2016年08月28日

『アンドレイ・ケルテス写真集』モノクロ−ム写真はファンタジーを謳う

写真家アンドレイ・ケルテス


評価:★★★★★  5.0点

アンドレ・ケルテス(Andre Kertesz/ハンガリー〜アメリカ/ 1894-1985)という写真家が捉えた光と影は、現実を映しながらファンタジーを生みだしたように感じられてなりません。andorei.jpg

私は、写真集を見るのが好きです。
特にモノクロ写真は、現実の持つ姿を異化することで、
より写真家の内面を反映する抽象化作用を持っている
ように思います。

考えてみれば、写真というのは不思議な表現で、そこ
に定着されたものは常に過去です。
その過去の形象は、写真の中で永遠に止め置かれますが、
それはどれほど現在の姿に近かろうとも現実ではないのです。

しかしそれは、現実の抜け殻、過去の残滓でありながら、
人の心に抜きがたい印象を、未来永劫に渡り生起せしめるはずです。

なぜなら、写真の持つ「過去の断片の永遠化」こそ、人の脳に刻み込まれる「記憶」と同じ作用だと思うのです。


anndorei0.png













卓越した絵画的な構成力が、美しい。
現実が持つ具象を歪ませることで、喪われる生命の運命を象徴するかのようです。


andorei2.jpg







この肩におかれた手の不穏さは何だろう。
この女性の未来を暗示するかのような禍々しさすら感じます。


andre-kertesz-budapest.jpg







ブタペストの夜。
ストロボに照らされた夜は非現実的な「幻想空間」のように見えます。


-Andre-Kertesz.jpg








雪の風景。
露出がとび気味ですが、
それが返って絵画的な詩的な
印象を生み出していると思います。


anndoresupu-nn.jpg









完璧な構図、白黒諧調の豊かさ、個人的に大好きな一枚。
たぶん写真を撮った後には、この皿とフォークはまるで違う形を取ったと思うのです。
ここには千変万化の現実の一瞬を切り取って、現実が永遠を持った瞬間であり、現実が非現実に変容した瞬間だと思います。
つまり、これはファンタジーが生まれた瞬間の記録です。



スポンサーリンク
posted by ヒラヒ at 01:08| Comment(4) | TrackBack(0) | 写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
珍しいっすね!2度更新の映画以外の記事!
色々と造詣が深い様で凄いです。
Posted by いごっそ612 at 2016年08月28日 06:40
>いごっそ612さん
スイマセン間違えて上げてしまいました。
AM11:00頃再度上げます。
Posted by ヒラヒ・S at 2016年08月28日 10:49
ちわ😃✋心霊写真がある、、、モノクロは綺麗ですね〜🙆

以上です💧😅
Posted by ともちん at 2016年08月28日 16:48
>ともちんさん
ありがとうございますm(__)m え!心霊写真?
あまり面白くなかったですかね〜(。。;
映画の画面の基礎に写真があると思うんですけど・・・・
Posted by ヒラヒ・S at 2016年08月28日 17:30
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック