スポンサーリンク以下の感想にはこの映画に対する悪評が含まれますので、ご注意下さい。 映画『ジャージーボーイズ』感想 |
しみじみしたいい映画で、イーストウッド監督らしい映画だとは思うんですが・・・・・・・・・・そういう「人生の哀歓」を描くために、この素材が相応しかったんだろうかと考えたりしました。たとえば、同じテーマで行けばイーストウッド監督『ミスティック・リバー』の、映画全体がテーマに収斂していく集中力がここには無いと言わざるを得ません。
当ブログ関連ブログ:
『ミスティック・リバー』
イーストウッド監督の運命の三人を描いた映画
それは、この『ジャージーボーイズ』がブロードウェイ・ミュージカルとしてヒットした要素が、ジャマになったためだろうと思うのです。
やはり、ミュージカルの売り物は歌と踊りのダイナミックさと、何よりも華やかさPOPさなのだろうと感じます。ブロードウェイミュージカル「ジャージー・ボーイズ」
この映画には、そのミュージカルの華やかさは「エンド・ロールのシーン」を除いて、ありません。しかし、そんな地味な味わいこそクリント・イーストウッドの持ち味であり、その持ち味とこのミュージカルのセールスポイントは、相反する方向にあるのではないかと個人的には思えます。
つまりは、栄光と挫折の両面を人生は持つでしょうが、イーストウッドの語り口は挫折の悲哀を強く感じさせるドラマになっており、それを描くにはミュージカル要素が挟雑物として邪魔なように感じます。
更に大胆な事を言えば、そもそもミュージカルという素材は、イーストウッドが撮るべき映画ではなかったようにすら思います。なぜなら、イーストウッドというキャラクターは、常にアウトローを演じてきたように、明らかに陰を表現するのに長けた表現者であり、それは監督になっても変わらないと感じます。
更に言えば、イーストウッドは音楽が好きで、作曲までする玄人はだしの素養を持っています。
その影響で息子がジャズミュージシャンになったぐらいなのですが、そんな彼が撮る音楽映画がどうも良くない・・・・・
(写真:右スコット・イーストウッド、左・クリント・イーストウッド)
チャーリーパーカーを題材にした監督作『バード』、旅回りのシンガーを監督主演した『センチメンタル・ジャーニー』にしても、どこか音楽の持つ喜びよりも苦しみの方が色濃く出ているように感じます。
そして、それはこの映画に共通する苦味のようにも思います。もしかするとイーストウッドは音楽というものに、どこか求道者的な真摯さを求めているのかも知れません・・・更に言えば1969年には『ペンチャー・ワゴン』という西部劇ミュージカルに出演している所を見ると、ミュージカルに対する見果てぬ憧れがあったのかもしれません・・・・・『ペンチャー・ワゴン』イーストウッドの歌声が聴けますが、ダンスは・・・・・
いずれにしても、この『ジャージーボーイズ』という映画に関してはミュージカルの華やかさを持たないミュージカル映画であり、たぶんイーストウッドの資質から行けば、もっと音楽要素の比重を減らしたほうが、表現としての完成度は上がったと思うのです。
でもそれであれば、わざわざこのブロウドウェイ・ミュージカルを映画化する必要があったのかと疑問を持たざるを得ません・・・・・・・・もっとも映画のサイトで口コミ評価を見れば★4つに近い点を獲得してますので、私の意見はともかく一度ご覧になっても決して損は無いと思います。いっそのこと
エンドロールの、「ミュージカル調」の弾けかたをしてくれたら、「ハリウッド・ミュージカル」の復活が期待できるかとも思いましたが、イーストウッドの仕事ではなさそうですね・・・・・・
ハリウッド黄金期のミュージカルを紹介した映画『ザッツ・エンターテーメント』
========================================================スポンサーリンク以下の文章にはネタバレが含まれますのでご注意下さい。 映画『ジャージーボーイズ』ネタバレ |
借金返済のため、ハードなスケジュールをこなすフランキーは、ますます家庭に割く時間が無くなり、娘フランシーが家出したという連絡に、NYにいる娘を探し出し話し合う。そしてフランシーの歌手の夢後押しすることを約束して別れた。しかしフランシーンがドラッグで死亡したと連絡が入り、フランキーは抜け殻のようになった。
そんなフランキーのもとに、ボブが曲を携えてやって来て、もう一度歌うべきだと励ました。その曲が『君の瞳に恋してる』で、瞬く間に全米大ヒット曲となった。
1990年ロックの殿堂に選出された「ザ・フォー・シーズンズ」は、25年振りに再び四人揃った。万感の思いを込めた握手がトミーとフランキーの間に交わされる。1990年ロックの殿堂シーン
【意訳】
トミー:久しぶりだ フランキー/フランキー:どうしてる?/トミー:何とかやってるよ。握手を・・・/フランキー:いいんだ 分かってる。中へ入ろう・・・・
司会者:20余年ぶりに、4人が顔をそろえました。今夜は最高の舞台です、皆さん お迎え下さい。私の旧友でロックの殿堂入り受賞者オリジナルのフォー・シーズンズ!(歌が始まる)
トミーは今はジョー・ペシの付き人をしていて、昔の自分は頼られていると思っていたが、クソだと思われていたと最近知ったと語る。
ニックは自分が止めたのは家が恋しかったのと、バンドの中でリンゴスターのような存在だからだと語った。
フランキーは最高の瞬間とはニュージャージの街頭のしたで、自分達の音楽を作っているときだと語る。
ボブは今いるところが故郷で幸せだと語り、このグループの成功は自分無しではありえなかったと語った。
そして、ステージで歌いながら、思いは「ザ・フォー・シーズンズ」の始まった、ニュージャージー、ベルビルの街頭の下に戻るのだった・・・・・・・・・
ありがとうございます(^^)栄光と陰の物語です。しかし、日本だとここまでグチャグチャにならない気がするんですけど、やっぱりアメリカは豪快な気がします・・・・・・・
ありがとうございます(^^)やっぱり新しい映画は、しっかり見てますね〜★3でよろしかったでしょうか・・・・何か世間的な点数は高いのでちょっと不思議だったんですが・・・・・