ティファニーで朝食を(ストーリー・ネタバレ 編)
原題 Breakfast at Tiffany's 製作国 アメリカ 製作年 1961 上映時間 115分 監督ブレイク・エドワーズ 脚色ジョージ・アクセルロッド 原作トルーマン・カポーティ |
評価:★★★★ 4.0点
実を言えば、この映画はオードリーの役としては、けっこうキワドイものではなかったかと、思ったりします。
何せ14歳でテキサスの田舎で結婚させられ、自由を求めてニューヨークで娼婦まがいの生活をする、女性の役なのです。
しかし、そんな汚れ役であったからこそ、逆にオードリーの妖精力が際立って、この映画を都会のファンタジーとして輝かせたように思います・・・・・時にオードリーの年齢は33歳ですが、ほんと美しい。


<目次> |

映画『ティファニーで朝食を』あらすじ |

彼女は名前のない猫と、アパートの一室に住んでいるが、すぐ鍵をなくす癖があり、階上に住む日本人の写真家ユニオシ(ミッキー・ルーニー)に開けてもらう日々だ。
ある日、ホリーのアパートの上階にポール(ジョージ・ペパード)という作家志望の青年が越してきた。彼は作家と言いながら、タイプライターにはリボンがついていず、インテリアデザイナーという夫のある中年女性をパトロンとしており、ベッドを共にすることで資金援助をしてもらっている。ポールはホリーと知り合い、徐々にホリーの自由奔放な生活や、複雑な性格に興味をおぼえはじまる。
ホリーも、ポールを信頼し友達になろうと告げる。ホリーは夜の社交界で男達と付き合うことで、生活費を稼いでいたがすぐに浪費してしまうのだった。そんなホリーはマフイアのボス、サリー・トマトに週一回面会に、シンシン刑務所に行く仕事もしていた。

次の日お礼にとホリーの部屋のパーティーに呼ばれたポールは、バカ騒ぎの中でホリーがハンサムなブラジル男性よりも、見た目の冴えない大富豪ラスティにアプローチするのを見ていた。
徐々に親しくなる二人だが、そんなある日ポールの前に、テキサスからホリーの夫だという男がやって来て、ポールを通じてホリーに帰宅するように働きかけて欲しいと依頼する。実はホリーは14歳で夫に嫁ぎ前妻の4人の子供を育てていたという。そしてある日家出をしたというのだ。夫は兄フレッドも戻るから一緒に家に帰ろうと求めたが、ホーリーは私は帰れないと夫だけをバスに乗せて自分は残った。
そんなとき、ポールの短編が50ドルで売れ、ホリーの部屋に報告を行く。彼女の部屋の前の新聞に大富豪ラスティーの結婚が報じられていたが、ホリーは大金持ちのクセに借金まみれだったと気にも止めていなかった。
小説の採用の祝いにホリーはポールを“ティファニー”に誘った。
<ティファニーの2人>【大意】ポール:このレディーのプレゼントを探しているんだが/店員:承知しました。何かお心にお決まりの物がございますか?/ポール:そう、ダイアモンドも考えたが、君を怒らせたくはないんだが、でもこのレディーはダイアは品がないと感じてるようでね。/ホーリー:そうねそう思うわ。ご年配のご婦人には素晴らしいけど、でもダイヤは私には合わない、お分かりかしら。/店員:かしこまりました。/ポール:正直言えば、それは第二の問題と言うべきで、第一に経済的な問題があるんだ。私が使える金額が・・・・限られてて。/店員:いかほどかお尋ねしても?/ポール:$10。/店員:$10。/ポール:それが払える金額。/店員:承知しました。/ホーリー: $10で買えるもの何かある?/店員:率直に申し上げまして、奥様、その金額ですと品揃えが限られておりまして。しかし、何か有るはずで御座います・・・・判りました・・・・この商品などは珍しくて、物を持ち飽きた方などに。お分かりでしょうか、紳士淑女や全ての方々がお使い頂ける、純銀の電話ダイヤル回しです。税込み$ 6.75でございます。/ホーリー:純銀の電話ダイヤル回し。/店員:さようでございます。$ 6.75連邦税込みでございます。ポール:そう、価格は良いけど、でも言わせてもらえれば、もっとなにか他のものを望みたいな・・・・何て言うべきか・・・・ロマンチックな感じのモノを/ホーリー:ダイヤル回しも役に立つけど、どうかしら?/ポール:そうだ、何かに字を刻んでくれないか?/店員:ようございますが、その何かをお買い求め下さいませんと、字を刻むのは無理かと存じますが。いかがです。/ポール:これはどうだろう。ちょっと賢くないか。/店員:ティファニーの製品ではございませんね?/ポール:いや実は買ったんじゃなくて、コーンキャンディーの箱に入っていたおまけなんだ。/店員:なるほど。まだおまけが付いているのですな?/ポール:そう/店員:それを知って嬉しい心持が致します。めまぐるしく移り変わる世の中で、変わらないものがあるのはホッとします。/ホーリー:ティファニーは本当にそれに字を刻んでくれる?/店員:さよう、いささか異例ではございますが、ティファニーは大変物分りがよいとご承知いただけるかと。イニシャルをおっしゃって下されば、翌朝には準備できているかと存じます。/ホーリー:ね、ステキな所だって言ったでしょう?
そこでポールは10ドルで何かプレゼントをと、オモチャの指輪に名前を入れてもらうことにした。そして、その日デートの終わりに、2人はキスを交わし別れた。

ホリーをすでに愛しているポールは怒りを覚え、二人は激しく言い争う。
その晩ホセと帰ってきたホリーは一通の電報を見て、パニックに陥った。そこには兄フレディーに関する驚くべき知らせが・・・・・・・・・

映画『ティファニーで朝食を』予告 |
映画『ティファニーで朝食を』出演者 |
ホリー・ゴライトリー (オードリー・ヘップバーン)/ポール・バージャク(ジョージ・ペパード)/2E(パトリシア・ニール)/ドク・ゴライトリー(バディ・イブセン)/ユニオシ(ミッキー・ルーニー)/O・J・バーマン(マーティン・バルサム)/ホセ・ダ・シルヴァ・ペレイラ(ホセ・ルイス・デ・ヴィラロンガ)/メグ(ドロシー・ホイットニー)/サリー・トマト(アラン・リード)/ティファニーの店員(ジョン・マッギーヴァー)
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映画『ティファニーで朝食を』解説 |
当ブログで紹介しているオードリー・ヘップバーンの映画レビューです。
よろしければ、ご覧ください・・・・・・
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以下の文章には 映画『ティファニーで朝食を』ネタバレがあります。 |
電報はフレッドの事故死を伝えるものだった。駆けつけたポールはホリーを押さえ、泣き崩れる彼女をホセに託し部屋を出る。
ホリー:今晩はポール/ポール:今晩は/ホセ:今晩は/(部屋から叫び)ホセ:お願いです/ポール:彼女に何をした?/ホセ:何も、電報を見たら急に、気が狂ったようになった。人に知られたら困る家名に傷がつく。また警察が来るだろうか?/ポール:部屋で暴れても法律には違反しない。電報はどこだ”フレッド死亡。ジープ事故。君の夫も子供も深く悲しんでいる。至急ドク”兄だ/ホセ:仲が良かったんだね?どうしよう・・・/ポール:彼女を慰めてやれ。俺ではダメだ。ブラジルに牧場を?/ホセ:ああ/ポール:それは良かった。彼女は気に入るだろう。さあ、行ってやれ。
ポールはパトロンと別れる事を決心し、彼女が家賃を払っているアパートを出ていく。
そんなポールがホリーの部屋を訪ねたのは、ホリーがホセとの結婚のためリオデジャネイロへ行くので、お別れをしたいと言ったからだった。
その夜食事から帰った2人は、麻薬科の警官数人に手錠をかけられ連行された。マフィアのボス、サリーの面会に刑務所を訪ねた時、ホリーは知らずに暗号の伝言役にさせられていたため、麻薬の密輸に加担したと疑われたのだった。

ホリーは、警察に留置されるが、ポールの奔走でホリーのボーイフレンドの一人に彼女の保釈金を用意させ、明朝ポールは彼女の飼い猫と共に、タクシーで警察に保釈されたホリーを迎えに行く。
映画『ティファニーで朝食を』ラスト |
警察から出たホリーはリオへ向かおうとするが、ポールはホセからの別れの手紙を読み、ニューヨークに留まるように言う。
それでも南米に行って富豪を探すと泣き出すホリー。
ポールは愛を伝え、共に暮らそうと訴えた。
ホリーは檻に入れられるのは嫌だと言って、飼っている猫を土砂降りの雨の中へ捨ててしまう。
ポールは、ホリーは既に自分で作った檻に入っている、そして自分という檻はどこへ行っても付きまとうと言い、ティファニーの指輪をホリーに渡し、猫を探しに土砂降りの雨の中を去っていく。
ポール:僕は君を愛してるんだ。/ホーリー:それが何?/ポール:それが何かって?十分な理由だろ!愛してるんだ。僕のものだ。/ホーリー:いいえ。誰も誰かのものじゃない。誰も私を檻になんか入れさせない。/ポール:愛して欲しいだけだ。/ホーリー:それは同じ事よ。/ポール:違う。それは違うよホーリー!/ホーリー:私はホーリーじゃない。ルーラでもない!私が誰か分からない!この猫と一緒よ。名無しのノラ猫。私と猫は誰のものでもないし、誰も私達のものにしない。私達はお互いでさえ、どちらのものでもない。タクシーを止めて。/ポール:何を/ホーリー:あなたのようにタフな猫は、行きたいところに行くのが正しいわ。行きなさい!消えて!出して。運転手さん・・・・/ポール:ここで止めろ。君の何が問題か分かるか、君はミス・フーバーだろ?君は臆病者だ。君は根性なしだ。君は"人生の事実"を認められない。人は恋に落ちれば、お互いに相手のものになる。なぜなら、それが他の人間と真に幸福になる、唯一のチャンスだからだ。君は自分を自由な魂と言ったが、乱暴なだけだ。君は誰かに檻に入れられると恐れているが、だがね、君はすでに檻の中だ。君が檻を作っているんだ。その檻はチューリップに囲まれてなんかいない、テキサスかソマリランドだ。どこでも行けばいい。どうせ、どこに君が逃げようと、最後には自分に行き着くんだ。ほら、一ヶ月近くずっとコレを持ってたけど、もう僕には必要ない。(猫を探すポール。ホリーもやってくる)ホリー:猫はどこ?/ポール:分からない(ホーリー猫を探し、見つける)
路地の廃棄された箱の片隅で、ホリーは猫を見つけ、ポールと抱き合いキスを交わす。
この路地裏で震えていた猫こそ、ホリーそのものだったように思います・・・・・・
彼女がお金ではなく、愛で幸せを感じられると良いのになと祈っております・・・・・・
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オードリー・ヘプバーンの代表作ですね。しかし美しい〜(*‘∀‘)
ありがとうございます(^^)モンローだったらまるっきり違う映画になっていたと思いますね(^^;
ありがとうございます(^^)
名シーンが多い映画なので、ついつい引用が長くなり申し訳ありません。やはり名作でしょうね〜