評価:★★★★ 4.0点
この抜けるように青い空のような青春群像は、アメリカのスクールライフの典型を表しているように思います。
この陽光だけを浴びて、影の一片もない、アメリカの高校生達の生活は、日本の高校から考えるとまるで夢のようで「めまい」がするほどキラびやかな学校生活に見えます。
<恋のからさわぎあらすじ>
転校生のキャメロン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、一目惚れした学園のアイドル・ビアンカ(ラリサ・オレイニク)にアプローチをするが、厳格なビアンカの産婦人科医の父親(ラリー・ミラー)は間違いがあるといけないと、ビアンカの姉で男嫌いのカトリーナ(ジュリア・スタイルズ)が誰かと付き合うなら、デートしても良いという不可能と思える条件をつけられた。そこでキャメロン同様ビアンカに惹かれている、学園一のプレイ・ボーイ、ジョーイ・ダナー(アンドリュー・キーガン)を上手く騙し、学園の問題児パトリック(ヒース・レジャー)を金で雇い、カトリーナをデートに誘わせる計画を立てる。パトリックとカトリーナは少しづつ親しくなり、ついにはお互いに惹かれ合うようになる。一方、ビアンカはジョーイのナルシスト振りに幻滅し、キャメロンに惹かれていく。
父親の許しも出て、ビアンカとキャメロン、カトリーナとパトリックの二組のカップルは晴れてプロムに参加する。しかし、ジョーイがフラれた腹いせに、パトリックを金で雇ってカトリーナを誘惑させていた計画を暴露してしまう。カトリーナとパトリックの二人の運命は・・・・・・・・
(アメリカ/1999年/97分/監督ジル・ジュンガー/脚本カレン・マックラー・ラッツ)
【出演者】ヒース・レジャー/ジュリア・スタイルズ/ジョセフ・ゴードン=レヴィッド/ラリサ・オレイニク
もちろんアメリカの高校生たちも、10代後半の青年期から成人に至る過程の高校生ですので、家庭内の悩みもあるし、恋愛の問題も抱えていますし、友人との軋轢もありますが、それらに切実さが無いというか、どっか本当の悩みでは無いように見えます。
これは、ハリウッド映画の様式として「アメリカン・グラフティ」から始まる、歌と恋と青春の疑似ミュージカル劇の伝統に従った、どっかファンタジーに近いドラマとして描いてるのかと疑いたくなります。
恋のアプローチも熱い歌で・・・・・・・
ヒース・レンジャー本人が歌う "can't take my eyes off you"
しかし、実際のアメリカの高校でも、プロムもあれば車の通学もあり、服装や趣味嗜好の自由がある学校生活が、他の映画でも描かれていますので、それほど非現実的なファンタジーとも思えない・・・・
だとしたら、この地に足のついていない恋愛の「ゲーム」感は何でしょう・・・・
日本の高校の息苦しさに苦しんだ者としては、あまりのうらやましさにジェラシーを抑えつつ、繰り返しこの映画を見てみました。
すると、この主人公の親が産婦人科の医師だという事に気が付きました・・・・・・
実はこの高校生達はイイトコの、お嬢ちゃんお坊ちゃんだったのです。
この映画のヒロインのカトリーナ登場で流れる「ジョアン・ジェットの歌うバッド・レピュテーション」
つまり突っ張っては見ても、お嬢ちゃんのカッコつけですので安心して見ていられます。
そう思って見ると、大きな屋敷にすんで、スポーツカーに乗ったり、300ドルのお金をポンと出したり・・・・・・・

そう考えれば、ベースとなったシェークスピアの「恋のからさわぎ」も貴族の恋のお遊びでした。
そんな貴族的な恋愛遊戯が出来る、上流階級のお坊ちゃんお嬢ちゃんを見て、やっぱりアメリカのお金持って、遠慮もなく「ハッピー」と言えていいなぁ〜と、素直にアコガレました。
アメリカのお金持ちは明らかに勝者で、勝者である事を大声で誇示するのを躊躇しないんでしょうね〜それが、この明るく爽快な高校生達の輝きの源泉なのかな〜って
そもそも映画って、みんなの「夢」を現実化して照射するという「欲望装置」としての機能があると思うんですが、この映画もそんなアメリカの10代の「アコガレ」に成り得てるのだろうと想像しました。
なぜか「阪急電車は速い」Tシャツを着ています・・・・・
日本人の私ですら、来世はきっとアメリカのお金持ちの子供として生まれてやる!!
そんな決心をしたホドです・・・・・・
こんな理不尽な夢を見る者に持たせるほど、魅力的な映画でした。
この映画を見て、ヒース・レンジャーが魅力的な俳優だと再認識しましたm(_ _)m
『ブロークバック・マウンテン』も切ない物語でした。
バットマンのジョーカー役も忘れられません
この映画を愛するのは私だけではないようで、公開された1999年の開幕週でマトリックスを敵に回し第2位に入ったぐらい成功したようです。
この映画『恋のからさわぎ』の原題は『10 things i hate about you(あなたを嫌いな10の理由)』といいますが、TVシリーズとしてアメリカで同タイトルでリメイクされているようです。
そこでは、この『恋のからさわぎ』のエンディング曲「I Want You to Want Me」が流れていたようです。
『10 things i hate about you』TVドラマのクリップ
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レビュアンさんも書き方進化していますね〜。観てて前と比べると全然読みやすいです。
お互い頑張りましょうヽ(´▽`)/
ありがとうございます(^^)
読みやすくなったというお言葉は、本当に励みになります(^^)
正直言って、章分や見出し、記事内リンクなど使えればもっと良くなるんでしょうが・・・・・努力しますm(__)m
ありがとうございます(^^)
金持ち私立高校でもすごいですよ〜
私の高校はヤンキーが多いバカ学校だったので、先生が竹刀を持って頭髪がどうのズボンがどうのと、毎日生徒をシバイてました!
天国と地獄だと思います(T_T)