2014年08月25日

法廷映画『レインメーカー』コッポラ監督の力/あらすじ・感想・解説・意味

面白いのになぁ・・・・オッカシいな〜



評価:★★★★ 4.0点

1997年フランシス・フォード・コッポラ監督作品。
原作ジョン・グリシャムの法廷小説の映画化。
題名の『レインメーカー』とは、雨が降るように大金を稼ぐ弁護士だとの意味が、映画内で語られています。

『レインメーカー』あらすじ


悪徳弁護士のブルーザー・ストーン(ミッキー・ローク)に雇われた、弁護士志望の青年ルーディ・ベイラー(マット・デイモン)。その事務所でルーディーはブルーザーの相棒のデック(ダニー・デヴィート)から、弁護士の悪辣な手法など、法律の実態を知ることになった。そんな時、夫から家庭内暴力の被害を受けているケリー・ライカー(クレア・デインズ)と出会い親しくなった。
そんな彼の元に、ドット・ブラック(メアリー・ケイ・プレイス)という、白血病の息子ダニー・レイ(ジョニー・ウィットワース)を抱えた母親からの依頼があった。息子の医療保険の支払いを拒否している、保険会社グレート・ベネフィット社を訴えたいという。ルーディは司法試験に合格し、デックとともに弁護士事務所を開き裁判に臨んだ。訴訟が始まり、会社側の凄腕の弁護士ドラモンド(ジョン・ヴォイト)は示談を狙い、さまざまに画策する。しかし担当判事が、人権派のタイロン・キプラー(ダニー・グローヴァー)となり、裁判にこぎつけた。新人弁護士のルーディーは苦戦する。
そんな時、ケリーはルーディの説得で離婚を決意するが、彼女の夫に襲われ殺してしまう。そしてケリーは逮捕された。
一方裁判は、会社が隠していた証人のジャッキー・レマンジック(ヴァージニア・マドセン)を探し出し、会社の支払拒否を証明するが、ドラモンドは証人が更生施設にいたことや上司と不倫関係だったと暴露され、振り出しに戻った。しかし、最後に社長のキリー(ロイ・シャイダー)が証人尋問の場に立った時、デックはキリーを追い詰めた。そして、いよいよ陪審員に裁判の行方は委ねられた・・・・・・

『レインメーカー』予告


(原題:The Rainmaker/製作年1997年/製作国アメリカ/上映時間 135分/監督・脚本フランシス・フォード・コッポラ/原作ジョン・グリシャム)


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『レインメーカー』感想・解説



当然期待しますよね?
絶対面白いはずだって。
大丈夫です。期待通り標準作以上の作品です・・・・・・・・が・・・・・

主人公をマット・ディモンが演じるというのもいい感じです。
地味ながら強い、地に足の着いた演技は、説得力十分。
それ以外のヒロイン、悪役の弁護士や保険会社社長など完璧な配役と、演技演出です。

ストーリーも若くして白血病で倒れた貧乏で善良な青年の敵討ちのため、全米を網羅する保険会社という大企業を敵に回し、弁護士になったばかりの若者が徒手空拳で戦いを挑む。弱い者が圧倒的な強者を倒すというのは、いつの世でもワクワクする設定です。
しかも法廷劇のダイゴミもタップリ織り込まれて、見る者を否が応でも引き込みます。

この映画の中で語られているように、アメリカには国の医療保険がありません。
個人個人が民間の保険会社と契約をしているため、医者にかかった時病院側が保険会社に治療してもいいかを確認したりします。
そんな、アメリカの医療保険制度の異常さをストーリーを通じて、しっかり問題提議してくれます。
また、彼に関わるヒロインも貧困層における基本的生活の困難さを表現し、ストーリーとテーマに深みと重みを加えています。

そしてもちろんラストは観客の望み通りの結果で喜ばせ、しかも現代社会を反映したちょっとした苦味を隠し味にして、見る者に余韻を与えてくれます。

どう見ても面白くないはずがない。
イヤ誤解されては困るんですが、面白いんです。

ホントに映画の教科書として使いたいぐらい、どこにもおかしなところもなければ、必要な事は全て表現してくれていて、見終わった後の充実感もあって。
正直、星5つで何の問題もないんですが・・・・・・

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『レインメーカー』評価



 それでも、やっぱり、☆4・0だナ〜

マイナス1は、申し訳ないんですが、ヤッパリ監督がコッポラさんなのにっていう、こっちの勝手な期待値が原因なんで、申し訳ありませんとしか言えないんですが、コッポラさんアナタはほんとにすごいモノ作っちゃったんだもん。

タイヘンだろうけど、それを越えてほしい!

実際、監督名を知らずに見てたら、間違いなく☆5つナンですけどね・・・

で、☆のマイナス分なんですけど・・・
ナンクセみたいなコト云います。
なんて言うか、この映画の全体から出る雰囲気みたいなものに、傑作の匂いがしないという・・・
ほんとイチャモンなんですが・・・

やっぱりでも映画ってソコ大事だと思うんです。
何か、期待した以上の物語に出くわすとか、想像した以上の熱気がスクリーンから吹き付けてきたり、そういうスゴいモノを予感させるタタズマイが感じられなかったんで・・・ほんとスイマセン。

でも、言ったついでに言葉を重ねれば、コッポラ監督は、この映画はほんとに撮りたい映画だったんだろうか?

コッポラ監督にとって、この医療保険の問題を今どうしても訴えたいという必然性を持っていたようにかんじられないという・・・もし、必然性があるのであれば、もうちょと熱気の感じられる映画になった気がします・・・

失礼しました。

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posted by ヒラヒ at 21:59| Comment(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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