2023年08月12日

オスカー映画『ピアノ・レッスン』女流監督の傑作女性映画は実話だった⁉/感想・解説・考察

原題 ROCKY
製作国 オーストラリア
製作年 1993年
上映時間 121分
監督 ジェーン・カンピオン
脚本 ジェーン・カンピオン


評価:★★★★  4.0



1993年公開のこの『ピアノ・レッスン』は、女流監督ジェーン・カンピオン の個人的な経験を含む、深い思いが込められた力作だと感じました。

この美しい映像で表現された物語は、女性が生きるという事に社会が強いてきた問題を、詳細に鋭く糾弾しています。
そのメッセージは、批評家と観客の心に響き、93年度のカンヌ映画祭パルム・ドール、アカデミー賞の他、多くの映画賞を獲得しました。
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<目次>
映画『ピアノ・レッスン』簡単あらすじ
映画『ピアノ・レッスン』感想
映画『ピアノ・レッスン』考察/ジェンダーとしてのピアノ
映画『ピアノ・レッスン』解説/母の実話

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映画『ピアノ・レッスン』あらすじ


19世紀半ば、スコットランドに住むエイダ(ホリー・ハンター)は娘フローラ(アンナ・パキン)と一台のピアノとともに、父の決めた結婚相手であるニュージーランドのスチュワート(サム・ニール)のもとに嫁いだ。エイダは言葉がしゃべれず、ピアノを弾く行為が彼女の言葉代わりだった。しかし、夫スチュアートはピアノをエイダが上陸した浜辺に置き去りにし、彼女が懇願しても運ぼうとしなかった。夫に代わって、そのピアノを運んだのは、マオリ族の入れ墨をを掘ったベインズ(ハーヴェイ・カイテル)だった。彼はスチュアートと交渉し、自分の土地とピアノを交換した。エイダは自分のピアノを勝手に処分した、夫の行動に怒ったが、夫は土地の方が大事だと取り合わなかった。そんなエイダにべインズは、ピアノを教えてくれればピアノを返すと提案する。ピアノを取り返すために、いやいやレッスンを始めたエイダだったが、べインズの目的はピアノのレッスンではなく、エイダ自身だった。べインズの求めはレッスンを重ねるにつれ、エスカレートし、それに刺激されエイダも彼に応じるようになる。その2人の関係はスチュワートに知られ、悲劇が起きるー
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映画『ピアノ・レッスン』予告

映画『ピアノ・レッスン』出演者

エイダ・マクグラス(ホリー・ハンター)/ジョージ・ベインズ(ハーヴェイ・カイテル)/アリスデア・スチュワート(サム・ニール)/フローラ・マクグラス(アンナ・パキン)/モラグおばさん(ケリー・ウォーカー)/ネッシー(ジュヌヴィエーヴ・レモン)/ヒラ (トゥンギア・ベイカー)/牧師 (イアン・ミューン)/船長役 (ピーター・デネット)/マナ (クリフ・カーティス)/エイダの父 (ジョージ・ボイル)/エンジェル (ローズ・マクアイバー/タフ(ミカ・ハカ)
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映画『ピアノ・レッスン』感想


この映画の映像と、テーマ曲の美しさに心打たれます。
それと同時に、押しつぶされるような空気感と、ヒリヒリするような痛みをも感じました。

本作を最初に見たのは、日本公開時の映画館で、その時の感想は、美しいけれども不思議なムードの「恋愛映画」という印象でした。
例えば『タイタニック』のような恋愛映画の王道を思い浮かべれば、この違和感は分かっていただけるのではないでしょうか・・・・・
関連レビュー:王道恋愛映画
『タイタニック』
世界一の興行収入記録を打ち建てた大ヒット作
レオナルド・デカプリオとケイト・ウィンスレットの恋愛劇

その印象は、恋人役のハーベイ・カイテルがむしろ悪役顔というのも、恋愛映画としてはいかがなものかと・・・・・
しかし、この映画を見た時に、最も印象に残ったのもハーベイ・カイテルの凄みのある佇まいで、個人的にはこの映画以来彼のファンなのですが・・・・
関連レビュー:悪役ハーベイ・カイテル
『天使にラブソングを』
ウーピー・ゴールドバーグ主演の痛快ゴスペル映画!
黒人白人の分断を埋める讃美歌の響き

いずれにせよ、恋愛映画としては、その曖昧なイメージのまま30年近く経ってしまったのです。
しかし、ある日この映画のテーマ曲を耳にして、やはりメロディーが美しいと感じ、この映画のビジュアルの美しさも思い起こされ、をもう一度しっかり見てみようと思ったのです。

しかし、再鑑賞をしたものの、やはり恋愛映画としての曖昧な印象は変わりませんでした。

やはり、本来「恋愛ドラマ」が持つ、恋愛相手との間に生まれるロマンチックな情緒や、恋の切なさが十分描かれているとは思えませんでした。

そもそも恋愛映画とは、恋愛に全人生を没入させる「恋愛至上主義」こそ、その本質であるはずです。
関連レビュー:ハリウッドの恋愛至上主義映画
『モロッコ』
マレーネ・デートリッヒとゲーリー・クーパーの大ヒット映画
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それから言えば、この映画ではセクシャルなエロスは感じても、恋愛感情が主体の物語が展開されているとは、どうしても思えないのです。

事実ストーリーを追えば、彼女を愛したベインズは、ヒロインのエイダが自分を愛さないと自覚し、彼女との関係を断ちます。
そしてその後、アイダがべインズに執着し始めているように見え、恋愛ドラマとしてはどこかチグハグに感じられます。

そんなことからも、この映画が指し示すのは男女の恋愛ではなく、別の解釈があるのではないかと思うようになりました。

別の解釈を探して、再度この映画を見た時に、ヒロインのエイダの「意思の強い女性が運命に果敢に立ち向かう姿」が、かつて一世を風靡した古典映画『風と共に去りぬ』のヒロイン、スカーレットにさえ重なって見えるようになりました。
関連レビュー:世界初の女性映画!?
『風と共に去りぬ』
映画史に燦然と輝くハリウッドを代表する古典大作!
歴史的傑作は、なぜ現代で批判されるのか?

個人的には、この映画はヒロインの生きざまを描いた「女性映画」として見るのが、最も収まりが良いと思います。

そう捉えたときに、初めてこの映画の各ピースが、見事にテーマに収れんしていくのです。

そう考えた理由を、以下の解説で書いてみましたので、ご確認いただければ幸いです・・・・・・
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映画『ピアノ・レッスン』解説

ピアノの意味するもの

個人的には、この映画を読み解くカギは、「ピアノ」にあると思います。

映画の原題『The Piano』は、無理に訳せば「そのピアノ」となり、それは「特定のピアノ」を指すものです。
この映画の中の「そのピアノ」とは、ヒロインのエイダを示していると個人的には考えています。

それはピアノという楽器そのものが、「女性性=ジェンダー」の象徴に他ならないと思えるからです。

あるピアニストはピアノという楽器を、西洋音楽の理論や体系を、正ににそのまま構造化したものであり、その音楽理念から逸脱することができない、いわば音楽メソッドの奴隷のような存在だと、言っていました。
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映画では、エイダは6歳ごろ自分の言葉を捨て、その代わりにピアノを言葉にしたと語られています。
それが意味するのは、彼女は幼少期から自分本来の言葉を話すのを止め、ピアノが表す「音楽メソッド=社会的規則=ジェンダー」に則った言葉を話すようになったのだと解釈しました。
エイダが流麗にピアノを弾く姿に、社会的規範に無意識に従う「ジェンダーの奴隷」の姿を見てしまったのです。

その証拠に、この映画のあらゆる要素は、虐げられる前時代の女性の記号で満ちています。
例えばエイダは、父の一存で、スコットランドから遠くニュージーランドの見知らぬ男に嫁がされます。
それは、家父長制の下、女性たちが家の財産として、恣意的に扱われたことを示しています。
ヒロインのエイダはシングルマザーであり、その娘の父はエイダから去って行ったと語られています。

それは、女性が社会的に求めらる「産む性」として存在し、更にその加重な子育てを課される「母」であることを示しています。

そんなエイダを迎えた夫のスチュワートは、最初彼女にピアノを与える事すら許しませんし、更に土地と引き換えにそのピアノを第三者に与え、家族なんだ協力しろと怒鳴ります。
それは、社会がエイダに押し付けた言葉「ピアノ=ジェンダー」すら認めないという、夫スチュワートの傲慢であり、更には妻としてその「ジェンダー」を切り売りしろと求めていることを示しています。

また、劇中でのスチュワートは、決して悪い人間として描かれてはいませんが、しかし善良な彼が妻に求めたのは、自らの欲望を果たすための娼婦としてのエイダだったと思えます。

「ジェンダー=良き妻、良き母」としての自分に価値を見ず、その欲望のはけ口としてのみ自分を見る、そんな家父長的な夫をエイダが愛せなかったのも当然でしょう・・・・・・
しかしエイダは、劇中のもう一人の男性ベインズによって、真の自分を発見するのです。

このべインズのキャラクターも、周到に配置された、効果的な人物だと感じました。

まずは、このべインズが、「白人=文明人=征服者」でありながら、ニュージーランド原住民マオリ族と同化しているという点です。
それが意味するのは、彼が「文明」という名の「征服のための道具」を捨て、より自然に近い存在に変化を望んだ存在だという事です。
そんなべインズの姿は「文明=ジェンダー」が、人間が生まれながらにして持つ本質ではないと、気付いた結果だと思えます。
それゆえ彼は、最初「ピアノを弾くエイダ=ジェンダーとしてのエイダ」に惹かれたものの、時と共に「エイダ自身=エイダ本来の人格」を求めるようになり、それはエイダの「肉体=生得的な自然物」を求めたことで表されています。
生まれながらの自分を愛してくれる、べインズに巡り合ったことで「ジェンダーとしての自分」から、「本来の自分」になれる事を知りエイダは生まれ変わったと言えるでしょう。

翻って見れば、女性たちが自らの価値を問い直すときに、性的欲望の肯定が叫ばれてはいなかったでしょうか?

関連レビュー:性の解放宣言
映画『エマニエル夫人』
1974年のソフトポルノ解禁と性革命
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エイダはそんな自らの欲望を肯定し、ジェンダーから自由になった時、ジェンダーの象徴であるピアノを捨てる決意をするのも、自然な行動でしょう。

しかし、そのピアノを海に投入しようとした時、起きたことこそ『ピアノ=ジェンダー』がどれほどエイダを支配し、縛って来たかを象徴するシーンに他なりません。

いずれにしてもエイダは、ジェンダーから自由になり、自分の言葉を話し始めたと、この映画では語られていると思います。

実はカンピオン監督のインタビューを聞くと、この映画のジェンダーとそこからの解放を描いた物語には、モデルとなった人物がいたようで、その点を下で書かせていただきます。
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映画『ピアノ・レッスン』考察

映画のモデル



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2023年06月17日

雑誌マリ・クレール2023年発表!『史上最高の映画ベスト100:絶対見るべき映画』/恋愛・コメディー・ドラマなど各ジャンルの名作紹介!!

2023年発表!雑誌マリ・クレールが選ぶ『史上最高の映画ベスト100:絶対見るべき映画』リスト!!!


今回紹介する映画リストは、日本でも2009年まで発刊されていた女性雑誌『マリ・クレール』が発表した映画ベスト100リストです。

第二次世界大戦前の、1937 年にフランスで生まれた雑誌マリ・クレールは、女性にファッションを含めた文化を発信することで、世界的なメディアに成長し、現在でも広い年代の女性読者の支持を受けています。

リストは最新作も含めて、恋愛映画、ホラー映画など、ジャンルごとのおすすめが選ばれ、女性目線に立った作品がリストになっているように思います。

それでは最初に、リスト冒頭の言葉をご紹介。

film1-Blu-sita.jpgmacr_100.pngFilm2-GrenBar.png
ポップコーンが跳ね、スウェットパンツを履けば、最高の夜です。あなたの次の課題は、入手可能な最高の映画のうち、何が今夜見る映画なのかを正しく把握することです。あなたが、ロマンティック コメディであれ、殺人ミステリーであれ、悲しい映画であれ、素晴らしいミュージカル映画であれ、どんなものを探していても、選んだジャンルの最初に見るべき映画がたくさんあります (しかし、おそらく最後にはならない)。

私たちマリ・クレールの映画愛好家は、素晴らしい映画を選ぶのにどれだけ時間が必要か熟知しているため、我々が皆さんのためにその仕事をしました。私たちは映画ランキング、批評家レビュー、賞候補作を徹底的に調査し、ポップ カルチャーファンに話を聞いて、このな重要な必見映画のリストを作成しました。もちろん、スティーブン・スピルバーグ、スタンリー・キューブリック、アルフレッド・ヒッチコックなどの象徴的な監督の映画に加えて、カサブランカやサウンド オブミュージックなどの著名な名作も、このリストに含まれていると期待してください。 しかし、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』や『ゲット・アウト』のような現代の傑作も同様の秀作であり、このリストに含んでいます

以下の必見の映画は、現代の古典、最高の中の最高のもの、必要不可欠な映画で、おそらく何百万人もの人々は、あなたが初めてこれを見ることに嫉妬するでしょう。それらは複数の国、言語、そして数十年に渡ります。(おまけ: 知っておくべき事実と、それぞれの映画が「最高」とみなされる正確な理由もわかります。) そして、これらの映画を選出すること自体がとても困難な作業であるため、このリストに順位を付けないことにしました。あなたは自由に、あなた自身の好みによってこのリストの順位を決めてください。作品名が無い場合でも、あまり激しく怒鳴らないでください。結局のところ、このような主観的なリストは議論となります。早速、順不同で、史上最高の映画を紹介します。
原文=”https://www.marieclaire.com/culture/g2509/movies-to-watch-before-30/
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2023年発表!雑誌マリ・クレールが選ぶ『史上最高の映画ベスト100:絶対見るべき映画』リスト


という事で、いよいよベスト100をご紹介!
当ブログで記事にした映画にはリンクが貼ってありますので、良かったらお読みください。

◎当リストのBGMに『スター誕生』のテーマソングはいかが?
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史上最高のロマンス映画(The Best Romance Movies of All Time)


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ロマンス映画にはあなたが常に(たいていは)期待することがいくつかあります。恋愛物語(当たり前)、魅力的な主人公たち。そしてハッピーエンド――普通なら。真実の愛がそこにあると思い出させる必要があるかもしれません。または、パートナーに本当の恋愛がどのようなものかを示す必要があるかもしれません。このリストにある映画の中には、面白いものもあれば、究極の悲しい恋愛映画もありますが、これらすべての恋愛映画には共通点が 1 つあります:それは、確実にあなたの琴線に触れ、愛を、もう一度、信じさせてくれるということです。Film2-GrenBar.pngカサブランカ (1942 マイケル・カーティス)
君に読む物語 (2004 ニック・カサベテス)
タイタニック (1997ジェームス・キャメロン)
スター誕生(2018 ブラッドリー・クーパー)
恋人までの距離(ディスタンス)(1995 リチャード・リンクレーター)
ユー・ガット・メール (1998 ノーラ・エフロン)
花様年華 (2000 ウォン・カーウァイ)
ローマの休日 (1953 ウィリアム・ワイラー)
シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦〜花嫁は僕の胸に(1995 アディティヤ・チョープラー)
恋人たちの予感 (1989 ロブ・ライナー)
ラブ・ジョーンズ (1997テオドール・ウィッチャー)
プリンセス・ブライド・ストーリー (1987 ロブ・ライナー)
世界にひとつのプレイブック (2012デヴィッド・O・ラッセル)
エターナル・サンシャイン (2004 ミシェル・ゴンドリー)
赤い薔薇ソースの伝説 (1992 アルフォンソ・アラウ)
プライドと偏見 (2005 ジョー・ライト)
ムーラン・ルージュ (2001 バズ・ラーマン)
燃ゆる女の肖像 (2019 セリーヌ・シアマ)
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史上最高のコメディー映画(The Best Comedy Movies of All Time)


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時として、私たちは少し元気をもらいたいことがあり、そのためには、あなたを笑わせる楽しい映画を見るのが良い方法でしょう。これらのコメディ映画は、ジョークや非常識な状況の登場人物を通して、あなたの夜に少しの軽快さをもたらしてくれることを保証します。コメディ映画は、一般的に普遍的に共感できるストーリーを備えているため、たまには自からを笑っても大丈夫だと思い出させてくれます。 Film2-GrenBar.png
フェリスはある朝突然に (1986 ジョン・ヒューズ)
ミーン・ガールズ(2004 マーク・ウォーターズ)
クルーレス (1995エイミー・ヘッカーリング )
ヒズ・ガール・フライデー(1940ハワード・ホークス)
お熱いのがお好き (1959 ビリー・ワイルダー)
モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル (1975 テリー・ギリアム、 テリー・ジョーンズ)
ウェディング・パーティー (2016 ケミ・アデティバ)
ヒース・レジャーの恋のからさわぎ (1999 ジル・ジュンガー)
ビッグ・リボウスキ (1998 ジョエル・コーエン)
スパイダーマン:スパイダーバース (2018 ホアキン・ドス・サントス、 ジャスティン・K・トンプソン、 ケンプ・パワーズ)
キューティ・ブロンド (2001 ロバート・ルケティック)
星の王子 ニューヨークへ行く (1988 ジョン・ランディス)
ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン (2011 ポール・フェイグ)
ブレックファスト・クラブ(1985 ジョン・ヒューズ)
ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密 (2019 ライアン・ジョンソン)
殺人ゲームへの招待(1985 ジョナサン・リン)
恋はデジャ・ブ (1993ハロルド・レイミス)
バック・トゥ・ザ・フューチャー (1985 ロバート・ゼメキス)
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最高の古典映画(Best Classic Movies)


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ジャンルから区別して、私たちは「古典映画」を、それぞれのジャンルを永遠に変えた種類の映画として定義します。このリストにある映画に精通していれば、通俗的なポップカルチャーファンとは一線を画す、映画マニアへの道を歩むことができます。我々の本の中で、映画が古典となるためには、その映画が公開されてから数年が経過し(リストのこれらの映画はすべて 1990 年より前に公開されたものです)、広く愛されており、大きな文化的影響を与えている必要があります。以下の古典的な映画はすべてこれらのチェック欄にチェックが入っています。Film2-GrenBar.png理由なき反抗 (1955ニコラス・レイ)
レーズン・イン・ザ・サン(1961ダニエル・ペトリ)
カルメン (1954 オットー・プレミンジャー)
アラバマ物語 (1962 ロバート・マリガン)
明日に向って撃て! (1969ジョージ・ロイ・ヒル)
十二人の怒れる男 (1957 シドニー・ルメット)
ロッキー (1976 ジョン・G・アヴィルドセン)
ゴッドファーザー(1972フランシス・フォード・コッポラ)
ジョーズ (1975 スティーヴン・スピルバーグ)
ドゥ・ザ・ライト・シング (1989 スパイク・リー)
バック・トゥ・ザ・フューチャー (1985 ロバート・ゼメキス)
サウンド・オブ・ミュージック (1965 ロバート・ワイズ)
カッコーの巣の上で(1975 ‎ミロス・フォアマン)
卒業 (1967 マイク・ニコルズ)
ロッキー・ホラー・ショー (1975ジム・シャーマン)
オズの魔法使 (1939 ヴィクター・フレミング)
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史上最高のホラー映画とスリラー映画(The Best Scary Movies and Thriller Movies of All Time)


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ホラーやスリラー映画は、他のジャンルの映画にはない特別なものを私たちに与え、私たちを恐怖に陥れます。クレイジーだと思う人もいるかもしれないが、映画を通じて恐怖、恐怖、期待感を感じるのは、他では味わえないアドレナリンラッシュです。これらの古典的なホラー映画やスリラーには、忘れられない心理的恐怖はもちろん、最も恐ろしい生き物、殺人者、飛び上がるような恐怖演出(Jump Scare)などが登場します。これを見たら就寝時に電気をつけっぱなしにしたくなるはずです。Film2-GrenBar.pngエクソシスト (1973 ウィリアム・フリードキン)
パラサイト 半地下の家族 (2019 ポン・ジュノ)
シャイニング (1980 スタンリー・キューブリック)
プロミシング・ヤング・ウーマン (2020 エメラルド・フェネル)
2001年宇宙の旅 (1968スタンリー・キューブリック)
アナイアレイション -全滅領域- (2018 アレックス・ガーランド)
裏窓 (1954 アルフレッド・ヒッチコック)
ブラックパンサー (2018 ライアン・クーグラー)
ジュラシック・パーク (1993 スティーブン・スピルバーグ)
ヘザース/ベロニカの熱い日 (1988 マイケル・レーマン)
新感染 ファイナル・エクスプレス(2016 ヨン・サンホ)
サイコ (1960 アルフレッド・ヒッチコック)
キャリー (1976 ブライアン・デ・パルマ)
ゲット・アウト (2017 ジョーダン・ピール)
NOPE/ノープ (2022ジョーダン・ピール)
羊たちの沈黙 (1991 ジョナサン・デミ)
ダークナイト (2008 クリストファー・ノーラン)
セブン (1995 デヴィッド・フィンチャー)
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史上最高のドラマチック映画(The Best Scary Movies and Thriller Movies of All Time)


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ドラマ ジャンルに分類される映画は、まさにその名前が示すとおり、ドラマチックです。ドラマとみなされる映画のリストは長く、多岐にわたります。時代劇、ティーンドラマ、戦争映画、女子会向けの映画、伝記映画など、あらゆるものがドラマのカテゴリに分類されますが、それらに共通しているのは、感情的に動かされるキャラクターとたくさんの葛藤です。 Film2-GrenBar.png
ライフ・イズ・ビューティフル (1997 ロベルト・ベニーニ)
エリン・ブロコビッチ (2001 スティーヴン・ソダーバーグ)
いまを生きる (1989 ピーター・ウィアー)
シンドラーのリスト (1993 スティーヴン・スピルバーグ)
ミナリ(2020 リー・アイザック・チョン)
フェアウェル (2019 ルル・ワン)
レディ・バード (2017 グレタ・ガーウィグ)
トゥルーマン・ショー (1998 ピーター・ウィアー)
ムーンライト (2016 バリー・ジェンキンス)
自由への旅立ち (1991 ジュリー・ダッシュ)
別離 (2011 アスガル・ファルハーディー)
her/世界でひとつの彼女 (2013 スパイク・ジョーンズ)
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 (2019 グレタ・ガーウィグ)
ブロークバック・マウンテン (2005 アン・リー)
グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (1997 ガス・ヴァン・サント)
ショーシャンクの空に(1994 フランク・ダラボン)
ホワイト・クリスマス (1954 マイケル・カーティス)
ウエスト・サイド・ストーリー (1961 ジェローム・ロビンズ、 ロバート・ワイズ)
ウォールフラワー (2012 スティーヴン・チョボスキー)
ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ (2017 マイケル・ショウォルター)
ROMA/ローマ (2018 アルフォンソ・キュアロン)
パディントン2 (2017 ポール・キング)
千と千尋の神隠し (2001 宮崎駿)
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス (2022 ダン・クワン、 ダニエル・シャイナート)
トレインスポッティング (1996ダニー・ボイル)
フォレスト・ガンプ/一期一会(1991 ロバート・ゼメキス)
フルートベール駅で (2013 ライアン・クーグラー)
ヘイト・ユー・ギブ (2018 ジョージ・ティルマンJr.)
パルプ・フィクション (1994 クエンティン・タランティーノ)
プライベート・ライアン (1998 スティーヴン・スピルバーグ)
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2023年05月27日

映画『ピアノレッスン』美しく哀しい女性映画!再現ストーリー/詳しいあらすじ解説・ネタバレ・ラスト・評価

映画『ピアノ・レッスン』詳しいあらすじ・ネタバレ 編

原題 The Piano
製作国 オーストラリア
製作年 1993年
上映時間 121分
監督 ジェーン・カンピオン
脚本 ジェーン・カンピオン


評価:★★★★  4.0点

この映画は公開当時、高い評価を得て数々の賞に輝きました。

口のきけないヒロインとマオリ族に同化した恋人との恋の行方を描きます。

その美しい映像と、流麗なテーマ曲に彩られた本作品は、女性であれば一見の価値がある「女性映画」だと思います。
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<目次>
映画『ピアノ・レッスン』詳しいしあらすじ
映画『ピアノ・レッスン』予告・出演者
映画『ピアノ・レッスン』受賞歴
映画『ピアノ・レッスン』ネタバレ
映画『ピアノ・レッスン』ラスト

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映画『ピアノ・レッスン』詳しいあらすじ


piano_rogo.png6歳の頃から自ら話す事をやめたエイダ(ホリー・ハンター)は指の隙間から、1852年のスコットランド見ていた。彼女は、ピアノを言葉代わりとし、自らのもとから去った恋人との間にできた、一人娘のフローラ(アンナ・パキン)と共に暮らしていた。
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ある日父親の決めた縁談に従い、娘と共にニュージーランドの入植民であるスチュアート()の下に嫁ぐ。
荒波を超え、二人はニュージーランドの浜辺にピアノと共に上陸する。嵐の中エイダは浜辺で、一夜を明かす。
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翌日、ようやく夫スチュアートと、マオリ原住民をまとめるべインズ()が迎えに来るが、夫はエイダがピアノを一緒に運んで欲しいと頼んでも、重いピアノは置き去りにされた。
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悪路をマオリ族に荷物を運ばせ、家へようやく到着する。スチュアートの親族に迎えられて、大雨が降る中、ウエディングドレスを着たエイダは結婚写真を撮る。
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スチュアートが不在の時、エイダはフローラを連れベインズの自宅を訪ね、浜辺のピアノの運搬を頼む。べインズが断ると、エイダはべインズの家の前に座り込んだ。
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家から出たベインズは、二人に再び「無理だ連れて行けない」と告げたが、じっと見つめる二人に根負けし、浜辺へと二人を連れて行った。
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久々にピアノを前にしエイダはその鍵盤をたたき続けた。娘フローラもそのメロディーに合わせ時に踊った。それをべインズは見つめていた。
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エイダは家に戻るとテーブルに鍵盤を彫り、それを弾いた。

ベインズはスチュアートに、自分が持つマオリの土地をピアノと交換したいと持ち掛ける。但し、ピアノと同時にエイダからレッスンを受けたいと言った。
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お前がピアノを弾きたいとはと笑ったスチュアートだったが、欲に負けて交換を受け入れた。
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それを知ったエイダはスチュアートに怒りをぶつけたが、スチュワートは我々は家族だ、犠牲を払えと怒鳴られると従うしかなかった。
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一方べインズはピアノ自宅へ運び入れ調律までしてエイダの来る日を待った。そこに、いやいやレッスンに赴いたエイダが現れた。
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しかし調律済みのピアノを前にすると、たちまちピアノ演奏に夢中になった。べインズはそんなエイダを見つめ続け、自らはピアノに触れようとはしなかった。
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そして、ある雨の日のレッスン、ピアノを弾くエイダを熱く見つめるべインズは、意を決したようにエイダの首筋へ背後からキスをする。
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怒るエイダにべインズは、ピアノを返してほしくないかと問いかける。触れることを許してくれれば、ピアノを返すと持ち掛ける。エイダは1レッスン黒い鍵盤分返すならと受け入れる。
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エイダとベインズのレッスンは、二人だけの秘密の時間になり、娘フローラは家の外で待たされる事になった。
回を追うごとにべインズの要求はエスカレートして行き、ある時はピアノの下でエイダの足に触れ、ある日はエイダに下着姿でピアノを弾かせ、その体に触れた。
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そしてある日、べインズはエイダをベッドに寝かせ、その体にキスをした。しかしエイダは、その体を許すことはなく、べインズの家を後にした。
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そんな時、教会で青髭の劇が上演され、娘のフローラも出演することとなった。エイダと夫スチュアートも観劇に訪れ、そこにべインズも現れた。
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しかし、エイダが夫と手を握りあっているのを見て、怒り帰って行った。劇は、青髭の女性殺害が本当に行われていると思ったマリオ族の乱入で、大混乱に陥った。
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次のレッスンの日、べインズは全裸になりピアノの黒鍵10個で、エイダとベッドを共にすることを求めた。そしてエイダもそれに応じ、二人は裸の体を重ねた。
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それを娘フローラに覗き見られているのを、二人は知らなかった。フローラは、エイダの行為を木を相手に再現し、それをまねてマオリの子もともに遊び始めた。
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そこに通りかかった、スチュアートは恥ずかしいことをするなと止め、罰として抱き着いた木を洗わせた。フローラはスチュアートに、母のピアノレッスンの話をし、ピアノを弾かない日もあると言った。
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翌日のレッスン日、エイダがべインズの家に向かうと、ピアノがマオリ族の手によって、彼の家から運び出されるところだった。驚くエイダに、べインズはピアノを返すと告げた。
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彼は疲れた顔で、「君を娼婦に出来ない。君に自分を好きになって欲しかった。でも無理だ。」と言い、帰るように言った。
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ピアノが帰って来たことを知った夫スチュアートは、べインズの家に行き、なぜピアノを返すのかと問いかけたが、土地を返さなくて良いと言われると不思議がりながらも受け入れた。
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ピアノが帰って来たと言うのにエイダに喜びの表情はなく、ピアノも弾かず物思いに耽るようになった。
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そしてある日、娘フローラが必死に引き留めるのも聞かず、エイダはベインズの家に向かい走った。
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エイダはべインズに家のドアを開いたが、彼は焦燥した顔を歪ませ、失恋で病み、食事も摂れない、自分を愛してないなら出て行ってくれとドアを開けた。
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それを聞いたエイダは、べインズを平手打ちし、何度も何度も手を上げた。そして動きを止めると、抱き着き口づけを交わし、二人はベッドでお互いの体を重ねた。べインズとエイダは翌日会う約束をした。
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そんな二人は、夫スチュアートが覗き見ているのを知らなかった。
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翌日エイダはべインズとの約束を守り彼の家へと向かう。しかし、スチュアートはその途中の森で待ち伏せ、彼女に襲い掛かかった。
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そこに娘フローラが来てスチュアートは、エイダをレイプするのを諦めた。しかしスチュワートは、家の玄関も窓も板を打ちつけ、エイダを家に幽閉した。
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映画『ピアノ・レッスン』予告

映画『ピアノ・レッスン』出演者

エイダ・マクグラス(ホリー・ハンター)/ジョージ・ベインズ(ハーヴェイ・カイテル)/アリスデア・スチュワート(サム・ニール)/フローラ・マクグラス(アンナ・パキン)/モラグおばさん(ケリー・ウォーカー)/ネッシー(ジュヌヴィエーヴ・レモン)/ヒラ (トゥンギア・ベイカー)/牧師 (イアン・ミューン)/船長役 (ピーター・デネット)/マナ (クリフ・カーティス)/エイダの父 (ジョージ・ボイル)/エンジェル (ローズ・マクアイバー/タフ(ミカ・ハカ)
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映画『ピアノ・レッスン』評価・受賞歴


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映画『ピアノ・レッスン』評価

この映画は高い評価を公開当時より受け、アカデミー賞を獲得したほか、数々の賞を獲得しています。
また、批評的にも高い評価を受け、その結果「映画ベスト100」など映画リストにも数多く選出されています。
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映画『ピアノ・レッスン』受賞歴

第66回アカデミー:主演女優賞、助演女優賞、脚本賞
カンヌ国際映画祭:パルム・ドール、女優賞
セザール賞:外国語映画賞
オーストラリア映画協会賞:作品賞、監督賞、主演女優賞、主演男優賞、撮影賞、衣装デザイン賞、編集賞、作曲賞、美術賞、脚本賞、音響賞
英国アカデミー賞:主演女優賞、衣装デザイン賞、美術賞
ゴールデングローブ賞:主演女優賞(ドラマ部門)
インディペンデント・スピリット賞:外国語映画賞
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関連レビュー:オスカー受賞一覧
『アカデミー賞・歴代受賞年表』
栄光のアカデミー賞:作品賞・監督賞・男優賞・女優賞
授賞式の動画と作品解説のリンクがあります。
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映画『ピアノ・レッスン』ランクイン映画リスト紹介

2022年英国映画協会(BFI)選出『映画監督が選ぶ史上最高の映画べスト100』・・・・・53位
2022年版英国映画協会(BFI)選出『史上最高の映画ベスト100』・・・・・50位
1999年キネマ旬報選出『映画人が選ぶオールタイムベスト100 外国映画編』・・・・・26位
2018年・米「Time Out」誌発表『俳優が選んだ史上最高の映画ベスト100』・・・・・85位
2020年・米情報発信会社”スタッカー”発表『映画史からの記念碑的映画110本とあなたがそれを見るべき理由』順不同
1999年・米「ローリングストーン」誌発表『100年間の反逆者の映画ベスト100』・・・・・81位
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関連レビュー
◎いろいろな『映画ベスト100』企画紹介

世界各国で選ばれた『ベスト映画ランキング』のリストを紹介!!!
映画界、映画ファン、映画評論家など、選定方法もさまざま!
日本映画も各リストでランクイン!
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映画『ピアノ・レッスン』2022年時点の映画サイト評価

<日本>
Yahoo!映画 -・・・・・3.7/5、アマゾン・・・・・4.1/5、Filmarks・・・・・3.6/5、映画.com・・・・・3.9/5、allcinema・・・・・7/10、キネノート・・・・・74.1/100
<米国>
Rotten Tomatoes・・・・・90%、Metacritic・・・・89%、IMDB・・・・・7.5/10
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以下の文章には

映画『ピアノ・レッスン』ネタバレ

があります。
(あらすじから続く)
ある夜エイダはスチュワートのベッドに行き、その体に触れ夫を満足させたが、夫が彼女の身体に触れることは許さなかった。
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そんな事が続いたある朝、夫スチュワートは打ちつけていた板を自ら剥がすと、エイダに「君を信じている。信じていいか?」と問う。
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エイダが頷くのを見て、「いつか俺を好きになってくれるだろう」と呟き、仕事へと出て行った。

しかし、夫が家を出ると、エイダはピアノの白鍵を一本抜き取り「ベインズ私の心はあなたのものよ、エイダ」と彫ると、ベインズの下に届けるよう娘フローラに言った。
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フローラは嫌がったが、エイダに強く命じられ家を出たものの、娘はべインズの家には行かず、それをスチュアートへと渡した。
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中身を見たスチュワートは激怒して家に帰ると、斧を振るい扉を壊し、豪雨の中にエイダを引きずり出した。
エイダの不実を責め、「あいつが好きなのか?」と叫ぶ。
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そして、スチュワートは斧を振りかざすと、娘フローラが絶叫する中、エイダの指を一本切り落とした。
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驚いたように跳ね上がったエイダの体は、数歩歩むと、芯が抜けたように泥の中に座り込んだ。
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スチュワートは、切り落とした指をハンカチに包むと、フローラに持たせベインズの家に走らせた。泣きながらベインズに指を渡した娘フローラ。
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事態を悟ったベインズは、「スチュワートを今すぐ殺してやりたい」と怒るが、フローラは母の指が全てなくなるから来ないでと泣いて、思い止まらせた。

スチュアートは熱に浮かされ意識がないエイダを看病していたが、その体に覆いかぶさり抱こうとする。
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しかしエイダが目を覚まし、夫を見つめると、スチュワートもそれ以上の行為を止めた。

その夜スチュアートはベインズの家に乗り込むと、ベッドで寝るべインズの頭に銃を突き付け、エイダと共にこの地から去れと告げた。
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映画『ピアノ・レッスン』結末

エイダと娘フローラは、ベインズと共に船に乗りその地を離れた。
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船が海原に漕ぎ出すとエイダはピアノは壊れているから捨ててほしいと、べインズに言った。
べインズは止めようとするが、エイダは強硬だった。
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エイダは自ら捨てようと手を伸ばしたため、彼も折れピアノを投棄した。
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ピアノが海に投入され、そのロープも一緒に海に引き込まれていく。刹那エイダはピアノを結んだロープに自ら足を踏み入れた。
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そして、ピアノと共に眠るように海深く沈んで行く。深い海の中へどこまでも沈んで行った。
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しかし目を開いたエイダは、体をもがかせロープに絡んだ靴を脱ぎ棄てると、水上へとその体を飛び出させた。
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その後、新たな地に移り住んだエイダは、ベインズによって義指を贈られた。
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エイダは声を出す練習を始め、ピアノ教師の生活を始めた。
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今でもピアノと共に沈む自分を見るのだった。
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最後にトーマス・ホッドの『沈黙』の一節が語られる。
音のなかったところ、沈黙がある(There is a silence where hath been no sound)
音のないところ、冷たい墓の中、深い深い海の下にも多分沈黙がある。(There is a silence where no sound may be,In the cold grave−under the deep, deep sea,)



posted by ヒラヒ at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする