原題 Paper moon 製作国 アメリカ 製作年 1973年 上映時間 103分 監督 ピーター・ボグダノヴィッチ 脚本 アルヴィン・サージェント 原作 ジョー・デイヴィッド・ブラウン |
評価:★★★ 3.0点
白黒の画面といい、詐欺を働きながら金を稼いだりする所といい、チャップリンの名作コメディー「キッド」を思い出しました。
子供を連れた「ロード・ゴーイング・ムービー」として評論家、一般ユーザーの双方から、大変評価の高い作品です。
映画『ペーパームーン』ストーリー・あらすじ |
葬儀が営まれているところに、モーゼ(ライアン・オニール)はやって来た。
彼と昔深い中にあった女性が、自動車事故で死んだのだ。
そこには、アディ(テイタム・オニール)という9つの娘がいた。
モーゼ(ライアン・オニール)は、牧師夫婦からアディの唯一の身寄り、ミズーリの叔母の家に届けるように頼まれた。
モーゼは同じ方向に旅立つと言ってしまった手前、いたしかたなく引き受けた。
まずモーゼは最初に、交通事故を起こした加害者側から、示談金200ドルを脅すように取り、その金で新車に買い替えた。
そして、アディに切符を買って、汽車でミズリーに向かえと言った。
しかし、アディはモーゼが手にした200ドルは、私のお金だと主張する。
そして、その金を寄越さなければ汽車に乗らないと主張した。
アディーはモーゼが実の父だと疑っていたのだ。
モーゼは、身に覚えが無いと、父親であることを否定する。
すると、アディーは「父親でなければ200ドルを返せ、返さないなら警察に訴える」と脅す。
モーゼは、200ドルで車を買ってしまった手前、アディーを車にのせミズリーに向かい走り出した。
そんなモーゼの商売は、聖書を詐欺まがいの手で売りつける事だった。
やがて、それを見ていたアディも、片棒を担ぐようになり、非凡な詐欺の才能を見せる。
<詐欺の手口>
そして、ニセモノの父娘コンビの詐欺は、相手の警戒心を緩ませ、稼ぎも順調に増えて行った。
2人の間で喧嘩は絶えないが、それでも少しづつ心が通い合うようになった。
そんな2人がカーニバルへ寄り、アディは「ペーパー・ムーン=紙の月」に座って記念写真を撮る。
モーゼに一緒に撮ろうと言ったのだが、彼は女性ストリッパーのミス・トリクシー・デライト(マデリーン・カーン)に夢中で、取り合わなかった。
そして、彼女と彼女の付き人イモジンという黒人少女が、旅の道連れになった。
最初は我慢していたものの、ついに抑えきれなくなったアディは、トリクシーと一緒なら旅はしないと、ストライキをしてまで抵抗した。
そしてアディーは、ある日泊まったモーテルで、トリクシーが別の男と浮気するように画策した。
その現場を見たモーゼは、トリクシーと別れて、また2人きりの旅に戻った。
トリクーシ―と旅している間、ほとんど稼がなかったモーゼは、酒の密造屋を相手に詐欺行為を働く事を計画した。
作戦は上手く行き、密造屋を出しぬき620ドルを巻き上げたかに思えたが、その騙した相手の弟が保安官で逮捕される。保安官事務所で、さんざん殴られ、厳しい尋問を受けているモーゼを、アディーの機転で逃げ出すことができた。
2人は途中車を乗り換えたりして、どうにかミズリー州にたどり着いた。
しかし、そこには保安官たちが待ち構えており、有り金全てを奪われてしまう。
傷つき落ち込むモーゼに、アディーはまた二人で聖書を売ろうと語りかける。
しかし、モーゼはある決心を固めていた・・・・・・・・・・
スポンサーリンク
映画『ペーパームーン』予告 |
映画『ペーパームーン』出演者 |
モーゼ・プレイ(ライアン・オニール)/アディ・ロギンス(テータム・オニール)/トリクシー・デライト(マデリーン・カーン)/ハーディン保安官(ジョン・ヒラーマン)/ジェス・ハーディン( 島香裕)/イモジン(P・J・ジョンソン)/フロイド(バートン・ギリアム)/オリー(ジェシー・リー・フルトン)/牧師(ジェームズ・N・ハレル)/牧師の妻(リラ・ウォーターズ)/ロバートソン(ノーブル・ウィリンガム)/駅長(ジャック・ソーンダース)/ウェイトレス(ジョディ・ウィルバー)/パール・モーガン(リズ・ロス)/法執行官(エド・リード)/リボン店の店員(ドロシー・プライス)/エドナ(ドロシー・フォースター)
映画『ペーパームーン』受賞歴 |
1974年開催・第46回アカデミー賞:助演女優賞テータム・オニール(史上最年少受賞)
プレゼンターはチャールズ・ブロンソンとその妻ジル・アイルランドで候補者を紹介
【意訳】私は私の監督ピーター・ボグダノビッチと私の父に全ての感謝を捧げます。ありがとう。
【祖父チャールズ・オニール・意訳】この子の祖父から感謝を、この子の父親からも感謝を、そしてもちろんテータムも感謝してます。
スポンサーリンク
以下の文章には 映画『ペーパームーン』ネタバレがあります。 |
(あらすじから)
全ての金を奪われたモーゼ。
彼はアディを、ミズリーの叔母の家に届けることにした。
叔母の家は、小ぎれいで、アディの夢だったピアノもあった。優しい叔母や叔父が、アディを暖かく迎えてくれる。
モーゼは1人、車に乗り込み煙草に火をつけた。
放心したように煙草をふかすモーゼ。
その手には、フェスティバルで撮った「ペーパームーン」の写真。
そこには、アディーからモーゼへと記されていた。
煙草も吸い終わり、車を発進しようとしたモーゼ。
その眼が、バックミラーに吸い寄せられた。
白い道を走るアディーが徐々に大きくなってくる。
映画『ペーパームーン』ラスト・シーン |
車から降りたモーゼが、アディーを待ち構える。
モーゼは帽子を叩きつけて怒った。
アディーは「モーゼ!まだ200ドル貸したままよ。」と返す。
その時、無人のトラックが動き出した。
それを見た2人は、慌てて車を追いかけた。
2人が乗った車の前には、白い道がどこまでも続いていた。
スポンサーリンク
【関連する記事】
- 映画『ピアノレッスン』美しく哀しい女性映画!再現ストーリー/詳しいあらすじ解説・..
- 映画『我等の生涯の最良の年』考察!本作の隠された主張とは?/復員兵ワイラー監督と..
- 映画『我等の生涯の最良の年』戦勝国米国のリアリズム!感想・解説/ワイラー監督の戦..
- 映画『シェーン』 1953年西部劇の古典は実話だった!/感想・解説・考察・スティ..
- オスカー受賞『我等の生涯の最良の年』1946年のアメリカ帰還兵のリアル!再現スト..
- 古典映画『チップス先生さようなら』(1939年)戦争に歪めれた教師物語とは?/感..
- 古典映画『チップス先生さようなら』1939年のハリーポッター!?再現ストーリー解..