2020年09月14日

映画『きみに読む物語』実話を元にした「恋の奇跡、愛の永遠」の作り方とは?/感想・解説・実話・簡単あらすじ

映画『きみに読む物語』感想・解説 編

原題 The Notebook
製作年 2004年
上映時間 123分
監督ニック・カサヴェテス
脚本ジェレミー・レヴェン,ジャン・サルディ
原作ニコラス・スパークス


評価:★★★★  4.0点



愛の奇跡を信じている人に・・・・
今、恋愛で悩んでいる人に・・・・
恋する相手に思いを伝えたい人に・・・・
愛を必要としている全ての人に・・・・・


そんな恋と愛を巡るさまざまな問題に、この映画は一つの答えを提示していると思うのです。
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<目次>
映画『きみに読む物語』簡単あらすじ
映画『きみに読む物語』予告・出演者
映画『きみに読む物語』感想
映画『きみに読む物語』解説/実話紹介

映画『きみに読む物語』簡単あらすじ

介護施設に暮らすアルツハイマー病を発症した初老の女性(ジーナ・ローランズ)のもとに、デュークと名乗る男性(ジェームズ・ガーナー)が定期的に通って、とある恋の物語を何度も読み聞かせている。17歳のアリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)は、1940年、ノース・カロライナ州シーブルックに家族と避暑にやってきた。そこで材木工場で働く地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)と恋におちる。しかしアリーの両親は交際を認めず、アリーは学校へ、ノアは第2次世界大戦に兵士として従軍する。やがてアリーは、富裕な弁護士ロン(ジェームズ・マーデン)と恋におち結婚式が目前に迫った。そんな時アリーは新聞にノアの姿を見つけ、彼に会うために走リ出す・・・・・・

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映画『きみに読む物語』予告

映画『きみに読む物語』出演者

ノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)/アリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)/認知症の女性患者(ジーナ・ローランズ)/デューク(ジェームズ・ガーナー)/アリーの母・アン(ジョアン・アレン)/ロン(ジェームズ・マースデン)/ノアの父・フランク(サム・シェパード)/フィン(ケヴィン・コナリー)/アリーの父・ジョン(デヴィッド・ソーントン)/サラ(ヘザー・ウォールクィスト)/マーサ(ジェイミー・アン・オールマン)/看護師エスター(スターレッタ・デュポワ)

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映画『きみに読む物語』感想


第2次世界大戦前の17歳カップルの一夏の恋の行方を、ノートブックを元に語る老人とそれを聞く老婦人。

二組のカップルの重層構造の恋愛物語となっています。

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若い二人の魅力が際立っているからこそ、この映画は素晴らしい完成度を見せたと思います。

特にアリー役のレイチェル・マクアダムスは、二人の男性の間で揺れ動く優柔不断なキャラクターながら、憎めない愛らしさを表現して物語に、リアリティと深みをもたらしています。
そしてこのアリー役に魅力が無ければ、この映画は成立しないように思います。
<レイチェル・マクアダムスのオーディション映像>

なぜなら、この物語は注意深く見てみれば、例えば、白鳥が渡り鳥であるのに飛び立たないとか、アリーがノアと結ばれた時にも婚約指輪をしていたりとか、映像イメージとして、そこかしこに結合と別離がイリコ細工のようにちりばめられています。

これは二人の愛の不安定さを表していると考えれば、その不安定さを作り出している張本人のアリーが、それでも魅力的だからこそこの物語がリアリィティ―を持つと思うのです。

このように、常に彼女アリーは離れようとするベクトルを持って存在しています。

そしてまた、離れようとする引力が強ければ強いほど、彼氏のノアが全身全霊で彼女に働きかけ、繋ぎ留め、 努力し続ける事で、初めて継続する関係なのです。

この二人の恋物語、ひいては愛情物語は、この物語の最後まで、飽くなき不断の男性側、ノアの献身的アクションによるものです。
<オープニングシーン>

待つ女性のもとに漕ぎ寄せるボートの姿は、ひたすら働きかける男性のイメージ・・・・

この映画の恋が永遠の愛になったのであれば、それは運命だとか、赤い糸だとかの、神秘的な力でも、魔法の作用でも有りません

永遠の愛があるとすれば、それはお互いを繋ぎ留める現実的な努力、日々の不断ない積み重ねを、このノアが続けた結果だと思うのです。

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そうであれば、この映画の悲しくも、美しく、崇高なラスト、老いたカップルの姿は「愛の奇跡」のように見えますが・・・・・

これもまた人為的な働きかけによるものかもしれないとすれば・・・・・

私はこのご主人が選んだなら、認めるしかないという気がします・・・・・

皆さんはどうお考えでしょうか?

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映画『きみに読む物語』解説

実話紹介

インタビューで、原作者ニコラス・スパークスは、60年以上結婚していた実在の夫婦からインスピレーションを得たと語っています。

その実在のノアとアリーのモデルとは、スパークスの妻キャシーの祖父母でした。
原作者スパークスの結婚式の日、彼の妻キャシーの祖父母は、祖母の病気で残念ながら出席できませんでした。

それを悲しんだ妻は、サプライズで祖父母を訪問する計画を立て、結婚式の翌日タキシードとウェディングドレスを着て、花と結婚式のビデオ、ウェディングケーキを持ち祖父母の家を訪問します。

彼らは共に写真を撮り、幸福なひと時を過ごし、そこで年老いた夫婦はスパークスに彼らの恋愛と結婚の長い思い出話をしました。
その老夫婦の結婚の歴史を元に、小説『きみに読む物語』が書かれたと言います。

著者スパークス(写真)は語ります。
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「彼らの話は素晴らしかったが、その日以来、私が最も覚えているのは、彼らがお互いにどのように接していたかでした。彼が彼女を見るときのその目の輝き、彼が彼女の手を握る様子、彼が彼女に紅茶を入れ彼女に給仕した姿。彼らを見て、自分たち夫婦も60年の結婚後、彼等と同様お互いを愛し合うだろうと考えました。」
さらにスパークスは「彼らが私たちに示した、本当に素晴らしい贈り物だと思いました。結婚の初日に、私たちの真の愛が永遠に続くと示してくれました。」と話しています・・・・

そんな著者スパークスの感動が、永遠の愛を謳う小説『きみに読む物語』に結実しているのです。

また、『きみに読む物語』の続編として、主人公ノアが結婚30年の夫婦の危機を救うという小説『きみに読む物語 もう一つの愛の軌跡』を書いています。

その小説も、この時の老夫婦の印象が反映されているように感じました。
<小説あらすじ>
仕事一筋のウィルソンは56歳。29回目の結婚記念日を忘れるほど、妻に関心がなく、その夫婦生活に危機が訪れる。その破綻を前に、彼は妻の父ノアに相談をした。ノアはアリーとの愛にあふれた思い出を語り、真の愛について彼に説いた。ウィルソンは、ノアから愛を学び、30回目の結婚記念日を迎えた日、もう一度夫婦は恋に落ちた―




posted by ヒラヒ at 17:00| Comment(4) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは(ФωФ)ジーナ・ローランズさん❗出てらしたとは、、グロリアなら観なくては(笑)何かいい話みたいですね〜🎵
Posted by ともちん at 2016年09月28日 20:39
評価5.0とはなかなか高得点ですね!
昔観た様な気がするけど、どうだったかな?忘れました💦
高得点なので観てみたいです!
Posted by いごっそ612 at 2016年09月28日 20:44
>ともちんさん
ありがとうございます(^^)
ベッタベタのラブストーリーです(^^;
でも、ゴスリングがいじらしいんです・・・
あ、監督がジーナ・ローランズの息子ニック・カサヴェテスで、この人は「グロリア」を撮ったジョン・カサベテスの息子ですm(__)m
Posted by ヒラヒ・S at 2016年09月28日 20:56
>いごっそ612さん
恋愛モノですからね〜
私としても、あんまり最高点は付けませんが💦
この監督好きなんです「私の中のあなた」とか・・・・(^^)
Posted by ヒラヒ・S at 2016年09月28日 21:04
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