評価:★★★★ 4.0点
この映画は、1980年代に衝撃のパフォーマンスを見せた、プリンスのプロモーション映画だ。
ストーリーも、フラッシュダンスだとかスクールロックのように、音楽によって再生する人間を描いて、基本的な映画としての力は有している。
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パープル・レインあらすじ
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アメリカ北部ミネソタ州の工業都市ミネアポリスのライブ劇場<ファースト・アベニュー>に出演する、キッド(プリンス)とザ・レボリューションの演奏に満員の客たちが盛り上がっている。そこで、キッドはロック・スターを夢みるアポロニア(アポロニア・コテロ)という美女に出会う。ステージはキッドのライバル、モリス(モリス・デイ)とザ・タイムの演奏がはじまる。最近のキッドはバンドの女性メンバーのリサ(リサ・コールマン)とウェンディ(ウェンディ)と上手く折り合えず、クラブのオーナー(ビリー・スパークス)もキッドの勝手な振る舞いを快く思っていない。ある日キッドはアポロニアとデートをし、愛し合うようになる。アポロニアは、キッドに純白のギターをプレゼントしたが、そのギターがモリスのバンドへ参加する契約料から出たと知ると、キッドは彼女を殴ってしまう。キッドの周りは不協和音で満たされ、しかも、父がピストル自殺をはかった。悲嘆に暮れるキッドは、父も音楽を志していたことを知り、父のためにも良い演奏をする決心を固め、閉ざしていた心を開き、もう一度ステージに立つのだった・・・・・
(アメリカ/1984年/111分/監督アルバート・マグノーリ/脚本アルバート・マグノーリ、ウィリアム・ブリン)
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パープル・レイン感想
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パープル・レイン感想
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しかし、根本的にナルシスト・プリンスが自分の一番見せたいプリンスを見せている映画であり、その点がこの映画の長所でもあり、短所でもある。
![purp-puri.jpg](https://hirahi1.up.seesaa.net/image/purp-puri-thumbnail2.jpg)
プリンスの持つ濃密さ・厚塗り感覚が好きならば、この映画は十分に楽しめ感動できるだろう。
しかし、大阪演芸のようなエゲツなさが、過剰さが嫌いならば忌避感を感じるだろう。
つまり、プリンス好きにとっては、カッコいいプリンスと音楽を楽しめる。
また個人的には、この映画は「黒人内映画」が、メジャーに出てきた作品として珍しい例だと感じる。
先ほど記述したこの映画の持つ、濃厚さや、過剰さというのが、ブラック・カルチャーの本質であり、そのコールタールのような粘りつくグルーブ感こそ「アフリカ系アメリカ人」が欲する文化の形だと感じる。
この映画における「The Time」というバンドのパフォーマンスこそ、ブラックミュージックの持つソウルの好例だったろう。
モーリス・デイ and ザ・タイム の歌う 「Jungle Love & The Bird」
マッタリしたグルーブ感がたまらない。
![purinsu-morisu.jpg](https://hirahi1.up.seesaa.net/image/purinsu-morisu-61b1f-thumbnail2.jpg)
けっきょく、プリンスの音楽の魅力は、黒人音楽の濃厚さを失わずに、音楽的に昇華した点にあると感じる。
そしてその「ブラック感」を保持しながら洗練させる方向性は、この映画にも共通する魅力だと思う。
![purp-tate.jpg](https://hirahi1.up.seesaa.net/image/purp-tate-thumbnail2.jpg)
多くのジャズマンは、薬に溺れ、ヨーロッパに逃げ、結局肉体と精神を衰弱させていった。
時代が下って、マイケル・ジャクソンは黒人が「ローリング・ストーンズ・マガジン」の表紙を飾れないと言われて、白人に認められるPOPSを作り上げた。
しかし、彼マイケル・ジャクソンの成功は黒人側から「白人に魂を売った」と言われたのは、あまりに「ブラック・ミュージック」らしくなかったからだ。
けっきょく、プリンスの音楽がブラックサイドから忌避感が出なかったのは、黒人として黒人音楽を発表しながら、白人に媚びていない点にあったろう。
いずれにせよ、オバマ大統領が就任した現代アメリカでも、基本的にアメリカに住む黒人層は不平等な競争を強いられており、その歪みは成功・失敗に関わらず困難な人生を強いていると思う。
![purp-princestage.png](https://hirahi1.up.seesaa.net/image/purp-princestage-thumbnail2.png)
いずれにしても、マイケル・ジャクソンやプリンスの死は、決して彼らが自堕落に暴走したわけではなく、アメリカ社会の人種問題が背景にあるのだといいたい。
そんな状況ながら、素晴らしい楽曲を生み出した彼らに賛辞を送るという意味も含めて、この映画には満点を付けようと思ったのだが、映画技術の点でさすがに満点はためらってしまった・・・・・
魅力的で最も元気だった頃のプリンスを見て欲しい。
今日は、永遠のプリンスと「パープル・レイン」を歌おう。
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以降「ネタバレ」と「ラスト」を含みますので、ご注意下さい。
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この映画のクライマックスは、心を入れ替え仲間と一緒になって、歌う「パープルレイン」。
彼の真心が人々の心を動かし、会場が一体となって合唱するという感動のシーンとなります。
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「パープル・レイン」ラストシーン
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プリンスの歌う「ベイビー・アイムアスター」
パープルレインを会場一体となって成功を勝ち取った後、"I Would Die 4 U"で畳み掛け、ラストで歌われる曲はやっぱり「"Baby I'm a Star" =オレはスター」プリンスらしい。
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💦知らない人ですけど(笑)肩パッドがすごい時代?なのですかね〜マイケル・ジャクソンさんが好きですm(__)m💦💦
さすが音楽と映画に造詣があるレビュアンさんということでしょうか?その両者の融合作まさにレビュアンさんの為にあるというもの!
でも今日はちょっと気合が少ない気がしました(笑)
ありがとうございます(^^)
気合が少ないは反省してます(^^;ヤッパリ、急ぐと良くないデスね・・・・年末進行が〜m(___)m
ありがとうございます(~~)マイケル・ジャクソン派とプリンス派が抗争を繰り広げていましたが・・・・・プリンスも一年ぐらい前に原因不明の死で・・・・アメリカの黒人さんはキツイ。合掌m(__)m
毎日更新は難しいですよね(^_^;)