2017年01月14日

映画『そんな彼なら捨てちゃえば』恋ばなバラエティー/感想・あらすじ・ネタバレ・ラスト解説

「恋愛映画」―「ロマン」=「婚活ドキュメント」



評価:★★★ 3.0点


ハリウッド青春恋愛物語も、ここまでくれば見事な割り切りだと褒めたくなります。
全米ベストセラーとなった恋愛ハウツー本を映画化したというこの作品は、恋愛に夢も希望もなく、ただ打算と利害だけが無残に強調されているのは、2009年の真実なのでしょう。

『そんな彼なら捨てちゃえば』あらすじ

同じ会社に勤めるジジ(ジニファー・グッドウィン)、ジャニーン(ジェニファー・コネリー)、ベス(ジェニファー・アニストン)の3人は、私生活の状況は違っても恋ばなで相談し合う仲だった。ジジは多くの失恋を経験しても、恋にひた向きに頑張っている。ジャニーンに紹介された不動産業者のコナー(ケビン・コノリー)と初デートをするが、その後コナーから連絡はない。コナーの行きつけのバーで張り込むうちに、マスター兼コナー友人・アレックス(ジャスティン・ロング)と親しくなり、アレックスの男女間の相互理解の欠如、特に女性の思い込み解釈が原因だというアドバイスを受ける。ジジは、自らの失敗の繰り返しが男の心理を考えなかったせいだと思う。彼女の行動は友人にも波及し、ベスは恋人ニール(ベン・アフレック)と同棲7年目にしてニールに別れを告げた。結婚しているジャニーンは夫・ベン(ブラッドリー・クーパー)がアンナ(スカーレット・ヨハンソン)と浮気をしている場面に出くわす・・・・・・

(原題HE'S JUST NOT THAT INTO YOU/アメリカ/2009年/129分/監督ケン・クワピス/脚本アビー・コーン、マーク・シルヴァースタイン/原作グレッグ・ベーレント、リズ・タシーロ)

<『そんな彼なら捨てちゃえば』キャスト>
ニール(ベン・アフレック)、ベス(ジェニファー・アニストン)、メアリー(ドリュー・バリモア)、ジャニーン(ジェニファー・コネリー)、コナー(ケビン・コノリー)、ベン(ブラッドリー・クーパー)、ジジ(ジニファー・グッドウィン)、アンナ(スカーレット・ヨハンソン)、アレックス(ジャスティン・ロング)

========================================================
『そんな彼なら捨てちゃえば』感想・解説
========================================================

原題の”He's Just Not That Into You”という原題も「彼が君に一生懸命とはいえない」なんていう、どことなく中途半端な心模様を表わしているように思います。

sonkare-zu.jpg
実際、この映画の中の恋愛は、どれもこれも中途半端で煮え切らない関係ばかりです。

この映画における女性達の恋愛に対するスタンスは人それぞれでも、一様に「恋愛の夢」よりは「恋愛の痛み」に敏感であるように感じます。

現代の結婚適齢期の男女の関係とは、冷たい打算と恋の寿命との狭間で、進みもできず下がりもできずという振り子のような心で「恋愛を生きる」という事なのかと。

そんな悲しい現実の恋を描くために女優陣も男性陣も、ガンバッて地味にして説得力があります。
ベン・アフレック、スカーレット・ヨハンソンの二人ですら、なるべく平凡に見えるように頑張っているように見えます。
充実のサントラから一曲、ケイティー・ペリー「hot 'n' cold」

結局、この映画の狙い所は「あ〜そうそう」「わかるわ〜」「ほんとダメ男だわ〜」なんていう、女性陣の共感を呼ぶ物語にすることだと思います。ですから女性目線では上に★一つ加えていただきたいと思います。

he_s_just11.jpg現代日本においても多かれ少なかれ、やはり、同様の適齢期の女性がもつ悩みにおいて共通する部分もあるのではないでしょうか。
そもそも恋愛は、女子側から見ればは生きるためのマスト・アイテムというべきでしょうし、打算的に考えざるを得ないというのが本音だと思います。

それに比べて、男にとっての恋はアクセサリーのような物ですから、自ずと両者のスタンスは違ってきます。

そういう意味では、女性の皆様がみんなで見に行って、見終わった後自分の恋のウップンで盛り上がるなんていうのがイチバンよろしいかと・・・・・・

彼氏と一緒に行ってしまえば「この先ど〜するの」の何んて、シビアな話になりかねませんのでご注意下さい。

hiisnot-gif.gif
まぁ〜そんなことをトータルして鑑みれば、この映画は恋愛映画というよりは、実録婚活物語というべきでしょう。

特に女性目線で見れば、現代恋愛パターンのバラエティが豊富に取り揃えられ、盛り上がる事は必至ではないでしょうか?

正直かつての恋愛モノにあった、夢のような出会いや、理想の王子様の登場なんて、一ミリもありません。

そんな甘い夢を見るには「恋愛」を重ねすぎてしまったのは、現実の人間だけではなく、「恋愛映画」も同じでしょう。


「恋愛」をロマンスと呼べなくなる日がもう来ているのでしょうか・・・・・・
サントラからもう一曲、ヒューマン・リーグ「Don't You Want Me」

========================================================
スポンサーリンク

========================================================
========================================================
以降「そんな彼なら捨てちゃえばネタバレ」を含みます、ご注意下さい。
========================================================
========================================================
========================================================


アレックスとジジは付き合いだし、コナーも知人メアリーと付き合いだしました。
ベンとジャニーンはそれぞれ独りになります。アンナは男にこりてインドに行く予定です。
そして、ニールはべスにプロポーズします。
ニールのべスへのプロポーズ・シーン
一度、同棲を解消したものの、再度ヨリを戻した二人。しかしべスはニールが結婚から逃げているのが不満です。

【大意訳】
べスはニールの古いズボンを捨てるよう迫り、ニールはお気に入りだからと抵抗しますが押し切られて、ズボンを捨てる前に、ポケットの中に何も無いか調べてくれとベスに言い、べスはポケットに手を入れ、指輪ボックスを取り出します。
(1:00〜より)ニール:とっても愛している。とっても。君を幸せにしたい。自分のために君を幸せにしなければ成らない、幸せになれるよう試させてくれ。/ニール:僕と結婚してくれるかい。/べス:ええ!もちろん!
(ジジ・モノローグ)
少女は成長するまでに多くを学ぶ「男のパンチは好意の印」「自分で自分の前髪を切らない」「いつか素晴らしい男に出会い、幸せな結末を迎える」

悲喜こもごも、様々な恋愛模様が繰り広げられます・・・・・・・
========================================================
そんな彼なら捨てちゃえばラストシーン
========================================================


【意訳】
(ジジ・モノローグ)少女は成長するまでに多くを学ぶ「男のパンチは好意の印」「自分で自分の前髪を切らない」「いつか素晴らしい男に出会い、幸せな結末を迎える」いろんな映画も見て、いろいろな話も語られたけど・・・・・・そんなモノ―第三章「どんでん返し」や、愛の予期しない宣言、例外のルール、を待つ余裕は無い。。
それでも私達はハッピーエンドに気をとられてしまう。私達は決して、そのサインを見逃さない方法を学べない。私達に気のある男と、無い男、とどまる男と、離れる男を見分けられない。
たぶんこのハッピーエンドには素晴らしい男を必要としない。たぶん必要なのはあなた自身。自力で片をつけ再出発できれば、未来は自由でより良いものになる。この場合のハッピーエンドは前に進み続けること・・・
アレックス:俺たちの番だぞ、ほっといて、早く!/アレックス:”LOL”とは?/ジジ:Laugh out loud(爆笑)勝った!
(ジジ・モノローグ)
ハッピーエンドとは、たとえば電話の応答が無くて傷心したり、たとえば男性のサインにまごついたり取り違えたり、たとえば苦しんだり恥をかいたりしても、絶対に諦めない自分に気づくこと・・・・・・


この後、登場人物のインタビューが入りますが、それぞれ自分の状況にあった決心を語ります。
つまりは、「諦めない自分=自分自身で在り続ける」ことこそハッピーエンドという事で・・・・・

もう他人を頼っちゃダメというのが、アメリカのお嬢様がたの真実のようです。

スポンサーリンク
posted by ヒラヒ at 23:59| Comment(4) | TrackBack(1) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは(^_^)アニストンさん好きですね〜👼ヨハンソンさんにバルモアさんって女優が豪華ですわ🎵これは観たいです☕ジャスティン・ロングさんもなかなか😃
Posted by ともちん at 2017年01月14日 19:34
レビュアンさんが恋愛系とは意外でしたヽ(´▽`)/
なかなか恋愛映画は心に響くものが少ないですよね〜。
女性が共感できる作品が多いような気がします。
Posted by いごっそう612 at 2017年01月14日 19:55
>ともちんさん
ありがとうございます(^^)ブリジットジョンーズの日記をもっと下世話にしたかんじです(^_^;)俳優陣はごうかです。
Posted by ヒラヒ・S at 2017年01月14日 20:58
>いごっそう612さん
ありがとうございます(^^)雑食系でスイマセン^_^;
最近の恋愛映画は夢も希望もないものが多いので女の本音作品が多いですね〜
Posted by ヒラヒ・S at 2017年01月14日 21:16
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

『そんな彼なら捨てちゃえば?』
Excerpt: 『そんな彼なら捨てちゃえば?』 何度も睡魔に襲われてしまいました(苦笑)。 う〜ん。 どの登場人物にも魅力を感じられなかったんですよねぇ・・・。 「こういうことするから失敗する..
Weblog: 観・読・聴・験 備忘録
Tracked: 2017-01-14 17:36