2016年06月27日

映画『バーディ』ベトナム帰還兵の救済/あらすじ・感想・解説

アメリカ再生の祈り



評価:★★★★   4.0点

むかしむかし、この映画を名画座で見た時、最後に思わぬことが起こりました。さてナンでしょう?

ま〜それはそれとして、ベトナム帰還兵の苦悩と魂の救済を描いて、感動を呼ぶ一本です。
その苦悩と再生を、当時若手のニコラス・ケージ(ホントに若い、ロングヘアーのニコラスが見れる!)とマッシュー・モディインが鮮烈に演じて、説得力があります。

バーディあらすじ


鳥が大好きなバーディ(マッシュー・モディーン)と、ちょっとイケてる感じのアル(ニコラス・ケイジ)は高校時代からの親友です。そんな二人が、ベトナム戦争に従軍し共に負傷兵として帰国します。
バーディは、その戦争体験から精神に異常をきたし軍の精神病院に収監されています。
そんなバーディの治療の一環として、友達のアルなら効果があると思われて、病院長から招集されます。
一言も言葉を発しないバーディを前に、アルはバーディに高校時代の数々の思い出を語ります。
時には穏やかに、時には激しく・・・・・・・バーディの精神的異常は、アルにとっても他人事ではありません。
同じ体験をしたアルにとって見れば、バーディの姿は明日の自分かもしれないのです。
アルは友達を助けるため、自分を救うために、涙ながらにバーディに訴え続ます・・・・



バーディ感想・解説



この映画は、基本的にはベトナム帰還兵の苦悩を描いた物語です。
例えば、「帰郷」や「ディア・ハンター」、ハードな所では「タクシー・ドライバー」とか、「ランボー」だって、ベトナムから帰ってきた兵士達の傷の深さが、見る者の心を打ちます。
更に、ベトナム戦争自体の責任追及で言えば、社会派オリバー・リード監督の「7月4日に生まれて」なんて作品が思い浮かびます。

しかしこの作品は、そんなベトナム帰還兵を描きながら、反戦や帰還兵の苦しみの根源を追求するという、強い主張の映画ではないように感じました。
むしろ、ベトナム負傷兵の回復していく姿を通して、帰還兵が「救済」される姿を描いているように見えます。
それは大きな意味で、このベトナム戦争によって、病み、疲れた、アメリカ社会の象徴として、バーディとアルはこの物語に姿を現しているように思います。



さらに言えば、バーディはベトナムに向かう前から、今の自分ではない自由な存在に生まれ変わる事を夢見ていました。
それは、人間に興味のないバーディが「鳥」になる夢想をするという形で、映画内では語られます。

ここでバーディが人間社会に拒否感を持つ姿とは、そのまま国家組織が個人を駆り立て強制的に戦争に赴かせるという、当時のアメリカ合衆国政府に対する反対の意思表明だったと思います。
そして、同時に「鳥」という存在は、国境やイデオロギーを越えて好きなところに向かえる存在だと考えれば、まさに人間社会の檻を解き放ち自由に向かう象徴だったと言えないでしょうか。

このバーディの姿とは、ベトナム戦争に代表される人間社会に生まれた歪みは、敗戦という形で傷つき疲れ生死の境をさ迷った末にしか、再び自由に飛び立てないというメッセージのように思いました。

そういう意味でこの映画とは、ベトナム戦争によって傷ついたアメリカに対する「再生の祈り」を語った作品では無かったでしょうか。


あ、忘れてた――――

冒頭の答えですが・・・・映画が終わった後、スタンディングオベーションする外人さんがいまして、
つられて、日本人も拍手しだして、いつしか狭い映画館に手を叩く音が響き、どこか一体感が生まれたという事件があったんです。
ま〜そんな感動的な一本だということで。

ホワット?? つまらないオチで、ガッカリだって? 皆さん、そ〜おっしゃるんですか?

ダイジョーブです、この映画の見事なラストを見れば、そんな不満も吹っ飛びます。


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posted by ヒラヒ・S at 20:32| Comment(4) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!おお真面目路線( ̄▽ ̄)しかもマイブームのニコラス・ケイジ🎵戦争は人の心を破壊しますね・・・←カッコいい?映画館でのスタンディングオベーション(長いわ)は経験ありませんね〜でもいいですね!
Posted by ともちん at 2016年06月27日 20:56
>ともちんさん
ありがと〜ございます。ハゲテないニコラス・ケイジ貴重です!
これ、デビューして5年目ぐらいですから・・・・・でも、この映画のラストは見て欲しい(≧血≦;)
Posted by ヒラヒ・S at 2016年06月27日 21:14
いや〜この映画も知らない・・(-_-;)
でもかなりの名作の様ですね!ニコラス・ケイジが禿てないΣ(゚Д゚)
それは貴重ですね!是非見てみなくては!?
Posted by いごっそ612 at 2016年06月28日 06:28
>いごっそ612さん
ありがとうございます。この映画は、小品ながらうまくできた映画だと思います。
検索アクセス2000ですか・・・・・・衝撃的です。名前つけえ直して見ます。
Posted by ヒラヒ・S at 2016年06月28日 07:21
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