝負でいいな。/エディー:何でも賭けるさ。/ヴィンセント:エディー、俺が勝ったらどうするんだ?/エディー:立ち上がって、もう一度やる。銀行に金を貯金しとくだけじゃない。もし今日勝てなくても・・・・翌月のダラスで勝つさ。/カルメン:次はヒューストン、その次がダラスよ。/エディー:ヒューストン、ダラス。もしダメなら、1月後のニューオリンズ、世界中どこでもやるさ。/ヴィンセント:そうできるかな?/エディー:俺は戻ってきた!

エディーが先行権を得て、ブレークショットを放つ。
「俺は戻ってきた!」という言葉と共に。


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『ハスラー2』ラスト感想


この映画のラストは、中高年が持つ現状打破の意欲を掻き立てる、優れたラストシーンだと思います。
この作中のポール・ニューマン演じるエディーは、リンカーンに乗って生活にも困らない、いわば満ち足りた生活をしています。
しかし、それでも人生に潜む一片の不充足を、人は誰でも心の片隅に持つのかもしれません。
そんな、人生の先が見えてきた年代の男たちに喝を入れる映画かと思います。

さらに、しかしですが、実はこの映画の前作の『ハスラー』を見ると、昔は若者は大人に成りたくて戦っていたのではないかと思うのです。

関連レビュー:ポール・ニューマン『ハスラー』
60年代のギリギリの青春
第一次ビリヤード・ブームの火付け役

でも、この映画『ハスラー2』では大人が若者になりたくて、もがいているようも見えます。
信じられないかもしれませんが、1970年代前半位までの映画を見ると、大人は若者をバカにしていましたし、若者もバカにされないように挑戦するという図式の映画が多かったように思います。
しかし、時代の変化は凄まじく、これだけ世間の価値観が変化したという、そんな証拠物件のような「ハスラー映画」2本でした・・・・・・・・・
関連レビュー:二大俳優の激突『北国の帝王』
オスカーに輝くリー・マービンとアーネスト・ボーグナイン
70年代の大人の貫禄


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posted by ヒラヒ at 17:23| Comment(2) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは( ̄▽ ̄)確かに今は若者が大人たちをバカにしてますね(笑)「このハゲ!」の入院中の人や(笑)・・鴨池さんはもうどうかしてるぜ!みたいで(笑)国に何も期待してませんね。選挙も行かない20代は多いでしょうね〜
Posted by ともちん at 2017年07月02日 18:58


>ともちんさん
ありがとうございます(^^)大人が若さを求めすぎという気もします。
大人の方が偉いと、自信を持って欲しいものですが・・・・バカにされてもしかたありませんね(笑)つまりはハゲでカッコいいだろうと思っていれば、ショーンコネリーのように堂々としていられるんですが(^^;
Posted by ヒラヒ・S at 2017年07月02日 19:38
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