評価:★★★ 3.0点
決定的なのは、ヒッチコックに見えないんです・・・・・・
アンソニー・ホプキンスは、ど〜なの?
特殊メイクミエミエです。
もしかして英語の発声は、ヒッチコック・ソックリのしゃべり方とかしてたのかしら?
でもな〜ヒッチコックに見えない・・・・
ヒッチコック好きの私としては、大変興味深かったです。
「めまい」が興行収入が悪いって文句言われていたとか、ヒッチコクもソコソコ浮気してたとか(「ヒッチコックトリューフォ映画術」という本の中では浮気していないと書かれていたので信じてたのに・・・・・)、奥さんまで脚本家とイロイロ有ったとか。
じっさい映画のメインで描いているのは、サイコの撮影と公開までの期間で、ここもへぇ〜なトリビアネタがイッパイです。
サイコが映画会社(ハリウッド・メジャー)から企画として認められず、ヒッチコックが自腹を切っていたとか、サラ・マイルズというサイコに出いている女優が、大事な時期に妊娠をしてヒッチコックから嫌われていたとか、映画倫理委員会の横槍に対抗してこの映画を作り上げたとか、
サイコの初試写が散々な結果だったとか、奥さんが公私を含めてヒッチコックの仕事に多大な尽力をしていたとか、サイコのあのシャワーシーンで音楽を入れるか否かで揉めたとか・・・・・「そうなの〜」な情報がイッパイで、とっても興味深く見せて頂きました。
しかし、それは私がヒッチコック好きだから興味を持てたのであって、映画としての力がどうかと言われれば、「う〜ん」と考えてしまいます。
たぶんヒッチコックにさほど興味のない人だったら、なんかハッキリしない映画だと思うんじゃないでしょうか。
ホームドラマなのか、ハリウッドの内幕ものなのか、人間ドラマなのか・・・・・・
ま〜そんなこんなで、ヒッチコックに興味がなければ、ドラマとして優れているとは言いがたい作品です。
けっきょくこの映画のスタンスは、ヒッチコックという有名人にミンナ興味有るでしょ?という前提なのかなとも思います。
だから「ヒッチコックさんには、こんな事もあって、そんな事もあって」というゴシップを描けば、それでよしとしたということでしょうか。
たとえば、家族の確執だとか、芸術家の苦悩でも、ハリウッドの内幕暴露でも、何でもいいんですが、話の「核=テーマ」を置けばドラマとしての強さが出てよろしいかとも思うのですが、それだとゴシップ・ネタが弱くなりそうですし・・・・・・
そもそもヒッチコックの映画は「テーマ」を持たない事が、重要な要因でしたし・・・・・・
で、元に戻りますが、ヒッチコックに見えないんです・・・・・・
だから、そのゴシップネタもドッか嘘くさく見えちゃうし、映画としても弱いんです・・・・
よし!わかった!
映画自体を、ヒッチコック・ムービーとして撮り直そう。
浮気のシーンを「北北西に進路をとれ」のように、サラ・マイルズとの確執を「めまい」のように、倫理委員会との討論を「ダイヤルMを回せ」のように、ど〜ですスリルとサスペンスがイッパイの映画になりますよ。
ヒッチコック・ムービーには監督ヒッチコックが一瞬出てくるのが習わしですが、この映画に限ってはヒッチコックは全編に出ずっぱりです。
ま、ヒッチコックに見えないんですがね・・・・・・
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