2015年12月12日

映画「ワイルド7」

マンガの実写ってホントに見たいですか−3



評価:★      1.0点

これは、個人的に相当怒ってます!
瑛太と深田恭子の、役造型にプラス☆1。
唯一、この部分だけが原作の世界観を補足して力があると思いました。


これ以降この映画が、お好きな方はお読みになるとご不快に感じるかも知れません。ご注意下さい。

まず、映画として成立しているのかと言いたい!
ストリーも展開もいい加減だし、現実味のひとかけらも感じられない。
それでも、アクションに迫力があればまだ我慢もできる。
しかし、バイクアクションも銃撃戦もホントに哀しい・・・

特にカーアクションのロングで撮影したときのスカスカ感はなんだろう・・哀しい・・・寂しい

いろいろと規制はあるだろうし、現実的な問題も山積みかもしれない。
でも、「マッド・マックス」「スピード」「マトリックス」、そこまでいかなくても「TAXI」だって、もうみんな知っているし見ている。

その基準でこの映画を見て、このアクションを評価できますか?

日本映画にしては「よくやった」なんて言うカッコつきの評価は、失礼だと思うので言いません。
この映画のアクションは、世界標準に較べて圧倒的に迫力がないと個人的に感じました。

例えば、前に文句をつけた「るろうに剣心」ですら、アクションはこの映画よりずっと迫力がありました。

確かに、銃撃戦とカーアクションの蓄積は、チャンバラに較べて圧倒的に少ないという言い訳はあるでしょう。

では、聞きたい。

この映画「ワイルド7」を作った監督及びスタッフは、原作のマンガ「ワイルド7」を読んで、この世界を実写化したいという思いがあって撮影したんですよね?
だとしたら、この原作「ワイルド7」の持つ力が実写化によって雲散霧消してしまっているのはどういう事でしょう?

「ワイルド7」は傑作マンガです。
日本でアクションマンガを描かせたら第一人者だった、望月三起也先生の代表作です。
マンガにおいて、小銃と機関銃の着弾を描き分け、人体の着弾部位によって体がどう跳ねるかをシュミレーションする作家です。
ホントに「日本マンガ界の至宝」と呼ぶべき作品の一つなんです・・・・・・・ハリウッドアクションより華麗なアクションと世界観に満ちているんです。
原作のストリーのどの一編でも、この映画よりずっとマシです。
ウソだと思ったら読んでください。
ハリウッド映画の影響はもちろん、ポーランド映画、フィルムノワールのイメージまで豊穣で、華麗な世界が繰り広げられています。

なんで、実写の方がリアリティがないんですか?
ありえないでしょう?

このマンガ界の、日本の財産をこんなクオリティで「実写化」なんて冗談じゃない!

ハリウッドなんて、あんな子供だましの「アメ・コミ」ですら、アメリカ文化の一つとして敬意を持って「実写化」しているじゃないですか。

日本の映画界に、その「マンガ」に対する敬意がありますか?
「マンガ」を実写化してやるなんて、上から目線で作ってませんか?

ハッキリ言います!

日本のマンガは世界一です。

映画界はいい加減、気がついた方がいい。
「日本のマンガ界」に較べれば、今の「日本映画界」の表現力は、はるかに低いのです。
日本の映画界は「TVのおまけ」と「マンガの実写化」と「アニメ」で食ってるんでしょ?
食わせてもらって、映画界の方が偉そうにしちゃいけません。

これは、日本の映画界のためにも言いますが、真剣にマンガの持つ表現力、世界観の構築力を、学ぶべきです。
このままだと、「マンガ」の遺産を食いつぶして、「TVドラマ」の出来損ないしか作れなくなっちゃいますよ。

作家性でのみ評価されたとしても、残念ながら映画界全体の基礎体力の向上にはつながりません。
日本映画界は現状を、素直に反省すべきです。

そして、まだ間に合います・・・・・日本マンガとアニメが「世界制覇」を果たした理由を真摯に考えるべきです。

みなさんにお聞きします、こんな日本映画界の「マンガの実写をホントにみたいですか?」

関連レビュー「るろうに剣心」:http://hirahi1.seesaa.net/article/422465814.html

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posted by ヒラヒ at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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