評価:★★★★ 4.0点
1962年の作品といいますから、昭和37年、東京オリンピックの2年前に公開された作品です。
この古い映画の一番の魅力は、図らずも、明るい未来を信じていた日本人の姿、高度成長期の時代の息吹か映り込んでいるところだと思うのです・・・・・・・
映画『私は2歳あらすじ』ストーリー
都内の団地に住むサラリーマン夫婦、小川五郎(船越英二)千代(山本富士子 )と長男・太郎(鈴木博雄)の一家の物語。核家族の夫婦は太郎を育てるのに悪戦苦闘しつつ、わが子の一挙手一投足に喜んだり哀しんだり怒ったり。成長していく中で怪我に、自家中毒、風邪等々、子育ての苦労は次から次ぎへと襲い掛かる。
そんなある日、五郎の兄が大阪に転勤になり、五郎の母親と同居する事になる。そして子育てと嫁姑問題のごたごたが発生するが、長男・太郎はすくすくと成長をする・・・・・・(1962年/日本/市川崑監督・和田夏十脚色・小林節雄撮影)
映画『私は2歳』予告
1962年度キネ旬第一位選出作品
映画『私は2歳』受賞歴
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映画『私は2歳あらすじ』感想・解説 |
育児本を原作にしているという事で、赤ちゃんが刺激に対してどう考えているかを、モノローグで語ってくれています。
実際この映画を見て子育てに役立ったかどうかは判らないですが、今、子育てをしてらっしゃる親御さん達が見れば、本当に我がことのように身につまされるのではないでしょうか?
この昭和の高度成長期に向かう時代が映し出されて、歴史資料としても面白いのではないかと感じました。
しかし、なんともう半世紀以上前の映画なんですねぇ・・・・・・・・・・・・
1962年のヒット曲/ザ・ピーナッツ「ふりむかないで」
結局、この2歳の赤ちゃんの親たちが右往左往しなければならないのは、団地住まいの核家族化が進み親に相談が出来なくなったためで、この原作の育児本のニーズも子育てに自信の無い核家族にあったと思われます。
この狭い団地で赤ちゃんを抱えて、助けもない専業主婦の苦労が偲ばれます。
しかし実際は当時の理想の進歩的な結婚生活が、ここで描かれた、新築の団地の家族水入らずの核家族生活だったのです。
つまりは姑と同居ではなく、夫婦と子供だけの水入らずの生活こそ、当時の新婚カップルの夢だったといいます。
そう思えばこの映画の家族は、今で言えば臨海の高層マンションを無理して買っちゃいましたという状況と同じかなと思います。
そういう意味では、この家族は当時の庶民の夢を描いた映画だったと思うのです。
けっきょくその夢は、夫の母の家に戻る事で消え去りますが、そこでは嫁・姑の子育ての衝突という、また別の子育ての苦労が語られるという事でなかなか巧く、当時の家庭の問題を提示できてると思います。
考えてみれば、1962年というのはTV放送は始まっていますが、TVの普及率は50%程度だったようですから、まだまだメジャーなメディアは「映画」だったのです。
1962年のTV「フジテレビ-オープニング・クロージング」
つまり、この映画は核家族で子育てに不安を持った新婚世代に向けた「ハウツー映画」であり、理想の生活を描いた「夢の映画」でもあったのでしょう。
言ってみればこの映画は、後のテレビの「お茶の間劇」の役割も持っていたように想像します。
テレビを見ながら、あの嫁がとか、姑だ、イヤダンナが何て家族で話したりする、あの感じです。
たぶん、もうすぐ結婚するカップルか、新婚のカップルが、この映画を見て夢を語ったり、ちょっとモメてみたり、映画館の中でたくさんの未来が踊っていたに違いありません。
そんな事を想像すると、この慎ましやかな家族の姿が、どこか愛おしいと感じるのは私だけでしょうか。
市川崑監督はこの家族に仮託して、戦後日本の庶民の足跡をこの映画にシッカリ刻み込んだように思います。
ここで描かれた時代の息吹は、日本のその後の高度成長に向けた希望を反映して、明るく朗らか描き出されているとかんじます。
それはやはり市川崑監督も明るい未来を感じ取っていたからこそ、その夢と希望が計らずも映り込んでしまったのではないでしょうか。
そんな夢を歌った橋幸夫・吉永小百合のデュエット曲「いつでも夢を」1962年
そんな時代を映す力が映画にあるとしたら、今現在作られている映画が、50年後の日本でどういう印象で語られるのか、少し怖い気がします。
この映画で見られるような、「明るい笑顔」なら良いのですが・・・・・・
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今の映画と違い昔の映画の方が重みがあった様な・・
時代ですね。
ありがとうございます(^^)
今も昔も嫁姑問題は有りますが・・昔は嫁が弱かったけど、今は嫁が強いという・・・・・可哀想なのは今のオバあチャン世代で、嫁の時には姑にいじめられ、姑になれば嫁にいじめられ・・・・可哀想としかいえない(TT)
ありがとうございます(^^)この当時は、日本映画界の黄金期でした。ほんとに、小品なんですけど、明るい夢が溢れた映画です。
日本人て、こんな明るい笑顔をしていたんだと気が付きました(^^)