2021年12月26日

映画『エクソシスト』1973年オカルト映画の古典!再現ストーリー/詳しいあらすじ解説・ネタバレ・ラスト・評価受賞歴

映画『エクソシスト』詳しいあらすじ・ネタバレ 編

原題 The Exorcist
製作国 アメリカ
製作年 1973年
上映時間 122分
監督 ウィリアム・フリードキン
脚本 ウィリアム・ピーター・ブラッティ
原作 ウィリアム・ピーター・ブラッディ
製作 ロバート・ロッセン


評価:★★★★  4.0点

この映画は公開当時長蛇の列を生む大ヒットとなったが、同時に恐怖に耐え切れず失神者や、途中で映画館を出る者が続出し、ついには心臓麻痺による死者まで出た。

そのインパクトの強さは、キリスト教徒、特にカトリック教徒にとっては、モラルの崩壊を伴い、深刻なトラウマとなりかねない破壊力を持っていたのではないかと想像する。

その文化的な禁忌と呼ぶべき「オカルト現象」を、初めて映画ヴィジュアルとしてリアリティーを持って表現することに成功した、この『エクソシスト』は古典と呼ぶべき作品だと感じる。
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<目次>
映画『エクソシスト』詳しいしあらすじ
映画『エクソシスト』予告・出演者
映画『エクソシスト』受賞歴・
映画『エクソシスト』ネタバレ
映画『エクソシスト』ラスト

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映画『エクソシスト』詳しいあらすじ


exo_1.png北イラクの古代遺跡で、考古学者兼カトリックの神学者でもあるメリン神父(マックス・フォン・シドー)は、悪霊バスズの像を遺跡から発見した。
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衝撃を受けたメリン神父はアメリカに帰国することにし、その前にイラクの町を歩くうちに夕日に染まる古代遺跡で、不吉な予兆を覚え、来るべき悪魔との戦いを予感する。
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アメリカ合衆国ワシントン、女優クリス(エレン・バースタイン)は屋根裏で響く音に気が付いた。彼女はネズミの仕業かと疑ったが、それが怪異の始まりだった。
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クリスの娘リーガン(リンダ・ブレア)はもうすぐ12歳の誕生日を迎えようとしていたが、彼女は誕生日に連絡も無い父に落胆していた。
そんなリーガンも異常を口にするようになった。彼女のベッドが揺れてよく眠れないというのだ。
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そしてクリスが盛大なパーティを開いた夜、リーガン自身が異様な行動を取り始めた。
夢遊病に浮かされたように、客の1人に暴言を吐き、そのまま失禁した。
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その頃精神科医でもあるカトリック教会のカラス神父(ジェイソン・ミラー)は、老いた母を1人住まわせている事に呵責(かしゃく)を感じ、自らの職務にも疑問を持ち出していた。
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その数日後には、リーガンの叫び声に驚いたクリスが、娘の部屋に駆け込むと、そこでは彼女の寝たベッドが上下に激しく跳ね動いていた。
<ベッド・ジャンプシーン>

病院を頼ったクリスだったが、医師は脳の障害だと診断した。
しかし様々に検査を重ねてもリーガンの異常は見つからず、脳外科の医師は精神科医に治療を託した。
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その精神科医は、催眠状態のリーガンから彼女の内部に憑依した邪悪な存在を召喚し罵声を浴びせられ、股間を鷲掴みにされ悶絶した。襲った時の声は彼女のものではなく邪悪な悪霊の声だった。
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そんな時、映画監督のバーク・デニングス(ジャック・マッゴーラン)がリーガンと二人きりの状況で、クリス邸へと登る階段を転落し、首が背中を向く凄惨な状態で命を落とした。
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キンダーマン警部(リー・J・コッブ)は、それが悪魔的な信仰から生じたのかと、カトリック教会のカラス神父(ジェイソン・ミラー)を訪ねるが、カラス神父は取り合わなかった。キンダーマン警部はクリスとリーガンも疑い、その家を訪ねた。

カラス神父の母は、1人ニューヨークのアパートで死後発見された。
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神父は無力感に、やけ酒を飲み、親友のダイアー神父(ウィリアム・オマリー)に慰められた。

その頃にはリーガンの容貌も様変わりし、歪んだ顔に邪悪な笑いを浮かべ、神を冒涜し、卑猥な言葉を吐き出すようになった。
<神の冒涜シーン>
【意訳】悪魔:イエスめ犯してみろ!イエスめ犯してみろ!/クリス:それをよこしなさい!/悪魔:なめやがれ!なめやがれ!(クリスは投げ飛ばされる)悪魔:お前はわかってるのか?狡猾なお前の娘を!
時にリーガンの哀願の声が洩れるものの、すでにその体も行動も悪魔に支配され、ますます奇怪な行動を見せるようになった。

クリスは医者から、教会の”悪魔祓い”で治癒した人々もいると聞き、最後にカトリック教会のカラス神父を頼った。
しかしカラス神父は精神科医としてリーガンを見ると、悪霊の憑依には否定的だった。
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しかし実際にリーガンと面談したカラス神父も、彼女の中の悪魔を認めざるを得ず、悪魔祓いの儀式を大司教に願い出た。
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そして、教会は悪魔祓いの実績を持つメリン神父を呼び寄せ、その助手としてカラス神父を任命した。
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そして、2人の神父と悪魔との闘いが始まった―
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映画『エクソシスト』予告

映画『エクソシスト』出演者

リーガン・マクニール(リンダ・ブレア)/クリス・マクニール(エレン・バースティン)/デミアン・カラス神父(ジェイソン・ミラー)/ランカスター・メリン神父(マックス・フォン・シドー)/キンダーマン警部(リー・J・コッブ)/ジョセフ・“ジョー”・ダイアー神父(ウィリアム・オマリー)/シャロン・スペンサー(キティ・ウィン)/バーク・デニングズ(ジャック・マッゴーラン)/サミュエル・クライン医師(バートン・ヘイマン)/カール(ルドルフ・シュンドラー)/ウィリー(ジーナ・ペトルーシュカ)/タニー医師(ロバート・シモンズ)/チャック(ロン・フェーバー)/メアリー・カラス(バシリキ・マリアロス)/悪魔の声(マーセデス・マッケンブリッジ)
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映画『エクソシスト』評価・受賞歴


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映画『エクソシスト』評価

<アメリカ>
この映画は、アメリカで公開された当時、評価が二分した。
人々は映画館に押しかけ、大ブームとなったが、そのキリスト教的な倫理感に反するような、扇情的で、過激な表現が社会的に問題となった。

アメリカの映画評論の第一人者 ロジャー・エバートがその相反する評価を端的に示す論評を書いている。
(映画に4星を与え高い評価を与えた後に)人々がこの映画に求めるものを正確には分からない。確かに楽しみとは一つとは限らない。なぜなら、ここにはヴィンセント・プライス(往年の吸血鬼役者)の甘美な怖さのスリラーは無く、しかし生で苦痛な経験がある。人々はとてもしびれているが、彼等はそれを感じるためにこの強さの映画が必要だろうか?

個人的には、ローリングストーン誌のジョン・ランドーの評価、「宗教的なポルノ映画に過ぎない」というのが、当時の良識派が受けた衝撃の強さを表しているだろう。

しかしその評価は、映画の持つ「強い刺激」が時とともに薄まるにつれ、その価値を高く認められるようになった。

2010年米国議会図書館は、「文化的、歴史的、または美的に重要」であるとして、米国国立フィルム登録簿に保存した。
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<日本>
日本においては1974年に公開され、宗教的な背景が無い分映画批判は少なく、アメリカの前評判もあって大ヒットとなった(写真:丸の内松竹公開当時時)。
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当時の日本では『ノストラダムスの大予言』がヒットし、終末論が語られる中、映画が封切られるとやはり社会現象となり、オカルトブームが日本中を席巻した。
オカルトブームとは、かつて日本で発生した、心霊・UFO・宇宙人・UMA・終末論・超能力・超常現象・都市伝説等のオカルト中心に起こった流行・社会現象・ブームである。
1973年に『ノストラダムスの大予言』がヒットしてから1970年代に第一次ブームが起こり、テレビ番組の『あなたの知らない世界』矢追純一の『木曜スペシャル』『水曜スペシャル』内の『川口浩探検隊』やホラー映画『エクソシスト』、ネッシー、ツチノコ、ヒバゴン、ユリ・ゲラー(スプーン曲げ)、心霊写真、超古代文明、コックリさん、口裂け女、オリバーくん、甲府事件・介良事件等が話題になった。(wikipediaより)

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2021年現在の評価を映画サイトから紹介
Film2-GrenBar.png<日本>
Yahoo!映画・・・・・4.3/5、映画.com・・・・・3.5/5、allcinema・・・・・7/10、キネノート・・・・・74.9/100、ぴあ映画生活・・・・・70/100
<米国>
Rotten Tomatoes・・・・・83%、Metacritic・・・・・81%、Common Sense Media・・・・・4/5、IMDB・・・・・8/10

映画『エクソシスト』受賞歴

<1974年開催第46回アカデミー賞アカデミー賞>
最優秀賞受賞:脚色賞/音響賞
ノミネート:作品賞/監督賞(ウィリアム・フリードキン)/主演女優賞(エレン・バースティン)助演男優賞(ジェイソン・ミラー)/助演女優賞(リンダ・ブレア) /撮影賞/編集賞/美術賞
エクソシストは10部門にノミネートされ、最優秀作品賞にノミネートされた初のホラー映画だったが、主要賞(男優賞・女優賞・監督賞・作品賞)の受賞は叶わなかった。

リンダ・ブレアはオスカー受賞式で、プレゼンターを務めエクソシストに関して語っている。
ビリー・ディー・ウィリアムズ:僕は、多くの人々が尋ねたいことだと知ってて、そのチャンスだから聞くけど、君は自分でエクソシストを見たかい。/リンダ・ブレア:私は列に並ぶのがキライなの。(大ヒット映画で並んで見た)/ビリー・ディー・ウィリアムズ:冗談だろ。/リンダ・ブレア:私の中の悪魔が言わせたのね。(以下アニメーション短編映画賞の発表となる)
関連レビュー:オスカー受賞一覧
『アカデミー賞・歴代受賞年表』
栄光のアカデミー賞:作品賞・監督賞・男優賞・女優賞
授賞式の動画と作品解説のリンクがあります。
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<ゴールデングローブ賞>
最優秀賞受賞:受賞:作品賞(ドラマ部門)/監督賞(ウィリアム・フリードキン)/助演女優賞(リンダ・ブレア)/脚本賞(ウィリアム・ピーター・ブラッティ)
ノミネート:主演女優賞(エレン・バースティン)/助演男優賞(マックス・フォン・シドー)

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映画『エクソシスト』映画ランキング

<AFI(アメリカ映画協会)100年-100本ランキング>
アメリカ映画ベスト100のスリル –3位
アメリカ映画ベスト100人の英雄と悪役−悪役部門9位(リーガン・マクニール)
<その他>
1999年キネマ旬報選出『映画人が選ぶオールタイムベスト100 外国映画編』−94位
2008年雑誌エンパイア発表『史上最高の映画500本』−206位
2012年Yahoo!選定『死ぬ前に見るべき100本の映画』順不同
◎いろいろな『映画ベスト100』企画紹介
世界各国で選ばれた『ベスト映画ランキング』のリストを紹介!!!
映画界、映画ファン、映画評論家など、選定方法もさまざま!
日本映画も各リストでランクイン!
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以下の文章には

映画『エクソシスト』ネタバレ

があります。
(あらすじから続く)
メリンは聖書の言葉と、聖水で戦いを挑む。リーガンの中の悪魔は、苦し紛れに凄まじい言葉を撒き散らし、家を鳴動させ、家具は暴れ壁が割れた。激しい戦いに、メリンは持病の心臓発作に苦しむ。
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カラスは母を1人死なせてしまった後悔を、悪魔に抉られ平静を失い、メリンに言われ部屋を出た。
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そして再び闘いの場に戻る決心をしたカラス神父が、部屋の扉を開けた。

そこには死体となったメリン神父と、ベッドの上で邪悪な笑みを浮かべる悪魔の姿があった。
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怒りに我を忘れたカラスはリーガンをベッドから、引きずり落とすと、彼女を激しく殴りつける。
カラスは、悪魔め俺に乗り移るがいいと叫びながらなおも殴ると、その顔が突然、悪魔の顔に変貌した。
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そして、カラスは悪魔に支配されリーガンを襲いそうになるが、母かろうじて意思を保ち、リーガンの二階の部屋の窓からその身を投げ出すと、石段を転落してその命を終えた。
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しかし同時に悪魔もまた、滅び去ったのだった。
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映画『エクソシスト』結末

事件後、女優クリスはその忌まわしい家を後にしようとしていた。そこに、カラス神父の親友ダイアー神父が見送りに来る。
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娘のリーガンは事件の記憶が一切無いと言う。

クリス母娘の乗る車が、家を離れる。
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ダイアー神父は1人惨劇の家を離れた・・・・・
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posted by ヒラヒ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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