2020年08月10日

映画『ホワイトハンターブラックハート』巨匠ジョン・ヒューストンの実話を描くイーストウッド監督作品/感想・解説・考察・簡単あらすじ

映画『ホワイトハンター ブラックハート』感想・解説・評価 編

原題 White Hunter Black Heart
製作国 アメリカ
製作年 1990年
上映時間 112分
監督 クリント・イーストウッド
脚本 ピーター・ヴィアテル、ジェームズ・ブリッジス、バート・ケネディ
原作 ピーター・ヴィアテル

評価:★★    2.0点



クリント・イーストウッド監督・主演の、伝説のハリウッド監督ジョン・ヒューストンを描いた映画です。

イーストウッド監督が、同じアイルランド系の尊敬する大監督を描いたこの映画という事で、期待感は高かったのです。

しかし、どうもハッキリしません・・・・・
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<目次>
映画『ホワイトハンター ブラックハート』簡単あらすじ
映画『ホワイトハンター ブラックハート』予告・出演者
映画『ホワイトハンター ブラックハート』感想
映画『ホワイトハンター ブラックハート』解説/ジョン・ヒューストンの欲望と大混乱のロケ

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映画『ホワイトハンター ブラックハート』簡単あらすじ


1950年代ハリウッド映画監督ジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド)は巨額の負債を抱えながらも、プロデューサーのランダース(ジョージ・ズンザ)と映画撮影で揉めていた。それでも脚本家ピート・ヴェリル(ジョフ・フェイ)と共にストーリーを練り、アフリカ・ロケに旅立ったのは、象ハンティングがしたかったからだ。それゆえ先行ロケハンでアフリカに着いても現地の狩猟ガイド、ライサー(エドワード・チューダー・ポール)と共に象撃ちに行ってしまい、撮影準備は遅々として進まない。ついに脚本も完成しないままキャスト、そしてランダースが到着した。しかしウィルソンの望みは、まだ像撃ちにあった・・・・・・
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映画『ホワイトハンター ブラックハート』予告

映画『ホワイトハンター ブラックハート』出演者

ジョン・ウィルソン(クリント・イーストウッド)/ピート・ヴェリル(ジェフ・フェイヒー)/ポール・ランダース(ジョージ・ズンザ)/ラルフ・ロックハート(アラン・アームストロング)/ケイ・ギブソン(マリサ・ベレンソン)

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映画『ホワイトハンター ブラックハート』感想


今や大監督となったイーストウッド監督作品です。

しかし彼の作品でいえば『ミスティック・リバー』『許されざる者』『スペース・カウボーイ』『マディソン郡の橋』『ミリオンダラー・ベイビー』なんてタイトルが浮かびますが、こうやって思い浮かべてみると、ほんとにバラエティーに富んでいると思いませんか?
アメリカ映画:1995年
映画『ミスティック・リバー』
クリントイーストウッド監督が描く3人の少年
小さな事件が起こす大きな波紋

アメリカ映画:1992年
イーストウッド監督『許されざる者』
クリント・イーストウッド監督のアカデミー受賞作
西部劇の解体と再構築を描いた作品

アメリカ映画:1997年
『スペース・カウボーイ』
ハリウッド黄金期を思わせる「宇宙西部劇」
クリント・イーストウッドが製作・監督・主演

アメリカ映画:2004年
『ミリオンダラーベイビー』
クリント・イーストウッド監督のオスカー受賞作
女性ボクサーの栄光と生命の尊厳

アメリカ映画:1995年
映画『マディソン郡の橋』
クリントイーストウッド監督の切ない不倫劇
メリルストリープ主演の永遠の「恋」

更に言えば、映画的な手法も多岐にわたっていますし、たぶん、映画の主題に合わせて、撮り方を変えているのだろうと想像します。

そんな、アカデミー賞の最優秀監督賞に輝く、イーストウッド作品ということで期待は高まりますが―

どうもハッキリしません・・・・・

この作品は、どちらかといえば抑えた文学的な描き方ですから、『ミスティック・リバー』や『ミリオンダラーベイビー』のような哲学的な主題を持った作品なのかなとも思うのですが・・・・・
しかし、いまひとつ伝わってこないという・・・・・

さすがに6回も見た日には、自分の読解力のなさに絶望しました。
とりあえずナンカ書けば整理できるかもというのが、この文章の趣旨です。

お暇な方はお付き合いを・・・・・・

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映画『ホワイトハンター ブラックハート』解説

映画『アフリカの女王』とは?

まずは混乱の元凶となったハリウッドの伝説の大監督、この映画のモデルになった「ジョン・ヒューストン」のご紹介です。

ジョン・ヒューストン(本名: John Marcellus Huston, 1906年8月5日 - 1987年8月28日)は、アイルランド系アメリカ人映画監督・脚本家・俳優。名優ウォルター・ヒューストンを父に持つ。放浪の後31年の「北海の漁火」で脚本家デビュー、41年「マルタの鷹」で初監督。フィルム・ノワールのハード・ボイルド演出が評価され監督としての名声を高める。48年「黄金」でアカデミー監督賞と脚本賞を、51年「アフリカの女王」で作品賞を受賞。俳優として「チャイナタウン」、「テンタクルズ」などに出演。5人の女性と結婚(最後の妻はイヴリン・キース)しいずれも離婚。長女アンジェリカは女優、長男ダニーは監督、次男トニーは脚本家。jyon-huston.jpg


実際ジョン・ヒューストンという人はメチャクチャな人だったようで、何せ5回結婚しているというだけで、私なんかは禁治産者にしか思えないですが。
そのメチャクチャな人が撮った映画ならば、その『アフリカの女王』はオオコケしたに違いないと想像しました。


ところが!!映画『アフリカの女王』は公開当時、興行的にも批評的にも高い評価を得た作品でした。

当時の2大スター、ハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘプバーンの主演で、大々的なアフリカロケと、当時としてはまだ新鮮だった総天然色(フルカラー)の作品で、ラブ・コメとアクションが融合したユニークな作品でした。
関連レビュー:ストーリーと公開時の評価
『アフリカの女王』
1951年のハリウッドの大ヒット映画の再現ストーリー
アフリカを舞台にカ ップルの冒険を痛快に描く
この映画で、ハンフリー・ボガートは唯一のオスカーを獲得しています。

そんなことで映画自体は成功を収めたのですがこの映画の撮影は実際、メチャクチャだったらしいです。
主演のキャサリン・ヘプバーンは、後にその恨みつらみを『アフリカの女王と私』という暴露本で書いたほどです。
関連レビュー:映画撮影の舞台裏
『アフリカの女王』
映画の裏で起きた、疫病と象狩りと大混乱とは?
名監督ジョン・ヒューストンの隠された欲望。

監督の象狩りの情熱のせいで、出演者とスタッフのほぼ全員が赤痢など病気になってしまうというのですから、カワイそうな話ですが・・・・

この映画では、あまり触れられていないですが、実は2大スターの舞台裏のドタバタも興味深いものが有ります・・・・・

映画がもしコケていたら、監督ジョン・ヒューストンは殺されかねない、混乱振りなのでした。
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映画『ホワイトハンター ブラックハート』考察


しかし、この監督ジョン・ヒューストン。
個人的には、ま〜ちょっと、お付き合いはし兼ねる人なんです・・・・・
借金しまくるは、気に食わなきゃ喧嘩するわ、自分の遊び「像撃ち」を優先して映画の仕事を打っちゃるわ、挙句の果てに現地の狩猟ガイドを不幸にするわ・・・・・blackhunter4.gif
ま〜ここまで周りを振り回して、好き勝手やり放題、こうみれば、絶対コメディー映画が相応しいようです。

じっさい「アフリカの女王」のプロデューサーなんてジョン・ヒューストンに嘘つかれて、オチョクられて、何一つ信じられなくて、撮影は始まらないわ、金はなくなるわ、可哀想すぎて笑っちゃいます。

しかしあくまで文学的な語り口なのです。

しかしまたこんなジョン・ヒューストンですが、人種差別を許せない高潔の人でも有ります。blackhurt1.jpg
人種差別的な言動や行動を見聞きすれば、相手が女性だろうと、大男だろうと、自分が血まみれになっても、とことん戦います。頑固なアイルランド人気質をもって、これだけ偉大な作品を世に残した監督です、心の中には正義や熱い血潮がたぎっていたに違いありません。
そんな側面をメインに描けば、理想と現実の相克に格闘する、どこか男っぽい活劇ドラマになったようにも思います。

しかしあくまで文学的な語り口なのです。

たとえば「像狩は犯罪ではない、それはもっと悪い、神に背く罪だ」なんて支離滅裂なことを言ったりします。
bulackhurt.jpeg見境なく金を使いまくったり、危険を好んでメチャクチャな行動をするところなど、そうとう破滅的な性癖を持っている方だったようです、これはすでに精神疾患の傾向が見られるとすら思えます。
最後に起きる悲劇も含めて、そんな局面を強調すれば、心理サスペンのドラマにも仕立てられそうです。

でも、くどいんですけど・・・・・
あくまで文学的な語り口なのです。

つまり、上のようにイロイロな語り口は考えられるのですが、クリント・イーストウッド監督はそうしなかったんです。
その理由を考えるに、あるドラマパターンに組み入れれば「劇的な力=ドラマ性」が高くなるのは間違いないですが、逆にドラマで強調された側面以外は喪われてしまう危険があります。

しかし、実際一人の人間は理想的だったり、破滅的だったり、攻撃的だったり、楽天的だったり、自堕落だったり、エロチックだったり、酒に酔ってたりしますよね。
とても一つの側面を強調するだけで、その人を表現したなどと言えるものではないでしょう。
つまり通常の映画なり劇なりでは、その物語の『主題=テーマ』を表す為にキャラクターの一側面を誇張・歪曲しているといえないでしょうか。

当然クリント・イーストウッドも何本も名作を撮った人ですから、割り切ればそういう描き方もできたはずです。
でも、そうしなかったのは同じアイルランド系の「尊敬する大先輩」の、全人格を誠実に描こうと努力したためだろうと思います。
そして、そのためには、その人物全ての要素をできうる限り忠実に客観的に描く方法として、この映画の表現、文学的なスタイルに落ち着いたのでしょう。

そういう意味では、この映画の捕らえどころの無さは、人というものの万華鏡のような変化であるかもしれません。
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映画『ホワイトハンター ブラックハート』評価


上の考察から考えれば、この映画を失敗というのも酷かとも思いますが・・・・
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正直オモシロクないので高い評価は付けられません・・・・ト・・・・・書いてきて・・・・・・書いてみると、いろいろ見えてくるもので・・・・・・
実を言えば、この映画をもっと面白くできたのに、クリント・イーストウッドが重大な誤りを犯したことに気がついてしまいました。

その失敗とは、自ら主役=ジョン・ヒューストンを演じてしまったことです。
実際クリント・イーストウッドは暗すぎる・・・・こんな陰鬱な顔で好き勝手な事をされても、同情できません。
jyonnhyu-suton2.jpgこういうジョン・ヒューストンのような
破滅型の人物は、カリスマ的なオーラで
周囲がほっとけなくなるような、輝く明
るさを持っていなければ、社会的に抹殺
されるはずです。


クリント・イーストウッドはいい役者ですし、独特のオーラはありますが、残念ながら太陽のような輝くカリスマ性はありません。

例えば、ブラッド・ピットが演じたとしたら、レオナルド・デカプリオが演じたら、と想像したりします・・・・・・

明るい陽性の笑顔があれば、この主人公の行動に観客が好意的な印象を持ったと思うのですが・・・・・・いかがでしょうか。



posted by ヒラヒ・S at 17:00| Comment(4) | TrackBack(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月08日

映画『昼下がりの情事』1957年オードリー・ヘップバーンのラブ・コメ!再現ストーリー/詳しいあらすじ・ネタバレ・ラスト・感想

情事の生まれた事情

原題 Love in the Afternoon
製作国 アメリカ
製作年 1957
上映時間 130分
監督 ビリー・ワイルダー
脚本 ビリー・ワイルダー
I・A・L・ダイアモンド
原作 クロード・アネ

評価:★★★  3.0



この意味深なタイトルに、ダイジョウブなのと心配しつつ見てみました。

そこは1957年のハリウッド映画、清潔で公序良俗に則った、よく出来たロマンチック・コメディーです。

今見れば、オードリーの28歳の年齢の美しさが際立ち、脚本の見事さとビリーワイルダー監督の洗練された演出力が光る作品なです。

しかし、個人的には・・・・・・高い点を付けられませんでした・・・・・・・
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<目次>
映画『昼下がりの情事』詳しいあらすじ
映画『昼下がりの情事』予告・出演者
映画『昼下がりの情事』感想
映画『昼下がりの情事』ネタバレ
映画『昼下がりの情事』結末

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映画『昼下がりの情事』あらすじ


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パリ。私立探偵クロード・シャヴァッス(モーリス・シュヴァリエ)は、浮気調査をこなしていた。彼の元に新たな依頼人]氏(ジョン・マッギーバー)が尋ねてきて、アメリカの億万長者フラナガン(ゲイリー・クーパー)とX氏夫人の浮気を調べて欲しいと言うのだ。
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探偵クロードはしっかり2人が密会する現場を写真で押さえ、2人の浮気は間違いないとの調査結果を依頼人に伝えた。
依頼人X氏はフラナガンを殺すと宣言し、事務所を出てフラナガンの泊まるホテル・リッツに向かった。
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これを、シャヴァッスの娘アリアーヌ(オードリー・ヘップバーン)が盗み聞いていた。彼女はこっそり父の調査記録を読み、恋をすると何が起こるかに興味津々だったのだ。
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アリアーヌは事件発生を防ごうとホテルに電話しフラナガンとの通話ができず、警察にも事件発生の恐れを伝えたが取り合ってもらえない。仕方なく、ついフラナガンの泊まるホテル・リッツへ足を向けてみると、X氏がピストルをポケットに忍ばせ部屋の前にいた。それを見たアリアーヌは、バルコニーを伝いフラナガンの部屋に入っていった。
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アリアーヌは事情を話すと、急いでX氏夫人をバルコニーより逃がし、とっさに自分が浮気相手に成りすました。
部屋に入ったX氏は、拍子抜けしたように侘びを言い去っていった。
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危機を救われたフラナガンは、アリアーヌに興味を示し、明日の夜にはパリを立つが、その前に彼女とディナーを食べようと誘惑した。
クラッシク音楽のチェロ奏者を目指すアリアーヌは、学んでいるコンセルヴァトワール(パリ国立高等音楽院)の授業があり、午後なら時間があった。
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フラナガンはそれなら午後待っていると誘惑すると、アリアーヌは彼の女遊びを指摘し、あなたは悪い人だから来ないと言った。
しかし彼は、明日来て確かめて欲しいと語り「さよなら、おやせさん」と送り出した

翌日アリアーヌは、プレーボーイのフラナガンのゴシップ記事を読み、デートなどありえないと断りの手紙を書く。
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しかしその足は結局ホテルに向かってしまった。シャンパンを飲み、パリでフラナガンに付き従うジプシー楽団の流麗な音楽が流れる中、チークダンスを踊り、その一夜アリアーヌは初めての恋に落ちた。
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フラナガンは名前を尋ね、財布に書かれた頭文字「A」から名前を上げるが、彼女は答えない。
そして、フラナガンがパリを出発する時が迫り、ホテル前でタクシーに乗り込むフラナガンに別れを告げるアリアーヌ。
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フラナガンは「さよなら、おやせさん」とホテルを去った。
しかし、車が見えなくなりチェロを抱えて帰るアリアーヌの後ろ姿は悲しげで、それからは抜け殻のように暮らした。
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アリアーヌは、フラナガンが引き起こす女性スキャンダルを、ゴシップ紙で追い一年が経った。
ある日、アリアーヌがオペラの『トリスタンとイゾルデ』の観劇に行くと、そこでフラナガンを発見した。
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アリアーヌはロビーで待ち伏せ、偶然の再会を装い話かける。最初フラナガンは思い出せなかったが、最後には「おやせさん」と記憶を呼び起こした。
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彼らは再びデートするようになった。日々の交際で、アリアーヌは父の預かった毛皮をまとい、父親の浮気記録にあった恋愛事例の数々を、自らの経験として話して聞かせた。
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それを聞くフラナガンは、彼女が語る男たちに嫉妬を感じ、アリアーヌに真剣に成り始める。さらに、フラナガンはアリアーヌにとって順位をつければ20番目の交際相手だと聞き、更に彼女に入れ込むことになった。
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そしてフラナガンは、ついにアリアーヌ語る男達を無視できなくなった。
サウナで偶然出会ったX氏から浮気調査ならシャヴァッスに頼めと薦められた。
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映画『昼下がりの情事』予告

映画『愛情物語』出演者

フランク・フラナガン(ゲイリー・クーパー)/アリアーヌ・シャヴァス(オードリー・ヘプバーン)/クロード・シャヴァス(モーリス・シュヴァリエ)/X氏 (ジョン・マッギーバー)/ルー・シャーウッド(ジェームズ・ウィットモア)/レオ・ライスマン(ラリー・キーティング)

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映画『昼下がりの情事』感想・評価


この映画は、ユーモア―とロマンスのバランスも良く、名匠ビリー・ワイルダー監督が上手く「ラブ・コメディー」としてまとめていると感じます。

その脚本のシチュエーション・コメディーとしての緻密さと、おしゃれなセリフ、そしてオードリーヘップバーンの美しさは何にも変えがたい魅力が有ります。

が個人的には・・・・・正直、今一つという感想です。

見て頂ければわかるかと思いますが、今の若者からすれば、これは恋愛劇として成立していないのではないかと危ぶみます。

一つの理由は、ハリウッドの大スターとはいえ、その全盛期を知らない人々からすれば、そのスターのオーラを感じられないという実例を、この映画のゲーリー・クーパーに見るからです。

念のため、平成生まれの男女10名ほどに確認しましたが、圧倒的にこの映画のゲーリー・クーパーの印象は「老人」というモノでした。

残念ながら、名優ゲーリー・クーパーと言えども、どう「ヒイキ目」に見ても、この映画の彼はオードリー・ヘップバーンが恋焦がれる存在としてのリアリティーを持っていないと思えます。

たぶん、若き日の美しいゲーリークーパーを知っていた、公開当時の人々にはまだそのスター性を発揮し得たのかも知れません。
<若き日のゲーリー・クーパー>
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そういう意味では、スター性とは同時代を生きた者同士が共有し、築き上げていくものかもしれないと思ったりします。
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左から:ジョン・トラボルタ、クリント・イーストウッド、ロバート・レッドフォード、ヒュー・グラント

たとえば私は、上の俳優陣で行けば、ジョン・トラボルタやクリント・イーストウッドならば、オードリーの恋の相手としても納得できるのは、彼らの全盛期を知っているためかもしれないと思ったりします・・・・・・・

勿論、ゲーリー・クーパーの「スター力」は、上の4人を束にしても、足元にも及ばないほどの人気を誇り、若い頃は天下の二枚目と言われたのです。

そして、演技派としても高い評価を受けており、年を経るにつれ、重いテーマを堂々と表現できる素晴らしい存在感を見せた名優です。

たとえば、この『昼下がりの情事』の一年前。
カンヌ映画祭でパルム・ドールに輝いたウィリアム・ワイラー監督の『友情ある説得』に出て説得力のある演技を見せています。
<『友情ある説得』予告>

また個人的には『コルドラの道』という、ロバート・ロッセン監督の1959年の映画でも、ヒューマニズムに溢れた素晴らしい演技を見せていると思いました。
<『コルドラの道』予告>

見る人によって、この映画のゲーリー・クーパーがどう観えるかは違うと思いますが、しかし私には恋愛映画の恋愛対象としてはミス・キャストだと感じたのでした。

クーパーさん・・・・・失礼ながら・・・・・・これには出なくとも良かったのではないかと・・・・・

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以下の文章には

映画『昼下がりの情事』ネタバレ

があります。
(あらすじから)
フラナガンはシャヴァッスに調査を依頼するため、事務所を訪れた。シャヴァッスは話を聞くうちにフラナガンの恋敵の男達は、全て自分が調査した事件の男達だと気付いた。
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そして、フラナガンが夢中になっている相手が、我が娘アリアーヌだと知る。

シャヴァッスはホテル・リッツにフラナガンを訪ね、彼の相手が娘アリアーヌである事を告げ、その語る内容は全て嘘だと話した。
更にシャヴァッスはアリアーヌは純情な娘で、遊び相手には相応しくなく、傷つけないでやってくれと訴える。
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フラナガンにしても、深刻な関係になりたくないだろうと説得し、パリを離れてほしいと懇願した。そして、アリアーヌは小魚だから川に放してやってくれと言い去った。

それを受けて、アリアーヌがホテルを訪れた時には、フラナガンは荷造りを済ませていた。
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ショックを隠し、アリアーヌは恋に慣れた女を演じ駅のホームで見送った。
そして、列車の発車の時間となりフランガンは走り出す列車に乗り込んだ。
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アリアーヌは併走しながら、私には19人の恋人がいて、あなたは20番目でと涙ながらに語る。
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映画『昼下がりの情事』結末

その健気な姿に、フラナガンは抑えきれず、遂にアリアーヌを列車に抱えあげた。
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口づけを受けたアリアーヌは涙を流した。
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プラットホームには見送る、父シャヴァッスの姿があった。
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フラナガン事件の報告として「結婚した2人はカンヌに旅立ち、ニューヨークに住むことになる」と彼の声で語られた。

そんな2人をジプシーの楽団が、魅惑のワルツで見送った。
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posted by ヒラヒ・S at 17:00| Comment(0) | アメリカ映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月06日

『理想的なシネマテークのための映画ベスト100』日本映画も選出!/フランス映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」2008年発表

フランス映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」発表!
『理想的なシネマテークのための映画ベスト100』


フランス発の映画革命ヌーヴェル・バーグを生んだ雑誌「カイエ・デュ・シネマ」が選んだ映画リストです。
「カイエ・デュ・シネマ」(Les Cahiers du cinéma)は、フランスの映画批評誌である。初代編集長アンドレ・バザン提唱の「作家主義」、および同誌の執筆者からヌーヴェルヴァーグの映画作家たちを生んだことで知られる。
1951年4月、バザン、ヴァルクローズ、ジョゼフ=マリー・ロ・デュカ(ジュゼッペ・マリア・ロ・デュカ)らによって創刊。ロメール、リヴェット、ゴダール、クロード・シャブロル、トリュフォーら、後にヌーヴェルヴァーグの映画作家となる若者たちが批評家として活躍していた。「作家主義」を掲げて、フランスの映画批評に新たな風を吹き込んだ。(wikipediaより)

そんな「カイエ・デュ・シネマ」が発表したのが、この『理想的なシネマテークのための映画ベスト100』(100 films pour une cinémathèque idéale)です。
そのタイトルでも分かるとおり、シネマテーク(上映ホールを備えた映画図書館)が揃えるべき映画資料として、100本の映画を選出したという意味づけかと思います。
映画関係の78人、映画監督、批評家、業界関係者や文化・歴史家などの投票を集計し、2008年11月公表されました。投票数が同点となった場合は同位となりますので、例えば86位が16本あるという事になります。
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それでは、いよいよ『理想的なシネマテークのための映画ベスト100』のリストをご紹介。
当ブログで紹介した映画にはリンクを貼っていますので、よろしければご覧ください。
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フランス映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」2008年発表
『理想的なシネマテークのための映画ベスト100』リスト


◎当リストBGMに、このリスト内の映画『ノッティングヒルの恋人』からこの曲はいかが?
<エルビス・コステロ「SHE」>

Film2-GrenBar.png86位 ナポレオン (1927/フランス)アベル・ガンス
86位 自転車泥棒 (1948/イタリア)ヴィットリオ・デ・シーカ
86位 暗黒街の顔役 (1932/アメリカ)ハワード・ホークス
86位 黄金狂時代 (1925/アメリカ)チャールズ・チャップリン
86位 夜と霧 (1955/フランス)アラン・レネ
86位 モード家の一夜 (1969/フランス)エリック・ロメール
86位 マルホランド・ドライブ (2001/アメリカ)デヴィッド・リンチ
86位 マンハッタン (1979/アメリカ)ウディ・アレン
86位 ローラ (1961/フランス、イタリア)ジャック・ドゥミ
86位 忘れじの面影 (1948/アメリカ)マックス・オフュルス
86位 陽は昇る (1939/フランス)マルセル・カルネ
86位 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ (1984/アメリカ、イタリア)セルジオ・レオーネ
86位 キッスで殺せ! (1955/アメリカ)ロバート・アルドリッチ
86位 エル (1953/メキシコ)ルイス・ブニュエル
86位 アメリカ アメリカ (1963/アメリカ)エリア・カザン
76位 ぼくの伯父さんの休暇 (1953/フランス)ジャック・タチ
76位 スタア誕生 (1954/アメリカ)ジョージ・キューカー
76位 バンド・ワゴン (1953/アメリカ)ヴィンセント・ミネリ
76位 タブウ (1931/アメリカ)F・W・ムルナウ
76位 パーティ (1968/アメリカ)ブレイク・エドワーズ
76位 トーク・トゥ・ハー (2002/スペイン)ペドロ・アルモドバル
76位 山椒大夫 (1954/日本)溝口健二
76位 恋のページェント (1934/アメリカ)ジョセフ・フォン・スタンバーグ
76位 アンドレイ・ルブリョフ (1966/ソ連)アンドレイ・タルコフスキー
76位 めぐり逢い (1957/アメリカ)レオ・マッケリー
65位 Van Gogh (1991/フランス)モーリス・ピアラ
65位 モダンタイムス (1936/アメリカ)チャールズ・チャップリン
65位 夏の嵐 (1954/イタリア)ルキノ・ヴィスコンティ
65位 無防備都市 (1945/イタリア)ロベルト・ロッセリーニ
65位 プレイタイム (1967/フランス)ジャック・タチ
65位 ピクニック (1946/フランス)ジャン・ルノワール
65位 イントレランス (1916/アメリカ)D・W・グリフィス
65位 大いなる幻影 (1937/フランス)ジャン・ルノワール
65位 バリー・リンドン (1975/イギリス)スタンリー・キューブリック
65位 地獄の黙示録 (1979/アメリカ)フランシス・フォード・コッポラ
65位 勝手にしやがれ (1960/フランス)ジャン=リュック・ゴダール
58位 裁かるゝジャンヌ (1928/フランス)カール・テオドール・ドライエル
58位 殺人狂時代 (1947/アメリカ)チャールズ・チャップリン
58位 素晴らしき哉、人生! (1946/アメリカ)フランク・キャプラ
58位 極楽特急 (1932/アメリカ)エルンスト・ルビッチ
58位 ザ・デッド/「ダブリン市民」より (1987/イギリス、アイルランド、アメリカ)ジョン・ヒューストン
58位 甘い生活 (1960/イタリア)フェデリコ・フェリーニ
58位 大人は判ってくれない (1959/フランス)フランソワ・トリュフォー
50位 七人の侍 (1954/日本)黒澤明
50位 ローラ殺人事件 (1944/アメリカ)オットー・プレミンジャー
50位 キング・コング (1933/アメリカ)メリアン・C・クーパー&アーネスト・B・シュードサック
50位 ゲアトルーズ(ガートルード) (1964/デンマーク)カール・テオドール・ドライエル
50位 走り来る人々 (1958/アメリカ)ヴィンセント・ミネリ
50位 お熱いのがお好き (1959/アメリカ)ビリー・ワイルダー
50位 美女と野獣 (1946/フランス)ジャン・コクトー
50位 フェリーニのアマルコルド (1973/イタリア、フランス)フェデリコ・フェリーニ
45位 とらんぷ譚 (1936/フランス)サッシャ・ギトリ
45位 気狂いピエロ (1965/フランス、イタリア)ジャン=リュック・ゴダール
45位 ラ・ジュテ (1962/フランス)クリス・マルケル
45位 8 1/2 (1963/イタリア)フェデリコ・フェリーニ
45位 群衆 (1928/アメリカ)キング・ヴィダー
43位 ファニーとアレクサンデル (1982/スウェーデン、フランス、西ドイツ)イングマール・ベルイマン
43位 2001年宇宙の旅 (1968/アメリカ、イギリス)スタンリー・キューブリック
36位 風 (1928/アメリカ)ヴィクトル・シェストレム
36位 黒い罠 (1958/アメリカ)オーソン・ウェルズ
36位 ゴッドファーザー (1972/アメリカ)フランシス・フォード・コッポラ
36位 イワン雷帝 (1944/ソ連)セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
36位 汚名 (1946/アメリカ)アルフレッド・ヒッチコック
36位 戦艦ポチョムキン (1925/ソ連)セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
36位 情事 (1960/イタリア)ミケランジェロ・アントニオーニ
30位 ディア・ハンター (1978/アメリカ)マイケル・チミノ
30位 快楽 (1952/フランス)マックス・オフュルス
30位 たそがれの女心 (1953/フランス、イタリア)マックス・オフュルス
30位 ムーンフリート (1955/アメリカ)フリッツ・ラング
30位 裸足の伯爵夫人 (1954/アメリカ、イタリア)ジョセフ・L・マンキウィッツ
30位 肉体の冠 (1951/フランス)ジャック・ベッケル
24位 スリ (1959/フランス)ロベール・ブレッソン
24位 北北西に進路を取れ (1959/アメリカ)アルフレッド・ヒッチコック
24位 パンドラの箱 (1929/ドイツ)G・W・パブスト
24位 二十四時間の情事 (ヒロシマモナムール) (1959/フランス、日本)アラン・レネ
24位 山猫 (1963/イタリア、フランス)ルキノ・ヴィスコンティ
24位 独裁者 (1940/アメリカ)チャールズ・チャップリン
21位 ママと娼婦 (1973/フランス)ジャン・ユスターシュ
21位 大砂塵 (1954/アメリカ)ニコラス・レイ
21位 フリークス (怪物團) (1932/アメリカ)トッド・ブラウニング
16位 音楽サロン (1958/インド)サタジット・レイ
16位 吸血鬼ノスフェラトゥ (1922/ドイツ)F・W・ムルナウ
16位 キートンの大列車追跡(キートン将軍他複数題有)(1927/アメリカ)バスター・キートン&クライド・ブラックマン
16位 街の灯 (1931/アメリカ)チャールズ・チャップリン
16位 雨月物語 (1953/日本)溝口健二
15位 軽蔑 (1963/フランス、イタリア)ジャン=リュック・ゴダール
14位 東京物語 (1953/日本)小津安二郎
12位 生きるべきか死ぬべきか (1942/アメリカ)エルンスト・ルビッチ
12位 リオ・ブラボー (1959/アメリカ)ジョン・フォード
9位 グリード (1924/アメリカ)エリッヒ・フォン・シュトロハイム
9位 捜索者 (1956/アメリカ)ジョン・フォード
9位 天井桟敷の人々 (1945/フランス)マルセル・カルネ
8位 めまい (1958/アメリカ)アルフレッド・ヒッチコック
7位 雨に唄えば (1952/アメリカ)スタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー
6位 M (1931/ドイツ)フリッツ・ラング
5位 アタラント号 (1934/フランス)ジャン・ヴィゴ
4位 サンライズ (1927/アメリカ)F・W・ムルナウ
2位 ゲームの規則 (1939/フランス)ジャン・ルノワール
2位 狩人の夜 (1955/アメリカ)チャールズ・ロートン
1位 市民ケーン (1941/アメリカ)オーソン・ウェルズ
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『理想的なシネマテークのための映画ベスト100』感想

フランス映画評論誌「カイエ・デュ・シネマ」が選んだだけあって、アメリカやイギリスの権威が選んだベスト100とは違う印象です。
◎英国映画協会のベスト映画企画
『映画評論家が選ぶ映画ベスト100』
日本映画が6本選出!!!
世界中の映画評論家が選んだ映画の中の映画とは?

リストの中にフランス映画はもちろん、イタリア映画や、非英語圏の映画が多いように思います。

日本映画も、黒澤明 (七人の侍)、溝口健二(山椒大夫、雨月物語)、小津安二郎(東京物語)とリストアップされています。

ただイギリスの「テレグラム」他複数のメディアは、イギリス映画がリストにない事を非難しています。(http://www.filmdetail.com/2008/11/23/cahiers-du-cinemas-100-greatest-films/

いろいろありはしますが、人種、言語が違えば文化評価も違うのは当然と思いますが・・・・・・・・・・・

そんな事で、世界中で、様々な意図で「映画ベスト100」が企画されています。
◎いろいろな『映画ベスト100』企画紹介
世界各国で選ばれた『映画100本』のリストを紹介!!!
映画界、映画ファン、映画評論家など、選定方法もさまざま!
日本映画も各リストでランクイン!


また、映画の歴史に興味があれば、アカデミー賞の歴代受賞はいかがでしょうか?
関連レビュー:オスカー受賞一覧
『アカデミー賞・歴代受賞年表』
栄光のアカデミー賞:作品賞・監督賞・男優賞・女優賞
授賞式の動画と作品解説のリンクがあります。
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posted by ヒラヒ・S at 17:00| Comment(0) | 映画情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする